風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

Mr.Children 『名もなき詩』

2007-02-05 21:09:29 | その他音楽

あるがままの心で生きようと願うから
人はまた傷ついてゆく
知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中で
もがいてるなら誰だってそう
僕だってそうなんだ

(Mr.Children 『名もなき詩』)


ミスチルは、学生時代よりも社会人になってからの方が身にしみます。
当時も大好きだった曲だけど、今聴くと当時の何倍もリアルに感じるんですよねぇ。
10年後も同じ気持ちでこの曲を聴けるかどうかはわかりませんが、というより、できれば10年後にはこの曲を懐かしく聴けるような自分になっていたいものよとかなり切実に思っていたりもするのですが。。
今はまだ、まったくの当事者気分で聴いてる私です。

私、今勤めてる会社を3月末で辞めることにしたのですよ。
朝日新聞で25~35歳の世代が「ロストジェネレーション」と呼ばれていて、そうやってひと括りにされるのは大嫌いだけれど、そんな風に思うこと自体がロストジェネレーションの特徴なんだそうで(多様性を望む&認める)。
こんな自分が、私は決して嫌いではないのですがね。
ただ、この先どんな風に自分は生きていくんだろう?という漠然とした不安はありますよ。期待ももちろんありますが。
ちなみにLost generation(失われた世代)とは、本来は1920年代のアメリカの若者達に対して名づけられた言葉。Jazz Ageなどとも言われ、よくもわるくも既存の価値観を脱ぎ捨てた世代です。作家スコット・フィッツジェラルドはその代表的存在ですね。


今年一年、ありがとうございました。

2006-12-31 22:21:06 | その他音楽


その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな

(TOKIO『宙船(そらふね)』)


今年一年、ありがとうございました。
時々面倒くさくてオールを投げ出してしまいたくもなりますが、まぁたしかにそれもなんだか癪だな、と紅白を観ながら思ったりしてます。
それでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ!


中島みゆき 『孤独の肖像 1st.』

2006-09-12 18:46:13 | その他音楽

某美容外科のCMで、「私の鼻がもうちょっとだけ高かったら…、私の目がもうちょっとだけ大きかったら…(この世界も変わるかもしれない)」みたいなCMがありますが。

どうなんだろう。
尾崎豊もそうだけど、みゆきさんもとても美人で才能にも恵まれて名声も財産も、普通の人が一生かけても手に入れられないものをこんなに沢山もっているのに。
そんな彼らが作る曲は、幸せ一杯♪という所から程遠いものばかりだ。
この二人のことを思うと、人の幸せは本当に主観的なものなんだな、と感じる。
そしてそんな風に不器用に真っ直ぐにしか生きられない人たちだから、私は彼らのことが好きなのだと思う。真面目に生きている人が私は好きなのです。真面目というのはもちろん表面的な意味ではなく、人生に対する姿勢のこと。


中島みゆき 『命の別名』

2006-09-06 19:12:33 | その他音楽

ドラマ「聖者の行進」の主題歌。
名もなき者たちに優しいみゆきさんの歌がとても好きなのです。
なんのために生きているんだろうと考えてしまうとき、「命」の別名は「心」だと言い切るこの曲を聴くとほっとする。
もう何年も前、はっきりした理由はないのに精神的に壊れかかった時期があった。まずいな…という自覚はあるのに止められない。普通だったら飛び上がるような怪我をしても鈍い痛みしか感じなくて、そのわずかな痛みが快感にさえ思えて、こういうことって本当にあるんだなあってぼんやりと思った。傷口から流れる赤い血をじっと見て、私は生きているんだなって思い出したりした。
そんな真っ暗闇な心に小さな、けれど力強い灯りを照らしてくれたのが、この曲でした。
音楽の力ってすごい。


中島みゆき 『ひまわり "SUNWARD"』

2006-09-05 19:40:43 | その他音楽

たとえどんな名前で呼ばれる時も花は香りつづける。
東西ドイツや南北朝鮮などの意味からもももちろん読めるけれど、もっと広い意味でも読むことができる歌詞ですよね。

花が香るのは、名前がついているからや誰かの庭に咲いているからじゃない。花の香りも、その名前や持ち主によって変わるものではない。名前も持ち主も後からついてくるもの。それらをとっぱらえば、花はただ花としてそこに咲いているだけだ。
人も同じ。学校や会社や役職や国籍がある以前に、人間はただ人間であるというだけで価値ある存在なのだ、と。


尾崎のポエトリー・リーディングアルバム

2006-04-26 19:26:28 | その他音楽

今度は逆さまになって歩いてくる緑色の少女が、向こう側から歩いてきた。
スカートが時々、マンホールの蓋にひっかかった。
靴の中に入った小石を取るために、少女は世界中を脱ぎ捨てながら、首をかしげた。
この世の中の全てのものとの繋がりがあなたを必要としているのです。
今ここにあるはずのものがないと言って、事実さえも否定するとすれば、そこには何
も生まれません。
(『
坂の上の星屑』)

正直私は尾崎のMCはあまり好きではなかったし、須藤プロデューサーがまたもや自分の息子さんを起用していることも気に入らず、このリーディングアルバムには殆ど興味がなかったのですが。
Yahoo!BBで何気なく視聴してしまったら、、、う、、、なんか、、、良いかも。。。

なんていうのか、ほんと紙一重なんですよね。
一歩間違えばすごく陳腐でただのナルシーな作品になりかねないのに、尾崎のは決してそうならない。
これが才能というものか、と改めて痛感しました。
言葉がニセモノじゃない。本物なんですよ。それがちゃんと伝わってくる。
しかもそれは単なる心の叫びではなく、アートになっている。
ただでさえ尾崎は良い声してますしねぇ(朗読が上手なのは意外だったけど)。
これでまだ10代なんだものなぁ。。。
もっと生きて、さらに色々なものがそぎ落とされていったら、どんな詩を生み出してくれたのだろうと思うと、残念でならない。
でもこれはこれで、そのちょっとだけ素人くささを残したところが、ありのままを伝えたいというような見え隠れする必死さが、10代のくせに妙に教祖っぽいところが(笑)、良くも悪くも尾崎ならではで、この作品の一番の魅力になっているのかもしれない。
難を言うとすれば、バックの音楽がうるさいです。。。尾崎の声だけの方がよかったな。あるいはもう少し控えめな音楽にしてほしかった。。。

いずれにしても、詩人としての彼のファンでもある私は、もしや聴かない方がおかしいようなCDなのかしら、、、?これ。。。
とりあえずレンタル開始したら借りてみようかな。
でも、一般受けはしないだろうなぁ、このCD。。。(苦笑)


尾崎豊 『COOKIE』 & 『永遠の胸』

2006-03-03 23:28:39 | その他音楽

尾崎の歌は、じつは20代の歌もかなり好きだったりします。私のID「cookie_milk」も『COOKIE』からつけた名前ですし。
上手く言えないけれど、より彼の本来の姿に近いような気がするんですよね。
10代の歌は外に向かって訴えているような感じですが、20代の歌は本当に自分の歌いたいテーマを歌えている心の余裕を感じるというか。
アルバム「誕生」は歌詞がびっしりで有名ですけど、そんなところも尾崎らしい気がします。 彼は言葉の人でもあったと思うので。
『COOKIE』などで社会問題に触れているのも、本当はずっとそういう歌も作りたかったんだろうなぁ、と思った(あ、でも『核』もそうか)。

で、そんな成長した彼の姿が一番よく表現されていると感じるのが、『永遠の胸』です。
歌詞もメロディーも気負いのない尾崎の気持ちそのものといった感じで、聴いていて最高に清々しい。
「ああ、尾崎だなぁ」と強く感じられるこの歌が、私はとても好きです。


中島みゆき『転生』

2006-02-10 00:12:00 | その他音楽

『転生』は、夜会 Vol.13&14の曲目の中から11曲が選ばれ、新たに編集・レコーディングされた、みゆきさんの33枚目のオリジナルアルバムです。
初めてこの舞台を観る方は、事前にこのアルバムを聴いてから行かれるといいのではないでしょうか。みゆきさん自身もインタビューで言っていますが、「舞台で歌われる曲それぞれの全体像が、歌詞として目に入ると便利」ですし、「目で舞台を見ながら、聴いたことのない歌詞を追いかけていくっていう作業は、とてもじゃないけどついていけないスピードだったりしますから」。

とはいえ、このアルバムは夜会のサントラといってしまうのはもったいない完成度だと思います。みゆきさんの歌唱力は言うまでもなく、収録曲も綺麗め揃い。
でも何より感心したのはその構成。最後の『無限・軌道』は、最初の『遺失物預り所』へと繋がり、アルバム全体が一つの人生を描いているのです。
全体を通して聴くと輪廻転生のような体験をすることができ、色々なことを考えさせてくれる、優しくて深いアルバムです。
人生を終え、鉄道に乗ってたどり着いた駅でみゆきさんが「お待ち申し上げておりました」って笑顔で迎えてくれる光景を想像して、そんなだったら死ぬのも怖くないな、とちょっと笑ってしまいました。

インタビュー記事:
読売新聞
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