指揮 : パブロ・エラス=カサド
ヴァイオリン : アウグスティン・ハーデリヒ
ソプラノ : 吉田珠代
エラス・カサドが贈る祖国スペインにちなんだプログラム
「Bプログラム」では、パブロ・エラス・カサドが、祖国スペインにちなんだ音楽を取り上げる。ラヴェル《スペイン狂詩曲》は、20世紀初頭のフランスで花開いた異国趣味の産物。「ファ・ミ・レ・ド#」と下降する、熱帯夜のようにけだるい音階に導かれて、マラゲーニャやハバネラといった舞曲がスペイン風の情緒を醸し出す。とはいえ、これは緻密に計算された人工美、まぎれもなくラヴェル固有の世界でもある。
この曲を絶賛したというファリャ。その代表作《三角帽子》では、より開放的にフラメンコのリズムが躍動する。《スペイン狂詩曲》の〈祭り〉同様、《三角帽子》の終曲は、“ホタ”と呼ばれる民族舞踊で盛り上がるが、それまで温存されていたトロンボーンとテューバがここで初めて演奏に加わり、爆発的なクライマックスを築く手法は、ラヴェルの書き方にも似て極めて効果的だ。
エラス・カサドは2019年に《三角帽子》を録音したが、一時入手が困難になるくらい、このCDは評判を呼んだ。彼の持ち味である歯切れのよさと色彩感に、パワフルなN響の音圧が加われば、“鬼に金棒”の名演が生まれるかもしれない。
《ヴァイオリン協奏曲第2番》は、ツアーの道中にあったプロコフィエフが、スペインを含むヨーロッパ各地で書き継いで完成させ、初演はマドリードで行われた。
瞑想的な第1楽章に続くのは、ソリストのアウグスティン・ハーデリヒが「ヴァイオリン音楽史上、最も偉大なメロディ」で、「いつまでも終わってほしくない」と、惜しみない愛を注ぐ第2楽章。さらにはハバネラ風のリズムにカスタネットも加わり、目くるめく熱狂で終わる第3楽章。スペインのエッセンスに染まる一夜が満喫できるだろう。
(NHK交響楽団ホームページ)
友人からのお誘いで行ってきました。
ラヴェル、プロコフィエフ、ファリャ、と名前を並べるだけでもワクワクするバレエ・リュスの作曲家尽くしのプログラム。
とっても楽しかった
【ラヴェル/スペイン狂詩曲】
良い曲ですね~。
でも、隣の席の男性の鼻息?が大きくて、しばらく音楽に集中できず。。
4曲目「祭り」の頃にようやく集中できるようになり、最後は思いきり楽しむことができました。
エラス=カサドはオケの音色の美しさを保ちながらも限界まで鳴らしてくれて、綺麗な色がステージいっぱいに広がるのが見えた
【プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63】
なにより、ハーデリヒの音・・・!
音の周りに爽やかな風が吹いているよう。良い意味での清潔感というのか。一音目から驚きました。
この風の感覚が常にそよいでいるから、端正な演奏だけど四角四面に感じない。
二楽章、美しかった。。。三楽章もすごく楽しかったです。
色々なヴァイオリニストでこの曲を予習したけど(カヴァコスとかヤンセンとか)、この人の演奏、好きだなあ。
昨年のクーシストにしても、N響は良いヴァイオリニストを呼びますね。
私の知らない素晴らしい演奏家が世界には沢山いるのだなぁ。こういう演奏家に出会えるのが定期の良いところですよね。って、いただいたチケットだけど笑
(20分間の休憩)
【ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」(全曲)】
いやぁ、良い演奏だった。。。楽しかった。。。
ファリャは、アチュカロさんのピアノリサイタルで聴いて以来、お気に入りの作曲家。
今日の演奏、アチュカロさんでアンダルシア幻想曲を聴いたときの感覚を思い出しました。
あのときに見えた、夜の帳の後ろでチラチラと蠢く多彩な原色の色。
今夜も夜の空気の中のカラフルな原色の色がはっきりと見えました。
ラストやりすぎなくらい大音量だったけど(楽しくてニコニコ笑顔で聴いてしまった。あれくらいやってくれていいよ!)、良い意味で音に透明感があって団子にならない。綺麗な色がまっすぐに見える。これは前半のラヴェルにもプロコにも共通していたので、エラス=カサドの音作りの特徴なのだろうな。
民俗色の強い演奏が好みの人にはもしかしたら物足りない演奏だったかもしれないけれど、私はアチュカロさんと今夜のエラス=カサドの演奏を聴いて、こういう演奏が実は最もファリャらしいのかもしれないと感じました。バレエ・リュスの音楽だもの
Falla - The Three-Cornered Hat - Proms 2013
この8:00~のスペイン風の情熱的な音楽、しばらく耳から離れなくて困った笑