カッパの女房

縁あってASDのカッパさんの嫁になりました。
カッパさんの飼い主・・・いや嫁として日々修行中です。

あゝ京阪京橋駅

2022-03-06 15:27:19 | 日常のあれこれ
久しぶりにサラリーマンの帰宅時に、

京阪京橋駅のホームに立った。

大声でスマホでクレーム対応しているおっさん。

死んだ魚の目でアメリカンドッグを食むおっさん。

折り畳み傘の棒を伸ばしたまま振り回す若い女性。

伸びたモヒカンにスーツの男性。

ざっと目に着いただけでも「あぁ京橋」と懐かしむ。

京阪京橋駅のホームは売店や自販機、階段などが多く、

電車を待つ列がまっすぐに並べない。

だいたいが斜めに歪んでしまっている。

また3列目あたりから自由な並びになっていて、

世間話している人とかも混じっている。

だから、みんなどの列車を待っているのかがわからない。

電車が停まっても、列の先頭はびくとも動かないので、

真面目に最後尾で待っていると目当ての電車に乗りそびれる。

列になっているのは特急を待つ人たちがほとんどだ。

準急などに乗る雑魚客は適当に近場に居て、

電車のドアが開いたらすぐに乗る!

それでよい。


京阪京橋駅には私の勤める会社があった。

朝、京橋駅に電車が入ると爆発したように車両から人があふれ出す。

降りる客がまだ車両に残っていようがいまいが、ホームの客がどっと乗り込む。

それをバイトの若者が押して押して押しまくっていた。

それが日常だった。

駅に着くたびに車両の人流のうねりで、

カバンの取っ手は掴んでいるものの、

本体を見失うことはよくある。

カバンを引き寄せようとすると近くの人を回転させてしまうので、

引き寄せられない。

次のうねりを待つしかないのだ。

財布の無事を祈るのみだ。

ある日私は降りるつもりが乗ってくる人に押し戻されて、

車両の中ほどまで追い込まれた。

私の「すいませーーん、降ります降ります」と言う声だけが、

リフレインで車両に響いていた。

もちろん一駅乗り過ごしたさ。

別の日はなんとかドアまでたどり着いたものの、

飛び乗ってきた人にドンと押されて、

そのまま直立のまま後ろに倒れてしまった。

私の顔の横を靴がバタバタと走り抜ける。

髪も踏まれた。

だれかが手を差し伸べて起こしてくれた。

私はお例も言わずに脱兎のごとくホームから駆け出した。

怖かった、ただ怖かった。

それからと言うもの、

駅に着いたら降りる人すら押しのけて降りた。

これは戦いなのだ。ジハードなのだ。

京橋駅にはそんな思い出がある。

それもこれも若き日の思い出だ。

カッパさんはこの(私が倒された)ネタをすごく気に入っているようで、

何度も聞きたがる。

カッパは電車通勤がほぼゼロだからな。

だからこれが『ザ・通勤ラッシュ』だと認識している。

今でも、駅のホームでこんな恐ろしいことが繰り広げられていると思っている。

まあ間違いではないだろうけどね・・・。今の通勤ラッシュは私も知らないからな。

そんなカッパさんに一度は通勤ラッシュを体験させてあげたい。

ささやかな親心だ。
コメント
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