闘え!文庫魂

空手を愛する熱い仲間たち
金沢文庫木元道場生におくるメッセージ

黒帯5人衆勢ぞろい

2007年12月21日 | 道場日記

 今日は指導が納めとなるお2人の指導員さんを含め、残りの3人の指導員さんも揃って道場にみえたそうです。木曜日はスペシャルデイですね♪
 せんせーが腰を悪くして、指導をお願いしていたときもそうでした。せんせーの状態を思い図って、毎週木曜日に集ってその先一週間の指導スケジュールを立てて下さっていました。せんせーから伝える「だいぶよくなってきた」の「だいぶ」とは今から思えば気休め、もしくは願いからの言葉でしかなく、実際家では全く動けない状態でした。「大丈夫です。ゆっくり休んでください」正直に伝えなくても私のいないところで相談し、金曜日には机の上に黒帯さんの名前の入った時間割表がそっと置かれていました。そんな一週間が何度となく繰り返され、先の見えないせんせーの経過とそれぞれのお仕事に支障があるのではという思いがあり、申し訳ないのとありがたいという気持ちでいっぱいでした。
 せんせーは、「沓澤指導員の結婚式にだけは絶対に間に合わせる!」とずっと言っていました。しかし、その日は刻々と迫り、演武や挨拶どころか立って歩くことすらままならない状態でその日を迎えることとなりました。沓澤指導員は大事な結婚式を控えているのに関わらず、ぎりぎりまで指導に入ってくださり、東京へ治療に行くのを車で送り迎えしても下さいました。他の指導員さんは勿論、沓澤指導員を気遣い、なるべく準備に専念をと話していましたが、とにかく「大丈夫です」と言って大変な様子を少しも見せませんでした。結婚式当日も最後の望みを懸けた治療院で寝返りが全くうてなくなって動けなくなってしまい、迎えに来てくださった指導員さんを心配させてしまいました。指導員さんの運転する車に寝そべった状態で、ゆっくりゆっくり会場に向かってもらいました。
 到着した結婚式の会場は、とても準備が「大丈夫です」とは言えない、どこまでも気配りのされた素晴らしいものでした。沓澤指導員の教会での誓いの言葉は、ドラマですら今までに聞いたことのないほど大きな「誓います」の声でした。決意の表れであり、それだけでもう十分なほど感動しました。
 披露宴会場(有名なお店のレストランウエディングでした)の席に着くと招待客のひとりひとりに長文の自筆のメッセージカードが置いてありました。どれほどの時間がかかっているのかは自分宛のものを見ただけですぐわかりました。「大丈夫なわけなかったのに・・・」そう思うと涙が出てきました。お料理も演出も考え抜かれ、何もかもが心がこもっていました。主役でありながら、せんせーの体調を気遣っているのが伝わってきました。松葉杖を外すことは残念ながら出来ませんでしたが、空手着に着替え(勿論着替えを手伝ってもらい)なんとか号令をかけることができ、他の指導員さんと沓澤指導員の力により演武は大成功しました。(その後トイレに立ったら一歩も動けなくなっちゃったんですけどね)
 奥様のお友達の喜んだ様子から奥様の人柄もすぐにわかりました。会社でもお友達からも愛され、祝福されているのが伝わってきました。そして良いご両親に育まれ、このようなお二人なんだなぁ・・・ということも。ご両親にお手紙を読むときには、奥様が感極まってしまい、それを沓澤指導員が代わりに読みました。なんとも微笑ましく、男らしい光景でした。やっぱり黒帯さんになる人は心底優しく、強くなんだと改めて思いました。
 最後のスライドショーでは、桑田佳祐の「明日晴れるかな」が流れ、二人の長いお付き合いの歴史がその様子からわかりました。お見送りをして下さったお母様が「うちの子は空手に懸けていますから、これからも宜しくお願いします」そうお声をかけて下さいました。高校生の時からずっと見守って下さっているご両親からそう言っていただけるなんて本当に有難い事だと感激しました。奥様も空手にとっても理解がありますし。
 せんせーとして不甲斐ない姿を見せるかたちとなり、本当に申し訳なかったのですが、結婚式は素晴らしいものでした。いつもにまして沓澤指導員ホントにかっこよかったです。帰りも送って下さった指導員さんが「沓澤みたいな奴だったら、うちの娘を嫁にやってもいい!」とおっしゃいました。それって凄い誉め言葉だと思います。大事な大事な娘さんであるのに関わらずなこと、黒帯さん同士でそれだけ惚れ込んでいること、どっちも凄いことですよね~。
 まさに怪我の功名で・・・5人の黒帯さんは、せんせーのアクシデントを経て、それぞれに指導力を磨かれ、強い団結力で道場を支えて下さいました。今年も本当にお世話になりました。来年も宜しくお願いいたします。押忍