3月公演の記録をGWにアップするワタシ。。。
もう書くのやめてしまおうかとも思ったけれど、このブログは自分用にとても役立っているので、頑張って書く。
下野さんの広響総監督としてのファイナル公演。下野さんを聴くのは、今回が初めてです。
【細川俊夫:セレモニー ― フルートとオーケストラのための】
会場には細川さんご本人もいらっしゃっていた様子。広響のコンポーザー・イン・レジデンスをされているんですね。
今日のプログラムはブルックナーだけと何故か思い込んでいて、会場で知人から前半にこの曲があることを知らされ驚いた
武満にも言えることと思うけれど、こういう曲は日本のオケに合ってるな~と感じる。日本人の良さ、空白の美の感覚のようなものを感じる曲。尺八のような音の使い方なのになぜ敢えてフルート…?と思ったけれど、特殊な楽器を使わないことで外国のオーケストラも演奏できる曲にするためなのかな
(休憩)
【ブルックナー(生誕200周年):交響曲第8番ハ短調(ハース版)】
前日の井上さんのマーラー3番は第一楽章が最も素晴らしかったのに対して、今日は四楽章が素晴らしかった。ここからオケの音がはっきりと変わったように感じました(三楽章後半も美しくて悪くなかったけれど)。リハーサルも四楽章に時間かけたのかな
それにしても下野さんのブルックナー、いいですねぇ
変な色気(指揮者の自己主張)がなくて、冷静で堅実なのがとってもいい。なのにちゃんと熱もある。
四楽章では手で「まだ、まだ、クライマックスはまだ先だから」とオケを抑えているように見え、嬉しくなってしまった。そうなの、ブルックナーではその冷静さ、俯瞰が大事なの。クライマックスはまだ先なのだから。
ただ以前秋山さんのブラームスを広響で聴いたときと同じく、ブルックナーの前半は音に余裕がなく感じられました。
本当に良い演奏って楽器を聴いていることを忘れるし、さらに音楽を聴いていることを忘れさせてくれる。ただその感覚だけがそこにあるような。ウィーンフィルやベルリンフィルなどでは、自分の楽器を弾きながら他の楽器の音を聴いてる余裕も感じる。
今日の広響はそれぞれが自分の楽器を、目の前のフレーズを弾いている感じが音に出ていた、ように私には聴こえてしまった。
でも四楽章はそういう感じが大きく軽減されて「ブルックナーの音楽」に感動させてもらえました。この曲は過去にバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン、ノット&東響と聴いてきたけれど、個人的には今日の四楽章が一番感動したな。
ずっと生演奏で感動してみたいと思ってきた曲なので(もしや私はこの曲が嫌いなのでは…?とまで思いかけていたので)、ようやくそれが叶って嬉しかったです。