竹心の魚族に乾杯

Have you ever seen mythos?
登場する団体名、河川名は実在のものとは一切関係ございません。

キョロキョロしないサルとは

2010年03月27日 | 竹田家博物誌
「唯脳論」に、猿回しの調教をするサルを選ぶときに、キョロキョロしないサルを選ぶ、ということが書いてあります。 もちろんこれは養老孟司先生が研究したわけじゃなくて中里介山の『大菩薩峠』に言及したわけですが、こういうところにピピッと来る感性がさすがだなあと思うのです。 哺乳類というのはだいたい眼が横に付いていますが、サルというのは眼が頭部の前方に付いています。ウサギなどとは違って、後ろの状況を察知 . . . 本文を読む

史的どうぶつ論――主人と奴隷の弁証法

2010年03月16日 | 竹田家博物誌
世の中は発展し進歩していますけど、どうも知識人、インテリというのは自然や動物を観察することが圧倒的に足りないのではないかと思いますねえ。シミュレーションゲームじゃあるまいし何でもかんでも単純なパラメーターで制御しようとしているように見えます(一方で科学無用論というか「自然科学なんてない方がいい」みたいな人もいますけどね)。 近頃では婚姻数や出生数が減っていて、どうやって子供を増やそうかなどとよく言 . . . 本文を読む

「負け犬の遠吠え」という現象

2010年03月08日 | 竹田家博物誌
柳田国男は人と人がすれ違う際に勝ち負けのようなものがあったということを書いていたわけですけど、ちょっとそこで、ある思いつきを試みることにしました。書店で、熱心に本を探している男性の前をわざと邪魔するように通り過ぎてみるのです。その時にゆっくり堂々と通り過ぎれば大抵の人は腹を立てず、何事も起こらないということはすでに分かっていました(理由は不明)から、あえて少々大袈裟に、身体を縮こまらせながら不器用 . . . 本文を読む

では人間の場合は…

2010年03月05日 | 竹田家博物誌
人間の脳は、大脳が異様にでかい。生きていくのに必要な容量をはるかに越えています。どうみても進化論的におかしい。これは人間の脳だけが異常なのでしょうか? 養老孟司先生は「唯脳論」の中でこう言っています。 それ(人間が意識を獲得したこと)が人間を生み、この地上にとことんまではびこらせたというのは、一つの答えかもしれない。しかし、それを目的として脳が大きくなったというのは、どう考えてもおかしい。ほとん . . . 本文を読む

ストレスを利用する哺乳類

2010年03月04日 | 竹田家博物誌
一昨日の哺乳類の優劣に関連して。車同士でもこっちが優先道路を来てるのに、向こうが大きい車だと思わず反射的に譲ってしまうとか、信号機のない横断歩道でも、車が来てるとなんとなく横断するのをためらってしまう(これは「車は歩行者が横断するのを妨げてはならない」)という具合に、交通法規がなかなか守ってもらえないという現象があるわけですけど、これも動物的な本能のなせる技なのかなあと、思い出した次第です。 . . . 本文を読む

ストレスとコミュニケーション

2010年03月02日 | 竹田家博物誌
シロギスやハゼの餌に使うイソメは,針に付けようとして指でつまむとそれまで死んだように静かだったのが急にムニュムニュ身体をくねらせてうごめきます。これを気持ち悪いといって嫌がる人もいるのですが,まあ,確かに「えっ,こんなに元気だったの?」とびっくりさせられるということはありますねえ…。自分はどちらかというと気持ち悪い餌よりも臭い餌の方が苦手ですね。 さて,泥の中で生活しているゴカイ類は普段はおと . . . 本文を読む

脳の中のスイッチの説明

2010年03月01日 | 竹田家博物誌
昨日、一昨日の脳の中のスイッチですけど、そんなものがあるのかという人のための簡単な補足説明です。 睡眠、覚醒というモードが明瞭に分かれていることの説明は以下のイラスト(1)を見ていただければ分かると思います。電気のスイッチには必ずバネがあるように、気の利いた、さり気ない仕組みが睡眠と覚醒のシーソーを支えているのではないでしょうか。そうすれば“バネ”のおかげで、揺れ動いたり目覚める途中でコケたりし . . . 本文を読む

刺激とストレスと魚

2010年02月28日 | 竹田家博物誌
最も原始的な魚様生物というものを考えてみましょう。この生物は水中で生活し、最も単純な運動機能、すなわち蛇行運動によって進むことができます。これは脊椎に添って並んだ筋肉の周期的な収縮によって成り立ちます。一方、通常の魚にみられるヒレを小刻みに動かして進む運動方法にはさらに高次の神経作用、複雑な制御機構が必要です。 この仮想生物の形態としては動物の精子に似たものになります。ウナギの稚魚、鮎の稚魚、シラ . . . 本文を読む

魚と猫の脳について

2010年02月27日 | 竹田家博物誌
自分は猫が好きです。猫は行儀が悪くて憎たらしいけど、どこか憎めないところがありますね。それとやっぱり魚と似ていると思います(姿ではなく行動が…)。時に魚から離れ、改めて猫の習性を観察するのは楽しいですね。 ネコという生き物は面白い動物です。瞬発力が優れている一方、持久力はそれほど発達していません。ヒトは日中ずっと起きているのに対して、ネコは夜昼に関係なく寝たり起きたりを繰り返しています。睡眠― . . . 本文を読む

オゾン層破壊の主役

2010年01月31日 | 竹田家博物誌
釣りと関係ないネタですみません。今月号のサイエンティフィック・アメリカンによると、世界中の農業で使われている化学肥料がオゾンホールを広げる原因になっていることが解明されたとのこと(1)。 化学肥料(硫安)がオゾン層を壊してしまう仕組みはというと、ある種のバクテリアが土の中のアンモニウムイオン、あるいは水に溶けているアンモニアガスを硝酸イオンに変え、それが亜酸化窒素として徐々に大気中にガスとして出 . . . 本文を読む

猫の水の飲み方

2009年12月30日 | 竹田家博物誌
日曜日の「ダーウィンが来た!」、NHKが誇る超スローモーションカメラで、ネコ(とイヌ)が水を飲む様子をやっていました。 知っての通り、イヌやネコは舌だけを水面につけて、上手に水を飲みます。 番組の解説では、ネコが舌を引っ込める時に、水が一緒に巻き上げられて、それで水を汲み上げているというふうに言っていました。確かにそんなふうに見えました。 けれども、ネコが1回に飲む水の量ってそれほど多くないは . . . 本文を読む

大丈夫?深層水

2009年12月25日 | 竹田家博物誌
最近コンビニのおつまみやポテトチップスの味がいまいち。なんでかな~とよく見てみたら、気になる表示が。 最近よく見かけますね~「海洋深層水」「海洋深層塩」。 さて、海洋深層水というと「ミネラルが豊富」という印象がありますけど、調べてみるとそれほど豊富ではないようです。 (出典:https://www.pref.kochi.lg.jp/~sinsosui/feature/feature. . . . 本文を読む

グルタミン”酸”にご注意

2009年10月29日 | 竹田家博物誌
カワハギ釣りのDVDでインストラクターの人が、餌を化学調味料で締める方法を紹介していて、「化学調味料にはグルタミンが含まれているので…」と解説していました。プロのインストラクターでも間違えるんですね~。グルタミンとグルタミン酸、全くの別物です。 グルタミンとグルタミン酸、なんだか紛らわしいですけど、理科の世界じゃ構造が近ければ名前も近いものになるというのが決まり。もちろん例外もあります。シリコン . . . 本文を読む

モンカゲロウの遡上行動

2009年07月31日 | 竹田家博物誌
川に棲む水生昆虫というとカゲロウやカワゲラ、トビケラ、ユスリカ、ガガンボなどです。釣り人の呼ぶいわゆる「川虫」というと大体カゲロウやカワゲラ類です。カゲロウやカワゲラがユスリカやガガンボなどと異なる点は、ひとつは飛ぶ力が強いことです。蝶や蛾と同じくらいのスピードで飛ぶことができます。蝶というとまったりしたイメージですが、実際にはかなりのスピードです。 その飛翔力に優れたカゲロウやカワゲラの類です . . . 本文を読む

地下水と川の関係

2009年07月23日 | 竹田家博物誌
先日「伏流水」って書きましたけど、伏流水というよりもむしろ、「地下水」といった方が正確かも知れません。 梅雨の長雨の時期を過ぎた頃、峠道を走っていて、切り通しの斜面の至るところから水がしみ出しているのを見るようになると、そろそろ良さそうだなという気がしてきます。辺り一帯の地下水位が飽和してくるわけです。 こうなると、ちょっとやそっとの日照りでは水位が下がりません。水量が安定してくるわけです。 . . . 本文を読む