光と影の軌跡Ⅱ

つれづれなるおじさんの写真日記

まるでシルクロードの敦煌窟のようです-岩谷観音堂の磨崖仏

2023年06月28日 | 日記

 保田漁港に行った帰り、富津市数馬区の岩谷観音堂遺跡に寄って来ました。ここは湊川側の小高い岩山にある、古墳時代の横穴を利用したやぐら群(横穴式の供養塔)です。奈良時代の高僧「行基上人」によって一夜にして彫られた磨崖仏という言い伝えがあります。

 少し急な階段と坂道を上って行くと崖に沢山の石窟が見えてきます。石窟は14あるそうですが、急な斜面に階段があるだけなので、見学できるのは手すりのある3~4窟を数えるだけです。

そして観音堂があり、右前に可愛らしい像と石板が立てられています。

 観音堂の後ろの岩山には廻廊窟があります。コの字型に岩山がくり貫かれ両方の壁には沢山の磨崖仏が浮き彫りにされています。何時のように左側から入っていきます。中は照明があるようですが、消灯されたままで何時も真っ暗。しかし入り口から入る光で、ほんのりと仏像の輪郭が浮かんできます。

 何のために、この場所に磨崖仏が彫られたのでしょうか?不思議な所です。上は入って左側の壁、下は右側、その下は突き当りの壁です。

 コの字型に曲がった廻廊窟をゆっくり歩いて行くとクッキリとした磨崖仏が見えてきます。そして出口の側には巨大な仁王像があります。砂岩質なので風化が進んでいますが、他を圧倒する迫力があります。

 廻廊窟の上には鉄製の手すりが着いた階段があり、登ると広い石窟です。なぜかテーブルとイスが置かれています。休憩用でしょうが、無用の長物です。壁には磨崖仏が多数彫られていますが、かなり風化して影絵のようです。

 入り口の石柱には、クッキリと2体の石仏が道祖神の様に彫られています。石仏の下には名前と村名が刻まれ、そっと触って見ると掘った人の息吹が伝わってくるようです。岩谷観音堂はいつ来ても素晴らしい磨崖仏群に感動してしまいます。いつまでも大事にしてほしい宝物のような遺跡です。



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