最大震度5弱の地震が沖縄県竹富町の西表島を襲った1日夜、突然の揺れに住民らは驚きを隠せなかった。最も揺れが強かった島東部では車で高台に避難する家族の姿に戸惑う者や、職場同僚の安否を気遣い注意を呼び掛けるなど一時騒然。未明まで続く余震に、住民らは不安な夜を過ごした。

 環境省西表自然保護官事務所の杉本正太自然保護官(30)は「ドーンと下から突き上げるような揺れだった。ここ2~3カ月、地鳴りが何度かあったから職場でも怖いって話していたが、まさかこんなに大きいのが来るとは」と話した。

 自宅にいた同町議会の新博文議長は「急に揺れて何かと思った。町役場は大丈夫と言ったが、息子夫婦は子どもを連れて車で高台に逃げた。特に被害も津波もないようだが、まだ余震が続いているよ」と語った。

 島西部の干立地区の山下義雄公民館長(40)は、役員会議の最中に強い揺れを感じたという。竹富町消防団西表分団長でもあり、「中学の時に起きた群発地震は震度4が頻発した。学校や建物にひびが入るなどの被害があったから、注意しないと」と述べ、地域の見回りを続けた。

 仕事で西表島を訪れていた男性(51)は民宿で就寝中、下から突き上げる衝撃で目が覚めたという。「いきなりドカンときたので驚いて起きたら、防災無線もなって騒がしいし、あんなのは初めて」と話した。