今日の「石巻かほく」より引用
震災の津波で、この大きなロール紙が大街道の交差点まで流されていたのを、今でもお覚えています。
当時は、ライフラインが全滅していたので、自分が置かれている状況がほぼわかりませんでした。津波の水が引いて長靴で歩けるくらいになった頃に、初めて近所を歩いて、しっちゃかめっちゃかになった街のありさまを直に見ました。
泥まみれ、瓦礫だらけ、そこにポツンとこの白いロール紙がありました。後から、ごたごたになった成れの果てを集めた山のようになった物を見ましたから、あのロール紙だけが、瓦礫に押されてそのまま来たんだと思います。
晴れた暖かい日差しの下で、泥まみれのなかにある真っ白なロール紙の異常な光景 に、津波のちからの恐ろしさを痛烈に感じました。