6月21日に父が亡くなった。
その数日前に危篤の連絡をもらい、母と姉と私の三人で
父が入院している埼玉県の狭山市の病院にかけつけた。
その日は、カッパさんに無理言って
店を午後休にしてもらった。
新大阪から4時間かかった。
父は危篤状態は脱していたが
しゃべることも目を開けることもできなかった。
私が父に会うのは何度目だろう。
父と母は私が3才くらいのころ離婚した。
私が覚えているのは
姉の結婚式のときに会ったのと、
12年くらい前にも
東京に旅行に行ったときに会ったくらい。
たった2回だ。
姉は父が大好きだったので、
私よりももっと会っていたようだ。
病状が悪化しているのは、姉から聞いていた。
でも、もう会う機会はないだろうな・・・
と私なりに決め付けていた。
しかし危篤の連絡をもらったときは
「会いに行こう」と決めた。
それが最期の別れになった。
そのとき、腹違いの弟と会った。
少し父の面影がある。
父の奥さんは私を見て
父の妹に似ているね、と言った。
父とは全然似ていないと思っていた私だが
思いのほか父の血筋を引いていたのだ。
ちなみに父の妹には一度も会った記憶がない。
父の長男は、少し目つきが鋭く
表情がかたい人だった。
次男は柔らかい物腰で好感が持てた。
父は若くしてハゲていたのだが、
次男だけその特徴を受け継いだようだ。
次男にはなんとなく血のつながりを感じた。
三男は会えなかった。
長男だけが結婚しているようだが
子どもはいないと言う。
では父の孫は姉の二人の娘だけだと言うことだ。
そっか『○○家』の名字はこれで途絶えてしまうんだな。
父が亡くなった連絡を受けたときは
複雑な気持ちだった。
特に悲しいと言う感情はない。
しかしカッパさんが
「ねぇ、今どんな気持ち?悲しい?」と
見事なアスピーぶりを発揮する。
「そっとしといて」と私が言っても
お構いナシだ。
ぐいぐい心の中に踏み込んでくる。
「ねぇどんな気持ち?おしえてーー」
普通ならここで、相手をぶっとばすだろう。
しかしカッパさんはアスピーだ。
私がいらだっている理由がわからない。
「そんなに悲しくないんやろ?」とたたみかける。
すごい!この無神経さ!
わぁーーーすごいなーー
こんな無神経な人に会ったことある??ねえ、ある?
自分の父親が亡くなったって聞かされたときにだよ?
「今の私の気持ちなんて説明できないから。もう寝る」
その日はやけ酒でも飲みたい気持ちを抑えて
10時に寝た。
普通の旦那だったら、一緒にハイボールでも飲んで
私が覚えている父の思い出を
とつとつと語らせてくれたろう・・・。
カッパさんにはむり。
残念だ・・・。