私にとっては、ながいながい10年でした。
被災して大きく変わったのは、本が読めなくなった事です。字が読めるようになった小学校低学年以来、読んで読んで読みまくっていたのが嘘みたい。10年たてば変わるかな?と思ったんですが、だめでした。よくて年に一冊?あれだけ好きだったマンガも二・三作を年に数冊。TVや映画館で観まくっていた映画も、10年で数作しか観ていません。
どうしてなんだろう?と何度も考えてみたんですが、以前は大丈夫だった「ひどい場面」の描写に耐えられなくなったのが大きいと思います。暴力や虐待やいじめ、災害や人の生き死に等、そういった場面を創作だからと受け入れられなくなりました。
震災当時は(当然ですが)毎日いろんなモノがぐちゃぐちゃに混じったドロを素手でかきわけて片づけをしていました。真っ暗な中、ドロのついたトイレで用を足していました。お風呂に何日も入っていませんでしたし、服も何日も着たままでした。家族5人で六畳一間にぎっちり詰まって寝起きしていましたし、ネズミが居る台所で食事を作りました。
一日中ひっきりなしに余震がきて、また大きな地震かも?次は?と怖くてたまりませんでした。車は津波の水に沈み使えなくなりました。自転車はすぐに錆びました。ライフラインがいつ頃復旧したのか、いまでも正確に思い出せません。電気が戻っても、ぎりぎり津波に底の部分が浸かったガスコンロは錆びて使えなかったし、部屋の明りは地震で落ちて壊れて使えなかったので、息子の机の卓上ライトを点けました。
そういう「非日常」を受け入れるのに、心の感性?やわらかい部分?が、ささくれてすり減ってしまいました。
それでも、この10年のあいだでだいぶ回復したなとは思います。でも加齢もあるし、家族や親せきやご近所さんの死もあるし、もとどおりにはならないものですね。このブログのタイトルもあてはまらなくなって、いつか戻るかなぁと思ってそのままにしていたのですが、今日をもって変えることにしました。
10年は区切りではないです。ずっと続けていく暮らしのなかの一日です。だから、どうか穏やかな暮らしが、少しでも長く続きますようにと祈ります。どうぞ、こんな目に遭う人たちが少しでも減りますようにと願います。
↓ ペットを飼っておられる方もそうでない方も、ぜひお読みください。震災に限らず、自分が飼っている生き物の、命の選択をしなければならない時に、あなたはどうしますか?
☆「セントラルド熊 / 動物を飼っている方へ 1~5」( https://twitter.com/4RewJJOmWiLzR7L/status/1368762059698053122 )
被災して大きく変わったのは、本が読めなくなった事です。字が読めるようになった小学校低学年以来、読んで読んで読みまくっていたのが嘘みたい。10年たてば変わるかな?と思ったんですが、だめでした。よくて年に一冊?あれだけ好きだったマンガも二・三作を年に数冊。TVや映画館で観まくっていた映画も、10年で数作しか観ていません。
どうしてなんだろう?と何度も考えてみたんですが、以前は大丈夫だった「ひどい場面」の描写に耐えられなくなったのが大きいと思います。暴力や虐待やいじめ、災害や人の生き死に等、そういった場面を創作だからと受け入れられなくなりました。
震災当時は(当然ですが)毎日いろんなモノがぐちゃぐちゃに混じったドロを素手でかきわけて片づけをしていました。真っ暗な中、ドロのついたトイレで用を足していました。お風呂に何日も入っていませんでしたし、服も何日も着たままでした。家族5人で六畳一間にぎっちり詰まって寝起きしていましたし、ネズミが居る台所で食事を作りました。
一日中ひっきりなしに余震がきて、また大きな地震かも?次は?と怖くてたまりませんでした。車は津波の水に沈み使えなくなりました。自転車はすぐに錆びました。ライフラインがいつ頃復旧したのか、いまでも正確に思い出せません。電気が戻っても、ぎりぎり津波に底の部分が浸かったガスコンロは錆びて使えなかったし、部屋の明りは地震で落ちて壊れて使えなかったので、息子の机の卓上ライトを点けました。
そういう「非日常」を受け入れるのに、心の感性?やわらかい部分?が、ささくれてすり減ってしまいました。
それでも、この10年のあいだでだいぶ回復したなとは思います。でも加齢もあるし、家族や親せきやご近所さんの死もあるし、もとどおりにはならないものですね。このブログのタイトルもあてはまらなくなって、いつか戻るかなぁと思ってそのままにしていたのですが、今日をもって変えることにしました。
10年は区切りではないです。ずっと続けていく暮らしのなかの一日です。だから、どうか穏やかな暮らしが、少しでも長く続きますようにと祈ります。どうぞ、こんな目に遭う人たちが少しでも減りますようにと願います。
↓ ペットを飼っておられる方もそうでない方も、ぜひお読みください。震災に限らず、自分が飼っている生き物の、命の選択をしなければならない時に、あなたはどうしますか?
☆「セントラルド熊 / 動物を飼っている方へ 1~5」( https://twitter.com/4RewJJOmWiLzR7L/status/1368762059698053122 )
私もそのNHKの番組を録画して見ました。凄く踏みこんで取材していて驚きました。彼らだからなんだろうなと思いました。
震災当時、近くの避難所に居たご夫婦が、鳥籠を持っていらして、エサが無くて困っていらしたのを覚えています。その時は、人の食べ物も無いのになぁと、思ったのですが、天秤にかけれない命の事を考えると、震災の無慈悲さを改めて感じました。人のちからは自然の前では無力ですが、目の前の事をひとつひとつやり遂げていくしかないと思います。
昨日、「サンドのお風呂いただきます」が福島の特集で廃炉作業をしている原発と避難指示地域になって乳牛を全処分した酪農家が再起して頑張っている姿が放送されて、当時小3の子が「ウチは137人家族です、パパとママとじいじとばあばとおじいちゃんとおばあちゃんと130頭り牛たちです。牛は家族です。牛を殺さないでください・・・」と当時の首相へ手紙を出したそうで見ていて泣きそうになりました。
人も家畜もペットも失えば二度と戻らない命ですものね。
もう10年、たった10年色んな思いがあると思いますが、廃炉が終わらない限り、そして皆が元の穏やかに過ごせる暮らしに戻らない限り本当の復興は終わらない気がします。
自然の力にあがらう事は難しいけれど、この先もあのような思いをする人が一人でも少ない事を祈るばかりです。