What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

「3月11日」に思う事。

2017年03月10日 20時06分54秒 | 日常
 東日本大震災から六年がたったという事で、被災地民としてはなにか書かなければならないだろうなぁと、何日か前から思っていたんですね。地震と津波の酷い被害のこと?苦しかった生活のこと?でも、そういう事は他でもたくさん書かれているだろうしと、つらつら思い返して、今の生活とも合わせて考えてみたら、最後は「助けて下さった皆さん、ありがとうございました」という感謝の気持ちしかありませんでした。

当時、高校三年生だった長男は、大学に進学&卒業して就職し、好きな読書三昧のひとり暮らしです。中学二年生だった次男は、高校に進学&卒業し、大学に進学してひとり暮らしつつ、勉学にサークルにアルバイトにと充実した毎日を過ごしています。親として、この子たちの望みだけは絶対に叶えてやらなければと、それだけを一番にして(今思えばそれだけが揺るぎない支えでした)過ごした六年でした。

その六年のうち、半壊(のちに全壊認定されましたが)した家で二年暮らし、ようやくみつかったアパートに移り、ダンボールに囲まれて一年暮らし、元の土地に家を建て替えて四年。そのあいだ、同居している義父が震災のショック&老齢ゆえの衰えで問題行動を起こしたり、実家の両親のそれぞれの骨折、主人の大病と二度の手術、そして今年の初めに義父が亡くなりと、あとからあとからいろんな事が続きました。

それでもやってこれたのは、名前も顔も知らぬ皆さんからの励ましや援助でした。被災した当初は、こんなドロだらけガレキだらけ、食べ物を売っているお店も二・三軒しかなくて、電気やガスや水道が止まって、下水だって使えなくて、こんなところに助けが来るなんて思いもしなかったんですよ。それが、ボランティアの皆さんが濡れた重い畳を何枚も運び出して下さったり、美味しい炊き出しをして下さったり、自衛隊の皆さんが食料や水を配布して下さったり、夏のうだるような暑さの中で、ガレキを片づけて下さったり、あったかいお風呂を用意して下さったり、「助けてくれる人が居るんだ」と、その姿がなによりも励みになりました。支援金や学費の援助、医療費免除や税金なんかも、先の見えない暮らしの中で、本当にありがたかったです。


この六年の間にも、大きな地震や災害が全国で幾つもありました。たぶん、私が生きているうちに、もう一回くらいはこの土地にも震度7クラス、あるいはそれ以上の大地震が起きるだろうなと思っています。そしてまた人知が予想もつかないような出来事が起こるかもしれません。それでも、助けて下さる人が居るという事がどれだけ心を温かくしてくれるかを忘れずに、受けたご恩を、何度でもどんな形でも、どうにかしてお返ししていけたらと思っています。

震災は辛い出来事でしたが、利益も求めず見ず知らずの他人を助けて下さる皆さんが、大勢おられることを体感した貴重な出来事でした。報道では、どうしても被災地はいまだ復興せずとか、マイナスの面が強調されがちですが(事実そういった現状は多々あるのですが)願わくば、綺麗に整備された道路や線路、新しく作られた街並みや学校、ガレキが取り除かれた田畑で作られる作物、魚やワカメやカキの養殖など、生きようとしている人のチカラの素晴らしさもご覧になって下さい。

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2 コメント

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伊丹様へ (すず)
2017-03-12 16:18:14
 こんにちは、コメントをありがとうございました。

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Unknown (伊丹)
2017-03-11 19:21:00
大変ご無沙汰しております。
私ごときに語る資格はないとは思いますが、ブログを読ませて頂いてコメントさせて頂きたい衝動に駆られました。
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