友人に誘われてちょっとだけセレブなバスツアーに行った。
某重要文化財となっている建物で、ゆったりと食べるイタリアンや、
英国式庭園の薔薇がみごとな須磨離宮を巡るコース。
最後、神戸の中華街も行った。
バスツアーってそんなに期待してなかったんだけど、
今回は久々に満喫した。
全くの初対面のツアー客(今回は女性しかいなかった)と同じバスに乗り合わせ、
目的地に行くと言うだけで、めっちゃ非日常なのね。
ツアー客は全部で12名。
本当は14名だったのだが、
バスの出発時間になっても2名だけ現れず、
添乗員さんが「あと10分だけ待って出発します」と告げた。
どうやら携帯電話も話し中でつながらないとのこと。
その途端、声の良く通る女性(たぶん70代)が
「この待ち合わせ場所、地図が不親切で全然わからなかったわよ。
きっとまだこの辺を迷っていると思う。
旗持って探してきなさいよ。
なんならみんなで探しに行くわよ、ねぇ?」
バスのみんなが「えーー」って心の中で叫んだと思う。
しかたなく添乗員さんが、
「周辺を探します」と言って15分ほど帰ってこなかった。
もし道に迷っているなら電話よこすだろ?
他に事情があってもバスツアーの出発時間が念頭にあれば、
添乗員に連絡するはずだ。
もう電話をよこさない時点で、ツアーの日程を間違っているとしか思えない。
結局バスは出発したが、
「バス、止めてーー!!」と例の女性。
「今、迷っているらしい女性2人組がいたわ! あの人たちよ、きっと!!」
と声を張り上げた。
添乗員さんは冷静に、
「年齢が違います」と返した。
いつまで続くのか?
女性2人組にかたっぱしから声かける気か?
などと考えていると
「かわいそうよねーー。待ち合わせ場所にたどり着けなくて。
きっと今日楽しみにしていたと思うわ。
私なら置いていかれたらショックだわー」
と例の老女はまだほざいている。
いーーや!
絶対、日程を間違えただけだ。
その後バスが高速道路に入ったのでその女性はおとなしくなった。
やっとあきらめてくれたのだ。
さて昼食会場のレストランは、休日は結婚式場としても使えるらしい。
大正ロマンを感じさせる内装や、
目にもまぶしいシャンデリア。
やっすいニットなんか着て来なくてよかった。
料理もおいしくてお腹いっぱいになった。
その後、須磨離宮で美しい王侯貴族の薔薇園を愛で、
テラスでアイスティーなどを飲んで過ごした。
神戸の南京町はスルーしてもいいかな、と思ったけど
思いのほか中華食材にはまってしまって、
つい爆買い(?)してしまった。
でもね、月餅とか鶏のうまだれとかね日本産なのね。
やっぱり中国産は敬遠されているのね。
さて、南京町の西安門がツアーの集合場所なのだが、
例のおばちゃんが通りすがりの若い女性観光客に、
「写真撮ってあげるわよ」と半ば強引に彼女たちからスマホを奪った。
そこからが大変。
プロカメラマンのごとく、アングルを変えたり、ポーズを注文したり、
挙句の果ては本人まで加わっての自撮り。
通行人を何人せき止めたかわからない。
でもねー、最初はすんごくムカついていたけど、
最後はなんか憎めなくなっちゃうんだよね。
あんだけズケズケ物を言えたらストレスフリーだろうな。
たぶん周りはもう慣れっこなんだろうな。
昼食では向いに座った40代くらいのマダム二人と
話が弾んで楽しかった。
一期一会ってこう言うのかな?
次も同じツアーで会ったら、みんな友達になれそう。
うん、例のおばちゃんもね。
ツアーってそういう魅力があるよね。
非日常を堪能できて本当に満足だった。
そうそう、カッパさんのこと忘れちゃなんね!
その日、カッパさんは
・運転免許の更新
・自然公園のミニトレッキング
・家の掃除
・ベランダの掃除
・玄関の掃除
など実にフル稼働したらしいのだ。
カッパさんは1日にせいぜい2件しか仕事をこなせないのに、
その日はなんと5件もこなした。
おかげで夜は知恵熱を出した。
いつものカッパさんなら、それを恩着せがましく私に語るのだが、
少しは成長したのか、あまり恩に着せなかった。
私は次の日カッパさんが死ぬんじゃないかと思った。
よく悪人が心を入れ替えて良いことをすると、次の日は死ぬって昔話であるよね。
でもね、翌日は元気だったよ。
残念!!