Now that you’ve seen Mars, hear it. Grab some headphones and listen to the first sounds captured by one of my microphones. 🎧https://t.co/JswvAWC2IP#CountdownToMars
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 22, 2021
上記はNASAのtwitterですが、このニュースは最初は谷川賢作さんのtwitterで知りました。テレビというものを見ないもので
18日に火星に着陸したNASAの無人探査車「パーサビアランス(Perseverance)」が初めて捉えた”火星の地表を吹く風の音”だそうです。
しかしこれに似たニュースを私は以前に読んだことがあるような・・・と調べたら、2018年にNASAの探査機「インサイト(Insight)」が火星に降り立ったときに、やはり”火星の風の音”なるものを公開している。当時のニュースを読むと、それは探査機の地震観測用のセンサーが感知した情報をもとに地球で再現された音だったそうで。一方、今回の音はパーサビアランスのマイクロフォンが直に捉えたものなので、まさに火星の風の音そのもの、なんですね。18秒間だけですが、想像が広がります。
NASAのこちらのページでは、「Earth(地球)」「Mars(火星)」「You on Mars(火星にいるあなた)」の3種類の音のコーナーを楽しむことができます。「Mars(火星)」のコーナーは、今後更新されていく?のかな。
楽しいのが、「You on Mars(火星にいるあなた)」のコーナー。自分の声を録音すると、それが火星ではどのように聞こえるかを再現してくれるのです!なんて楽しい!火星に行くことはできないけれど、”火星で発せられたらこう聴こえるであろう自分の声”を聞くことができるんですよ。
で、早速やってみたのですが(ページのマイクのマークをマウスで長押ししながら喋るだけです)。
まあ、、、思ったほどの大きな違いはない(笑)
と初めは拍子抜けしたのだけど、考えてみると、結構ビックリです。火星にいても、地球にいるときと殆ど変わらずに自分の声を聞くことができるのですから。
NASAのページでも「Even though Earth and Mars are entirely different planets, it may be comforting to know that if you were on Mars, you might still sound pretty much like yourself. (地球と火星は全く異なる惑星ですが、火星でも自分の声がちゃんと自分の声として聴こえるとわかって、あなたはホッとするかもしれません)」とあります(例によってワタクシ訳なので、間違っていたらスミマセン…)。
ただもちろん完全に同じではなく、やっていただくとわかりますが、地球バージョンと比べると、より落ち着いた低く籠った声に聞こえます。私は割と高音の響く声なので、火星の自分の声の方が好みでした。火星には四季もあるらしいし、移り住もうかな(笑)
NASAの解説は続きます。
「If you were standing on Mars, you’d hear a quieter, more muffled version of what you’d hear on Earth, and you’d wait slightly longer to hear it. On Mars, the atmosphere is entirely different. But, the biggest change to audio would be to high-pitch sounds, higher than most voices. Some sounds that we’re used to on Earth, like whistles, bells or bird songs, would almost be inaudible on Mars.(火星では、あなたの声は地球にいるときよりも静かに、籠って聴こえるでしょう。そして音が届くまでに少し長く時間がかかります。火星の大気は地球とは全く異なりますが、最も顕著な違いは、人間の声よりも高い音において現れます。笛やベルや鳥の鳴き声といった地球上で慣れ親しんでいる音は、火星では殆ど聞きとることができません)」。
これは、「Earth(地球)」のコーナーで聴き比べることができます。
確かに、、、鳥の鳴き声なんてほとんど聞きとれない・・・
移住はやめよう。
やっぱり地球は美しい星なのだな、と改めて感じますね。大事にしないと、ね。
先日近所の神社に梅を見に行ったのですが、美しいのだけど、なんとなく物足りない。
しばらくしてはっと気づいて、マスクを下げました(人が空いていたので)。
そう、この匂い。
梅は色や形だけでなく、その香りも含めて”梅”なのだなあ、と当たり前のことを新鮮な気持ちで実感したのでありました。
火星の匂いは、どんな匂いなのだろう。地球とは感じ方は違うのかな。火星で食べる団子の味はどんなだろう。
それを地球のPCの前にいて体験できる日も、遠くなく来るのかな。
話は戻りますが、賢作さんがパーサビアランスのニュースを沢山リツイートしている理由は、そう、お父さま(俊太郎さん)が書いた詩のせいですね
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
(『二十億光年の孤独』より)
ここで一つ、大きな大きな恥を晒させてください。。。
「万有引力とは ひき合う孤独の力である」。
どうしてここで「万有引力」が出てくるのだろう、と実はずっと不思議に思っていたのです。なぜなら私、万有引力の意味をちゃんと理解していなかったので、「重力」とごっちゃになっていたのです。いかに学生時代の授業をいい加減に聞いていたか、というよりきっと世の中ではこんなことは常識なのよね。。。ああ恥ずかしい。。。
引力は、正しくは「万有引力」といいます。万有引力とは、「質量のある全ての物体同士の間に働く、互いを引っ張り合う力」のことです。
この万有引力が働いているからこそ、私たち人間は地に足を着けて歩けます。質量のあるものなら何でも引力を持っているということですから、もちろん人間も、身の回りにあるものも、みんな引力を持っているのです。
ただ、地球上では地球が最も大きな引力を持っているため、リンゴが人に引き寄せられてくっつくなんてことは起きません。
質量が大きいものほど強い引力を持ち、距離が開くほど引力の影響は小さくなります。これを証明した数式が「万有引力の法則」です。
地球の引力に引きつけられている物質は、地球の自転による「遠心力」の影響も受けています。この二つの力を合わせたものが「重力」です。
地球は南極と北極を通る軸を中心として自転しています。この地球の回転運動により、引力と同時に外向きに引っ張られる力を受けることになるのです。
厳密にいうと、引力と重力はこうした違いがあるのですが、地球の自転による遠心力の影響はそう大きくありません。そのため、地球において引力はほぼ重力とイコールであると考えてよいでしょう。
なお、地球だけではなく、月には月の重力が、太陽には太陽の重力があります。この重力が物質に及ぼす影響を計算する数式が「一般相対性理論」です。
(小学館HugKum「引力と重力の違いとは?」)
ニュートンによる「万有引力の法則の発見」を“重力の発見”だと解釈してしまう例があるが、これは間違った解釈である。「リンゴが木から落ちるのを見て、ニュートンは万有引力を発見した」などとする単純化された巷に流布している逸話も、この誤解を広める原因になっている可能性がある。ニュートンは「リンゴに働く重力」を発見したわけではない。「リンゴに対して働いている力が、月や惑星に対しても働いているのではないか」と着想したのである。地上では物体に対して地面(地球)に引きよせる方向で外力が働くことは、(ガリレオなどの貢献もあり)ニュートンの時代には理解されていた。ニュートンが行った変革というのは、同様のことが天の世界でも起きている、つまり宇宙ならばどこでも働いている、という形で提示したことにある(そして同時に、地球が物体を一方的に引くのではなく、全ての質量を持つ物体が相互に引き合っている事と、天体もまた質量を持つ物体のひとつに過ぎない事)。「law of universal gravitation 万有引力の法則」という表現は、それを表している。
(wikipedia「万有引力」)
高校の物理の教科書では重力は地球上どこでも同じと習いますが、実はそうではありません。 地球の自転による遠心力は、自転軸からの距離によって変わるので、緯度によってその値が変わります。赤道では回転半径が赤道半径と等しいため遠心力が最も大きく、その大きさは引力の1/300程度となります。最も遠心力の小さい地点は北極点および南極点で、遠心力は0となります。つまり、重力は両極点で最大の値となり、遠心力が逆向きに働く赤道で最小の値となります。
(九州大学・物理探査学研究室)
よかった、遅ればせながら谷川さんの詩の意味をちゃんと理解することができて。。。
私の学生時代はネットがなかったからなあ、と責任転嫁(笑)
冗談はともかく、ネットって本当にすごい。
火星にいる自分の声を家にいながら再現できちゃうのも、ネット時代ならではですよね。