マッカーサーの告白
「この話は、どこまで本当なのかわからないけど。」
と、晃は言いながらマッカーサー元帥の告白について語り始めた。
1957年(昭和32年)2月に、駐日大使として赴任してきたダクラス・マッカーサー二世は、連合軍最高司令官であったダグラス・マッカーサー元帥の甥であった。元帥は1951年に引退したが、日本に赴任する甥に、次のように語ったという。
「私は、占領軍司令官として三つの誤りをおかした。私に代わって、ぜひ日本国民にお詫びしてほしい。一番目は、日本国にアメリカ型民主主義を押し付け、キリスト教化をはかったことであり、二番目は、日本国民の結束をバラバラにするために人間天皇の宣言を強いたこと、三番目は、GHQ憲法を強制したことである。日本が、速やかに日本本来の姿に立ち返ってほしいと、言ったそうだ。どうもこの話は、かなり脚色がついている気もしなくはないが、一面で正しいところもある気がする。戦後、日本国民は何かを失ってしまった。それは、国としての正義だと思う。日本という国は、天皇を神とすることによって長い間保持されてきた気がする。また、武家の時代には武士道といったものが国の基盤にあった。今、国としての正義を求めるとしたら、それが、どこにあるのかがわからない。」
そう言って、晃はため息をついた。
「極東国際軍事裁判のパール判事が陳述したように、武力をもってする侵略を是としてきたキリスト教文化や個人主義思想による民主主義は、サンスクリット語にいうアヒンサー(*)を旨とした非暴力文化に基づいたアジアにおける正義には、本質的になじまない気がする。」
*アヒンサーは生き物を殺したり害したりすることを禁止するという行動規範で、あらゆる種類の暴力が好ましからざる業果をもたらすという信念に密接に関連付けられる。非暴力の原理を(人間以外の)異なる生命形態にどこまで広げるかは、ヒンドゥー教、仏教、特にジャイナ教の三つの宗教内において種々の権威者・活動・流派間で物議をかもし、何千年ものあいだ論争の題材であった。(Wikipediaより)
つづく
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