風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

今年もありがとうございました。

2014-12-31 14:02:02 | 日々いろいろ




今年もあっという間に大晦日。
年々、一年がはやくなっているように感じますー。

今年もこのような辺境ブログにお立ち寄りくださいました皆さま、コメントや拍手をくださいました皆さま、本当にありがとうございました。
ここは2006年の正月に始めましたので、来年で9年。まさかこんなに長く続けることになろうとは。
日常生活ではなかなか言えないこともここでは書けたり、反応をいただけたりして、皆さまには心から感謝しております。

神様は、人と人との間のわずかな空間にいる

皆さまと私の間にも、きっと神様がいますよね。ネット時代の神様が笑
本の頁の隙間にも、舞台の上にも、風の中にも、あらゆるところにきっと神様はいらっしゃいます。

来年もマイペースに、かつ独りよがりになることなく、ここを訪れてくださった皆さまがちょっとだけ楽な気持ちになれるようなブログであれたらなと思っています。
2015年が皆さまにとって、少しでも沢山幸せを感じられる年でありますように。
良いお年をお迎えください(^_^)

※写真:目白のホテルから撮った、夜明けの東京の街。このブログの初代壁紙でした。
※青字の言葉は、映画『Before Sunrise』より。

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中島みゆき 『夜会VOL.18 橋の下のアルカディア』 @赤坂ACTシアター(12月16日)

2014-12-21 02:04:49 | その他観劇、コンサートetc




「今回は、テーマが”捨てる”なんです。”捨てる””捨てられる”。その両方ですね」――。
 中島みゆきは、11月15日から始まる夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」についてそう言った。”アルカディア”という言葉には”楽園”という意味がある。
「日本人ならきっと橋の下の記憶はあると思うんです。橋の下。子供の頃に言われた覚えがないですか。「お前は橋の下で拾ったの」「お兄ちゃんは?」「橋の上」みたいな。なぜか捨て子は橋の下だった。”捨て子のアルカディア”ですね」
(中略)

「ごく単純に言ってしまえば、引き離された猫と女とその夫がもう一度出会うまでの話ですね。引き離す側に加わったのが多数の人間の力。人間が多数派になって行く時に個を犠牲にして自分も意志を失って狂ってゆく。そうやって引き離された3人をもう一度一緒になる時に解決出来るのが、集団から離れた人間、もしくは集団を捨てた人間。集団が個を捨て、個が集団を捨てる。そんなお話しかな(笑)」。
(公式サイトインタビューより)


みぞ~ぉの あら~しが 来る~と~きはぁ~

この~地は 川~へと 還~る~だろ~♪
今回の夜会にぴったりな、雨の千秋楽に行ってきました
私の夜会参加は青山劇場での『vol.14 24時着00時発』以来なので、8年ぶり(そんなに経ったんですねぇ・・・)。
今回はこの↑チラシをたまたま何かの公演でもらって、「これは観たい!」と思ったのです。このポスターのみゆきさん、とってもキレイなんですもん
その時には既に全公演分が完売していましたが(相変わらず大人気ですね~)、ぴあで追加販売があって、なんとか千秋楽に行くことができました。立見席8,000円也。

お財布のためにも千秋楽のチケットにして正解でした。
じゃなかったら絶対に、もう一回二回とチケットを買い足してしまっておりましたもの。本当はもっともっと観たかったですけど
今回の夜会はみゆきさんと一緒に中村中さん&石田匠さんが出ずっぱりでしたが、このお二人がとっても良く、24時着~よりみゆきさんの歌唱は少なめでしたが、大変満足することができました。すごく適材適所だったと思う。中ちゃんのための“あたる書き”だって仰ってましたもんね。

しかし8年ぶりのみゆきさん、やっぱりみゆきさんは生に限りますねぇ!!
もちろん8年分の年は重ねられましたが(私もね)、その魅力は全く変わらず、すっっっごく素敵だった(>_<)
何度心の中で「姐さん・・・!!!」と叫んだことでしょう。
雲の上のような人なのに、なぜか身近にも感じられて、そんな綺麗で頼れる姐さん。
貴女と同じ時代に生きられた私は幸福者です。いや本気で。

以下、感想をストーリー消化&覚書も兼ねて。
一回しか観ていないので(夜会自体DVDも含めて24時着~しか観たことがないのです)、的外れな部分があるかもしれませんが、ご容赦いただきたくm(__)m
しかし正直なところ、仮に公式設定を全て知ることができても、疑問は完全には解決しないのではないかとも思ったり…^^;
個人的には、2回通ってしまった24時着~と同じくらい好みの作品でした。
24時着~は観終わった後に圧倒的な迫力に言葉を失う感じだったけれど、今回は観終わった後にちょっと懐かしいような人間的な温かさを感じられた舞台でした。


【一幕一場 地下壕:冬】
・天音(中村中)が掃除機をかけているとき、水晶宮の店内で水晶磨き用の紙が風でぱぁっと舞い上がった様子が、客席から見てとても綺麗だった。紙を追う人見(みゆきさん)も。

・天音と人見が九曜(石田匠)の警告にも関わらずシャッター街に残っている理由は、「立ち退かない」のではなく、「立ち退けない」のだと思いました。 「おそらくあなたの哀しみが あなたをこの地に縛るだろう」(呑んだくれのラヴレター@2幕)。失くし物が見つかったら去りますという人見さん。誰かを待っているという天音ちゃん。「なぜか橋の下」と言っていますから、本人達にもそれが何かはわかっていないのかもしれません。それでも“約束・誓い”を果たすまでは、彼らはここから動けない。

「恋なんていつでもできる♪」、天音ちゃんと九曜さんのじゃれ合い、カワユイ(*^_^*)
「いちど会ったらどうかしら♪」、人見さん、他人事みたいに歌ってますが本当にいいのですか~?

・九曜が「言えない謂れを私は知っている」と歌います。彼は、昔ここで人柱が行われたことを知っているのですね。そして九曜は前世の名(公羊:くよう)で呼ばれることは嫌うのに、「高橋」という苗字は嫌っていません。となると「名乗りたくない一族の名」とは、「高橋」ではなく、前世の「公羊」ということになる。
なので、こう考えるのはどうだろうか(夜会鑑賞は想像力駆使の連続デス・・・)
九曜の祖父一曜は村長の生まれ変わりなのです(同じ役者さんがやってるし)。で、彼は何かのタイミング(戦中の特攻直前とか)で前世の記憶を思い出したのではないかしら。そして、この場所で過去に起きた出来事を息子、孫へと言い伝えた。
彼が脱走兵となったのも、前世の記憶が関係しているのではないかな。
かつて集団(村)に属し個(人見)を捨てた彼が、今まさに集団(国)から捨てられようとしている。人柱と同じく、根拠のない迷信(神風)のために。そのとき彼は、集団を捨てようと思ったのではないかしら。そしてその翼を人を殺すためではなく、人を救うために使いたいと考えた(国捨て@二幕)。いつか再び来るであろう未曾有の嵐のときに、今度は個が犠牲になることなく、そこに住む人々が救われるために。

それとちょっと思ったのは、もしかしたら人見や天音と違い、九曜だけはもう前世の記憶が戻っているのではないかな、とか。前世の名(公羊:くよう)で呼ばれるのを嫌い、「名乗りたくない一族の名 この人生は誰のものだ」と酷く苦しんでいるのも、無意識ではなく、意識的なものだからではないかしら、とか。彼もまた、前世の哀しみに囚われている一人なのですよね。

いずれにしても前世で悲しい別れをした三人(二人と一匹)が、次の時代でこんな風に明るく楽しく出会えるとしたら、凄く素敵ですよね。この三人の関係、大好きです♪


【一幕二場 橋脚:天明2年】
むかーしむかし、まだ地下壕が川だった頃。

・洪水から橋を守るために妻の人身(みゆきさん)を人柱にする役目を引き受けさせられた公羊(匠さん)が、上手の階段で歌う「男の仕事」。石田さん、ぶらぼー!圧巻でした・・・。

デカっ・・・!天音ちゃんが二度ほど「私、デカいから」と言いますが、天音ちゃんはともかく、コイツは本当に半端なくデカいです。赤子の婉曲表現でしょうか。

・いつまでも一緒にいようね、とすあま()に語りかける人身。これが誓い・約束なのかな。

「何を泣いていたか忘れても 自分でも見えない悲しみが 流れ続け 引き継がれてゆく 誓いは生きる」。地面に蹲って泣き崩れる公羊を前に、人身が歌う歌です。歌っているのは人身だけど、同時に公羊の心の痛みも歌っているのだと思った。人身が公羊を恨んではいないのは、みゆきさんの演技でわかりました。

・公羊、泣きながら人身に白装束を着せます。そして背中からギュッときつく抱擁。すみません、激萌えいたしました。。。。。。。。。

「荒れ狂う流れは水じゃなくて人です 止めることのできない嵐は人です」。川に沈められる直前、人身が村人達を睨みつけながら歌います。本当に恐ろしいものは水ではなく、人。二幕でやってくる“毎時200ミリの未曾有の嵐”も、何か別のものの暗喩なのかもしれません。「人間が多数派になって行く時に個を犠牲にして自分も意志を失って狂ってゆく」、そのような状況。たとえば戦争、など。

・人身の形見の片袖を纏ったすあま(中ちゃん)が籠の中から歌う「人間になりたい」。一幕の終わりにふさわしい、凄まじい迫力でした。ぶらぼー!


【二幕一場 地下壕:夏】
再びの現代。夏になりました。

「身体の中を流れる涙」by 天音ちゃん
 階段で団扇をパタパタして蚊を気にしながら、誰かを健気に待っている天音ちゃん。

・そんな天音ちゃんに人見さんが歌う、「どうしてそんなに愛がほしいの」

・猫のような動きを見せる天音ちゃん(記憶が戻りかけてる?)に、人見が歌う「ペルシャ」。サビは天音。
愛しい人が私を呼ぶわ 「迎えにきたよ、さあ行こうね」と
愛しい人が私を呼ぶわ 「捨てたわけではないのよ」なんて
なんだ、夢なのか
眠る天音ちゃん。

・暴走族が襲って来るけど、生きている(!)シャッター街に慄いて退散。まだ完全に死んでしまったわけではないのに(2軒だけど店は残ってます)、行政のために「いらないもの」として捨てられようとしている街の哀しみを感じました。楽しい場面なんですけどね。

・再びの「恋なんていつでもできる♪」。怪我した九曜さんを手当てする天音ちゃん。一幕より少し大人な雰囲気の二人。

・真っ暗な中、階段の上方に腰かけて人見が歌う二隻の舟」。この場面、後方から見ると、暗闇の中でみゆきさんのシルエットだけが薄明かりに浮かび上がって、とてもとても美しかったです・・・・。オペラグラスを覗くと、みゆきさんの横顔と表情がまた壮絶に美しくて・・・・。オペラグラスを上げたり下げたり大変。そしてこんなに長いフレーズを歌ってくれるとは思っていなかったので、感動でした・・・・。今回の夜会で最も好きな場面の一つ。
時はすべてを連れてゆくものらしい なのにどうして寂しさを置き忘れてゆくの
いくつになれば人懐かしさを うまく捨てられるようになるの
難しいこと望んじゃいない 有り得ないこと望んじゃいない
時よ最後に残してくれるなら 寂しさの分だけ愚かさをください

・(九曜さんが水晶球を酷く恐れたり、となんやかんやあって)、「呑んだくれのラヴレター」「一夜草。ここ、今回の夜会で一番好きだった場面!って、みゆきさんがいない場面じゃないの・・・。でも本当に大好きな場面なのです。
赤いリボンで束ねられた手紙を、一枚一枚楽しそうに読む天音ちゃん(呑んだくれのラヴレター)。
おそらくあなたの哀しみが あなたをこの地に縛るだろう
あなたが危ういそのときは 緑の手紙を開けなさい

続いて、「一夜草」(歌っているのは宮下文一さん)。
「ねんねこ」の前で引き続き楽しげに手紙を読む天音。「模型店タカハシ」の二階で、だいぶ体を壊している様子ながらも、やはり楽しげに手紙を書く男性。一階では、仏壇に向かい焼香をしながら、これまた楽しげに一緒に歌う九曜。時空が交差している、とても情緒的で美しい場面。
この前に「三年もたつのにまだ焼香?」と言う人見に九曜が「まだ三年しかたってない」と返していましたから、この二階の男性は九曜の父の忠なのでしょう。ラヴレターの中でも「私の父は~」と一曜のことを言っていましたし。
忠、次々と手紙を書いては紙飛行機にして、「ねんねこ」の方へ飛ばします。ここ、アニメ『風立ちぬ』のラストシーンを思い出しました。花束も投げちゃいますよ。そして一番最後にドデカイ紙飛行機を一つ折って(さすが模型店店主)、飛ばします。これが、「緑の手紙を開けなさい」というメッセージが書かれた手紙なのだと思います。また、「ねんねこ」裏の格納庫に零戦があることも暗喩しているのでしょう。
後で判明しますが、この最後の手紙の文句はこうです。

未曽有の嵐が来る時は この地は川へと還るだろう

二度と生贄にならぬよう 緑の手紙を開けなさい

忠は誰に向けてこの手紙を書いたのでしょうか。私が一回だけ観た印象では、天音ちゃんというよりもBarのママに向けたもののように感じましたが(母親の昔のラブレターを楽しげに読む娘のように見えた)、正確なところはわかりません。 ※追記:DVDで見て、やはりこれは天音ちゃんに向けられたものだと思いました。
ですが、この橋の下で、いつも笑顔で彼にささやかなアルカディアを与えてくれた誰かに向けられたものであることは確かです。
そして、(私設定では)忠は一曜からこの場所の謂れと共に「いつか必ず必要になるだろう」と緑の手紙を託されていますから、死ぬ前にそれを手紙に書き遺したのではないかな。大切な人を守るために。
九曜が緑の手紙の存在まで知っていたかどうかは、わかりません。息子ですから知らない方が不自然な気もしますが。

またこの場面は、舞台の上の空気がすごーくノスタルジックで温かいのですよ。おそらく忠は、脱走兵の子として日陰で生きてきたのではないでしょうか(そしてその姿を見て九曜も育った)。でも、お酒を呑んで体も壊しているけれど、ささやかで温かな幸せがこの橋の下にはあった。
かつては人身と公羊とすあまが、そして忠が、今は人見と天音と九曜が営んでいる、贅沢ではないけれど、人間的で温かな幸せな生活。アルカディア(楽園)。
ところで「呑んだくれのラヴレター」は忠の歌だとして、「一夜草」は誰の歌なのでしょう。アルバムで聴いたときは夜のお仕事の女性の歌のように感じたのですが、夜会では男性の声で歌われていました。
この歌詞を男性の声で聴くと、出征前の男性が愛する女性に向けた歌、のようにも聴こえます。
願いどおりの風は吹かない 運び去られるこの命 
下手に愛など持とうものなら 裏切り者になるばかり
これは一曜の心を歌った歌なのではないかしら。だから、舞台の上の忠が歌わず、別の人がボーカルになっているのではないかしら。と同時に、忠や天音や人見のような、自分の命も風に吹かれているように生きる、弱いけれど日々の小さな幸せを見つめている、そんな人々の心も歌った歌なのではないかしら。
もしも明日がもひとつあれば 心残りはないだろうか
ここ、CDでもいつも泣いてしまいます・・・

そしてついに、集中豪雨がやってきます。
今まさに水に沈められようとしている街。
もっとも個人的には、行政によるこの行為は、さほどは恨むべき行為でもないように感じました。何度も警告はしていましたし、放水路にしなければより多数の被害が出たのでしょうし。それでも、その陰には水に埋められた街の存在があったということは、忘れてはならないことでしょう。
ちなみに地下壕に人が残っているかを確かめていない云々のようなリアルな話は、これ以降はもう考える必要はないと思います。

自分たちが地下壕に閉じ込められたことを知った、人見&天音&九曜の三人。
パニックの中、天音ちゃんがあの「危うくなったら緑の手紙を開けなさい」の手紙(ややこしい)を再び読みますよ。

「でも、緑の手紙って一体どこにあるの…!?」

探しても探しても、見つかりません。
と、何やら天音ちゃんの様子がおかしいですよ。天音ちゃん、なんとだった頃の感覚が蘇りました!
ネコのあらゆる特権と引き換えに人間になった天音ちゃんでしたが、未曽有の危機を前に、前世の感覚を思い出したのです。


【二幕二場 格納庫】
さぁ、夜会もいよいよクライマックスですよ。
終わらないで~~~(>_<)とずっと心の中で思っていました。

ネコの勘で天音ちゃんが見つけ出した、「ねんねこ」裏手にある、格納庫の扉。
その手前には、階段脇にあったゴミ籠。
扉から漏れる細い一筋の光。
三人で力を合わせて扉をこじ開けます。「緑の手紙」は、この格納庫の扉のことだったのでしょうか。
眩いばかりの光を背負って現れたのは、戦闘服姿の男性。九曜の祖父一曜です。

この世の恥とは何ですか 御国の恥とは何ですか 身内の恥とは何ですか 心の恥とは何ですか 
私の願いは空を飛び 人を殺す道具ではなく 幸せにする翼だった

集団から捨てられたのは人身、すあま、そして公羊もでしょうか(彼はちょっとだけ立ち位置が違う気もしますが)。
集団から離れた人というのは、忠。集団を捨てたのは、一曜。
かな・・・(自信ない^^;)

一曜から飛行帽を託され、飛行機に乗り込む九曜。続く人見。
翼の上に立ちIndia Gooseを絶唱するみゆきさんが圧巻です。やっぱり夜会はみゆきさんのものなのだと、強く感じた瞬間。
さぁみんなで脱出だ!というとき、天音が飛行機に乗ることを頑なに拒みます。
「私、デカいから」
たしかに前世のあなたは化け猫級だったけど、今のあなたは細い女の子よ。だから大丈夫なのに、拒んで(一幕のケージに見立てられた)ゴミ籠に入ってしまう天音。重い自分が乗ると飛行機は飛べないと強く信じ込んでしまっている様子です。主人を救えなかった前世の哀しみは、トラウマとなって彼女をこの地に縛り付けてしまっているのでしょうか。最初に川へと沈んだ人身、すぐに後を追った公羊と異なり、心の哀しみを抱えながらひたすら主人の姿を求め彷徨っていた(銀の猫云々@一幕二場冒頭)すあまの魂の傷は、実は一番深いのかもしれません。
やはり前世の記憶を取り戻し、天音=すあまだと気付いた人見。私も乗らない!と、急かす九曜を殴って一緒に籠に入ります。
こうなったら全員一緒に救ってやる!と、九曜、籠を紐で機体に括り付け、離陸!!!
ちょ、舞台セット凄すぎ・・・機体、本当に上がってますよ・・・!!最後に零戦が上がるというのは事前情報で知っていましたが、想像以上でした(もっとちゃちい仕掛けかと思っていた)。
さすがだわぁ、みゆきさん
バッドエンドではないのでカタルシスとはちょっと違うのかもだけど、まさにカタルシスという言葉がぴったりなラスト。抑圧された魂の解放。
ただ、この脱出は自力によるものではありますが、強者の積極的なそれではなく、弱い立場の者のそれなのだと思います。彼らは決して強い立場にいる人間ではありません。

ほら次の雪風にあおられて
小さな小さな鳥の列が なぎ払われる
小さな小さな鳥の列が 組み直される
飛びたて 飛びたて 戻る場所はもうない
飛びたて 飛びたて 夜の中へ
(India Goose)

ところで人身&人見って、公羊&九曜に対するより、すあま&天音に対する方が愛情の示し度合が強くね・・・?とは、今回の夜会を観た誰もが感じることでしょう。私など、みゆきさんって男よりネコの方が好きなのかしら?とかアホなことまで考えてしまったほど。
大人の男は放っておいてもとりあえず自力で生きられるけれど、(飼い)ネコは飼い主が加護しなければならない存在、という意識の違いでしょうか。もちろん赤子も。

以上です。


こんな感じでいかがでしょう、みゆきさん・・・・・・・


さすが収録アルバムのタイトルが『問題集』なだけあるわ。。。一筋縄でも二筋縄でもいかない。。。
夜会曲ではないけれど、アルバム一曲目の「愛詞」の歌詞が胸にグサグサと突き刺さる。

「わかる人にしかわからない」

修行不足ですみませんっっっ!
過去の夜会DVDを観て、出直してきますっ(まずは海嘯を注文いたしました)。
ですから、どうかどうか同じキャストで(そしてもう少~しでいいのでわかりやすい演出にして・・・)再演してくださいまし。DVDも出してくださいまし。お願いします!!!


【カーテンコール】
24時着ではたしかカテコがなかったと記憶しているので(その代わりとして命のリレーがあった)、コンサートにも行ったことのない私は、素で話す生のみゆきさんを見るのはたぶんこれが初めて。
やっぱりとっても素敵&可愛い(>_<)!
母親くらいの年齢の方に可愛いはおかしいかもしれないけど、ちょっと抜けてるような雰囲気がなんとも可愛らしくて、歌っているときとのギャップがいいです笑。

中さんと石田さんは、登場したときから胸がいっぱいな表情をしていました。
特に石田さんは必死に歯を食いしばっていたけど、すぐにも泣いちゃいそうだった

みゆきさんの挨拶。
「これで23公演が全て終わりましたが、ひとつ皆様に謝らなければならないことが・・・」の言葉で、会場中からクスクス笑い。
中さんが「え?なになに?なんのこと?」という風に周りをキョロキョロしている様子が可愛かったです。
みゆきさん:「全公演中、歌詞を間違えなかった公演が一回もありませんでした!」
客席:大喜びで拍手
みゆきさん:「この分では大晦日もおそらく・・・」
客席:またもや拍手(←なぜ笑)
みゆきさん:「期待していてください」
客席:大拍手

そして今回の夜会について、「観終わったときにちょっとだけ幸せになれるようなものを創ろうと思った」と。
はい、今夜も幸せな気持ちをいっっっぱいいただきましたよ

最後に出演者の方から緑の手紙をもらって、客席に手を振って下手へ去っていったみゆきさん、とても格好よかったです

さて、最後にもう一度、話を戻させてください。
今回の夜会は、「集団のために個が犠牲にならない」そういう社会にしていきましょう、というみゆきさんの強い想いなのだと私は感じました。
以前、美輪明宏さんについて、(美輪さんの言葉に100%同意なわけではないけれど)この国には彼のような大人がもっともっと必要だと思う、とこのブログで書いたことがあります。
そして今回久しぶりにみゆきさんの舞台を観て、同じことを感じました。
みゆきさんと美輪さん。このお二人の舞台に、私は似たものを感じたのです。
その舞台を観終わって劇場を出ると、世界がちょっとだけ違って見える。汚いはずのものが汚く見えない。苦しかったはずのものが、前ほどには苦しく感じない。劇場に入る前よりも、ちょっとだけ世界が生きやすい所に感じられるのです。少しだけ呼吸が楽に感じられるのです。
自殺をする人は自分自身に負けるのだ、とよく言ったりしますよね。それも確かにあるでしょう。でもそれ以上に、私はやはり、彼らは「社会に」潰されるのだろうと思うのです。社会が彼らを殺すのだと思います。
彼らは確かに弱かったのでしょう。この社会で生きられないほどに弱かったのでしょう。
でも、ただ生きるために、そんなに私達は強くあらなければならないのでしょうか。傷つかない心を持たねばならないのでしょうか。
集団の犠牲になるのは、いつだって弱者です。
社会を作るのは人間です。集団は個人の集まりにすぎません。
みゆきさんのような大人がもっと増えれば、この国も今よりもう少しは生きやすい社会になるのではないかと、そんな風に感じた夜でした。

今年はあともう一回みゆきさんに会える!紅白!歌うのは麦の唄でしょうか?


【キャスト】
 中島みゆき :橋元人見(占い師) 人身(村女)
 中村 中 :豊洲天音(Barの代理ママ) すあま(猫)
 石田 匠 :高橋九曜(ガードマン) 公羊(村男)
 宮川 崇 :警官 村長 高橋 忠(父:模型飛行機店主) 高橋一曜(祖父:脱走兵)


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This is the Bolshoi Ballet ~Cinema 2014-15 Season~

2014-12-14 00:11:28 | バレエ

Episode 3: Bolshoi Ballet's La Bayadere


マーシャ:私達のバレエの根本にあるのは一つだけ、愛よ。強い愛、無邪気な愛、親の愛、色々な形の愛がある。憎しみさえ愛の一面といえるわ。私達はただ愛を表現しているの。だからパートナーとの関係はこの仕事ではとても重要なのよ。

ウラド:スヴェトラーナはとても責任感が強くて、リハの鬼って感じかな^^ 自分の仕事に対してすっごく真剣でこだわり屋さんなんだよね^^ 
マリーヤと僕は今とっても温かい関係なんだ。彼女とはとても仕事がしやすいし、素晴らしい人だよ。すごくプロフェッショナルで、舞台では役になりきっていて凄いなって思うし、とにかく素晴らしいよ!

ザハロワ:バレリーナとパートナーの目に見えない絆はとても大切よ。それが舞台にもたらす魔法は真の芸術といえるわ。

マーシャ:どんなパートナーも、他のパートナーが与えることのできないものを私に与えてくれるわ。彼らはみんな、素晴らしいパートナーよ。もちろん私にもお気に入りはいるわ・・・でもそれは私だけの秘密よ^^

一部意訳
しておりますが、内容はほぼそのままと思っていただいて宜しいかと(だよね?直訳は字幕をread please☆)
ウラド、ザハ様に対する褒め方と、マーシャに対する褒め方のこの違いは・・・(ーー;)  ※意訳はしたけど違訳はしてないyo!
マーシャ、あなたのお気に入りのパートナーが誰か・・・ぜんぜん秘密になっていない気がするよ(^_^;) 舞台の上でも思いきり公になっちゃってたよ(^_^;)

しかしこの3人だけでなく、バレエダンサーってみんな美しいですよねぇ。
この動画の冒頭部分も、つい何度もリピートしてしまう。
そしてまた彼らの踊りが観たくなる~~。もちろん生で~~。3年は長い。。。

とはいっても3年後は3年後ですから、やはりシネマは有難いです。
ボリショイバレエ in シネマ、今週は『ファラオの娘』ですよ~。
みんな、映画館へGO~♪


This is the Bolshoi Ballet.Episode 1.


Episode 2: The Pharaoh's Daughter with Svetlana Zakharova


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ロブーヒンのバジルは可愛かったなぁ・・とか、ザハ様の花投げとか。

2014-12-11 15:51:41 | バレエ

ボリショイ祭りが終わって脱力中な私ですー。
さすがに二週間にわたって色々なダンサーで三演目も観ると、終わった後のロス感、ありますね。。。
私はボリショイの舞台を観たのは今回が初めてだったので、本当に楽しかったです。

そんな私の頭にやたらと浮かんでくる光景は、なぜかドンキの居酒屋テーブルでぱくぱく食べ物(ホンモノ)をつまんでいるロブーヒンバジルの姿だったり
本当に可愛かったんですよ~~~。
つまむ程度とはいえ結構ふつーに食べていて(飲み物は飲むフリだったように見えましたが)、これからまだ激しいのを踊るのに胃は大丈夫かしら・・・と余計な心配もしてしまった^^; 
同じテーブルの仲間達と皿を楽しそうに物色しつつ、器用にお箸でつまんで、パクリと笑顔(*^_^*)
エスパーダ達の踊りものんびり楽しそうに眺めていて、隣に座っているクリサノワのキトリとのカップルぶりもとってもいい雰囲気でした(元気のいいドヤ系キトリと、神経質じゃない朴訥で優しいバジルの組み合わせって大好きなんです。フルステーとエイマンもそれ系だったな~)。
しかしロブーヒン、お箸の使い方が上手すぎなんだけど。
と思っていたら、彼のインスタ写真を見て笑ってしまいました。
今回の来日中に回転寿司に行っている
お寿司すきなのかなー。モスクワにもありそうですもんね、回転寿司。しかし天下のボリショイのプリンシパルが日本に来て回転寿司。もっといいお店に行けばいいのに^^;

ところでこのロブーヒンの食事@ドンキについてあまりにツイやブログの感想で書かれていないので私が見たのは幻覚だったのか?(なにせ五階席からの双眼鏡越し)と不安になりかけていたところ、同じ感想を書かれている方をようやく見つけて、色んな意味でホッ。。。よかった、幻覚じゃなかった。。。同様に花籠の踊りのラストのザハロワ花投げについてもやはり言及を見かけないので、あれはもしや私が感動のあまり見てしまった幻か・・・?と自分の頭が不安な今日この頃です^^;

※追記:
気になったのでザハ様ニキヤ動画をネットで漁ったところ、いくつかの動画で花投げをやっていました。基本、やってるっぽいです。よかった、やっぱり幻じゃなかった・・・(自分の記憶力に全く自信がない人)。しかしDVDでは今回と同じウラド相手でもやっていなかったですから、彼女の気分次第でこの花投げが入ったり入らなかったりするのだろうか。いずれにしても3日夜のザハロワは、今回見たどの動画よりも胸に迫る投げ方をしていて、つくづくあの夜のザハロワは神だった・・・

そうそう、花籠の踊りといえば。
今回のプログラムにニキヤの死について「ニキヤはソロルへの愛をひるがえすつもりはなく、大僧正を拒否して死んでいく」と書かれていて、「えっ!あれは明らかに絶望の中での死でしょ!」と思ったのですが、ロブーヒンのソロルはニキヤが倒れきる前に駆け寄って胸に抱いたのだそうですね。コールプのソロルもそういう演技をしていたように記憶しています。一方ラントラートフのソロルは、倒れきった後でした(そして、それまでは顔を背けている)。熊哲のソロルもその前にガムザと手を取り合って遁走しているので、ウラド系ですよね。
つまりソロルって、この場面でニキヤラブ!を前面に出す系とそうでない系がいるということかしら。
この違いによってストーリーの解釈も違ってきますから、面白いですね。

白鳥、バヤデール、ドンキと古典を大満喫させてもらえた今回の来日。
古典大好き!に変わりはありませんが、あれから色んな動画を観て、彼らのコンテも観てみたいな~とも感じています。ていうかコンテも古典もいっぱい色んな演目が観たい。
3年後の次回来日が今からもう待ち遠しいです。

来年のバレエのチケットはまだ何も取っていないのだけれど(東京バレエ団のザハロワ&ボッレ@ジゼルは行かないのです)、マリインスキーと英国バーミンガムは行くとして、他はどうしましょう。モンテカルロとかスコティッシュとかいろいろありますよねぇ。バレエ鑑賞初心者なので、どれを買えばいいのか、どれが自分の好みに合いそうなのかが全然わからなくて困る。とにかく観てみるしかないのはわかってるのですけど、一方で先立つものがね。。。
歌舞伎、文楽、能もいっぱい観たいし。オペラだってミュージカルだって観たい。美術展も行きたい。旅行も行きたい。
優先順位、しっかりつけていかなきゃなぁ。。

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Season's Greetings from everyone at the Royal Opera House 2014

2014-12-10 00:00:41 | バレエ




今年もロイヤルオペラハウスからグリーティングカードが届きましたよ
もうすぐクリスマスだったのねぇ

去年の予定では、今頃私は休暇を取って、ロンドンでくるみ割り人形とミスサイゴンを観ているはずだったのに。
なぜか東京でボリショイ。
来年はどこで何をしていることやら。

なんて書いていたら、今度はこんなメールが。





来年春はスワンレイクなんですね。

ラムちゃんのスワンか・・・・・・・・・・・・・・。
マックレーの王子か・・・・・・・・・・・・・・(あ、お子さんご誕生おめでとうです^^)

でも£5だったら試しにもう一回観てみようって全然思えるよねぇ。マックを食べるのと同じくらいの額だもの。
全ペアの組み合わせを観たってたかが知れている。
羨ましい・・・(>_<)

ていうか私、毎年お金のことを書いてる気が。。。
かなしくなってきた

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『ドン・キホーテ』 ボリショイ・バレエ団 @東京文化会館(12月6日夜)

2014-12-07 23:12:30 | バレエ




ボリショイ祭りもこれでラスト!

白鳥でもバヤでもなくドンキがボリショイの十八番と言われている理由が、よ~~~~~っくわかった公演でした。

巷で言われているボリショイのカラーというのはこういうことをいうのだなぁ、と初めて理解できた気がします(今までよくわからなかったのです)。
色々楽しすぎて、なにから書けばよいのやら。

ドンキって、主役だけじゃなく全員のレベルが揃うと、まったく違う作品みたいになるんですね。ドンキってこんなだったっけ?こんなにみんなが踊って踊って踊りまくる作品だったっけ?と最後まで思いながら見ていました。
もちろん振付や演出にボリショイ独特なものはありますが、その理由だけじゃなく、主役級以外も含めたダンサー達のレベルの高さに、どの場面でも「踊り」を見ている満足感があって、メインが踊る以外の場面でもこんなに楽しめたドンキは初めてでした。
パンフでアレクセイ・ファジェーチフが「《ドン・キホーテ》を好演できるバレエ団は、おそらく他のどんな作品も踊ることができるだろう」と言っていますが、その言葉を見せつけてもらえた夜だった。
本当に楽しかった!
バレエが好きでよかった!って心から思いました。

まず演奏が速い速い。
ただでさえ超絶技巧合戦な演目なのに、こんなに速くしちゃってダンサー達大丈夫か?と、ドンキは多少踊りが荒くても楽しませてくれればOK!と思ってる私でも心配になるほど。
たとえば上の動画部分。今回私が観たのと同じエカテリーナ・クリサノワのキトリですけど、これ、早回しでもなんでもないんですよ。もしかしたら昨夜の方が速かったかも、というくらい。それを演奏しちゃうオケも凄いが、それを見事に踊り切っちゃうクリサノワって・・・。しかも笑みまで浮かべて・・・!
彼女、ここだけじゃなく、三幕のグランフェッテも「今何回まわった??」って見てる方がわからなくなるくらいの速さでクルクルクルクル。ダブルだかトリプルだかガンガン入れてるのに速度が全然落ちずに超高速。で、やっぱり余裕の表情。
そして技術だけじゃなく、キトリらしさがいっぱい。フルステーほどキツさがなく、でもドヤ感、ツンデレ感満載で可愛らしかった♪そんなタイプなのに、ドゥルシネアもちゃんとドゥルシネアになっているのがスゴい。あの夢の世界のふわふわ感が出ているんです。
大満足!なキトリでした。

そんなキュートで魅力的なキトリを恋人にしているのが、ミハイル・ロブーヒンのバジル。
床屋の息子にしては品がありバジルのやんちゃ感は強くないけれど、それはもう優しそう~~~^^
最初に登場したときは「・・なんか地味?」と思いましたが(ちなみにクリサノワも最初の登場時はそう感じた)、彼の包容力のありそうなのんびりした雰囲気が、クリサノワのおきゃんなキトリととっっってもお似合い♪ 優しそうなだけじゃなく、ふとしたサポートが妙に色っぽくて(キトリを覗き込むようにふっと顔を寄せたり)、ピンではさほど色気が強いわけではないクリサノワが、バジルと踊っているととっても色っぽく見えました。
踊りも派手派手系ではないけど、ふわついていなくて、男性っぽさがあってよかったな~。長時間リフトも安定!
居酒屋で中央でエスパーダ達が派手に踊ってるとき、何気なく下手のテーブルのバジルを見たら、エスパーダの踊りを見つつキトリと話しながら(クリサノワが何か話しかけてるのを聞きながら)、パクパク何かを食べてる。ほんとに食べてる(箸で肉団子みたいなのを。箸の使い方上手すぎ笑)。可愛い♪
今回の公演、結構主役級ダンサーが舞台上で話してるのを見ることがあって、自由だなぁ~と(マーシャもバヤの婚約式のときに上手の椅子でウラドに何か話しかけてた)。ちゃんと演技はしてるので嫌な感じは全然受けず、むしろロシアのバレエ団って感じがして面白かった笑。
ロブーヒンは最後のカテコのときに、客席を見上げながら満足そうな表情でうんうんって何度も小さく頷いていて、その感じが性格が良さそうで、ファンになってしまいそうでした^^

そしてそして。
そんな主役二人と同じくらい大満足だったのが、一幕のエスパーダ(ルスラン・スクヴォルツォフ)&街の踊り子(アンナ・チホミロワ)のカップル!
先程も書きましたように、一幕の最初の出のときは「今回の主役は二人とも地味だなぁ」と感じてしまっていたので(次の出でそんな気持ちは吹っ飛びましたが。ロブーヒンの二度目の登場の仕方めちゃくちゃカッコよかった!)、エスパーダ&街の踊り子がそれはもう魅せてくれて、もうずーっと三幕までこの二人を観ていたい!って思ってしまったほど。
特にチホミロワ。白鳥のスペイン王女も素晴らしかったですが、今回の街の踊り子も本当に素敵だった。表現力に加えて、踊り自体に魅力があるんですよね。彼女の踊りをもっと観たいって感じました。
エスパーダも格好良かったです~。今まで見たエスパーダの中では一番満足(ラテン系ではなかったけど)。この二人の絡み、本当に色っぽくて華やかでよかったなぁ。。エスパーダは二幕のメルセデスとの絡みより、こちらの方が断然見ていて楽しかったです。

そしてエスパーダといえば、闘牛士達!
やっと、やっと、やっと・・・・・ピンクブーツ(K)でも虫(ペ)でもない理想的な衣装の闘牛士達に出会えました~~~
感涙。
といっても単なる赤と黒のスタンダードな闘牛士の衣装なんですけど^^; これに出会うのになんと長い道のりだったことか。。。闘牛士といったらこれでしょ!情熱的な
同じく赤と黒の布が床にさっと広がる様がそれは素敵で(><)!
ああ、幸せ。。。。。。。。踊りもみんなキレッキレでかっこよかったよぉ~~~~。

メドヴェージェフのガマーシュは、意外におとなしめでした。笑いをとる系は得意じゃないのかも?

また今回改めて思いましたが、ドンキって男性ダンサーと女性ダンサーのそれぞれが最大限に魅力的に見える作品ですよね。思いっきりはじけて踊る女性達と、彼女達を優しくエスコートしながらも自分の見せ場は思いきり派手に見せる男性ダンサー達。
ああ、本当にドンキ大好き!!

ただこのボリショイ版ドンキ、ラストの終わり方がアッサリというか、フシギな感じですね^^;
キトリの超高速グランフェッテ→バジルの超高速回転→キトリの超高速ピケターン&シェネで会場を最高に沸かせて、その後にオマケのようにドンキ&サンチョがさっさと退場→幕。たった今キトリ達に大拍手したばかりだし、このドンキ&サンチョに拍手するのも変な感じだし、となんか妙な気分に^^; ここはパリオペのみんなで踊っちゃうお祭り気分なラストの方が好きでした。

次回のボリショイ来日は2017年だとか。
バレエは最近観始めたばかりなのでよくわからないのですが、ボリショイとマリインスキーって、ボリ来日→マリ来日→来日なしのサイクルを繰り返してるんですかね?
しかし3年後かぁ。。。遠いなぁ。。。
それまで頑張って、いっぱい貯金しておこう。
今回はチュージンを観られなかったのが残念でした。評判がよかったので、ぜひ観たかった。次回も来てね(*^_^*)


ボリショイの皆さん、夢のような二週間をありがとう
 

【動画】
クリサノワのキトリ。ロブーヒンとの動画がなかったので、ワシリーエフとのものを。ワシリーエフ、踊りは素晴らしいんですけど(床屋の息子っぽいし笑)、あの、シャツが肌蹴すぎでございます・・・^^;。俺の肉体美を見ろってか?

Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - Don Quixote


Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - Don Quixote


Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - "Don Quixote"



最後にこんなのもどうぞ。10代?の頃のベリャコフ君。動画の評価に彼の人気の高さが覗えます笑。しかし美しいですね。。。 そしてクズネトフせんせい、動画作りがお上手すぎ^^;

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『ラ・バヤデール』 ボリショイ・バレエ団 @東京文化会館(12月3日)

2014-12-06 12:08:33 | バレエ






あの白鳥から二週間、ボリショイ祭りも怒涛の終盤戦に突入です。
私のバヤは、12月3日夜でした。

素晴らしかったですーーーーー

正直、期待は全くしておりませんでした。
なぜなら前日に同キャストによるバヤ動画(たぶんDVDと同じもの。以下DVDと書いちゃいますが、違ってたらゴメンナサイ)を通しで見たのですが、見事に感動できなかったからです。なんというか、三人ともあと一歩が理性的な感じで・・・。このチケット買ったの失敗しちゃったかなぁ・・・と思ったのです。
ですが、今日の舞台は三人の気合いが全然違いました。
特にザハロワアレクサンドロワ
巨大バレエ団のトップに立つプリンシパルというのはやっぱり何かが違うのだな、と思った。オーラというんですかね。
二人ともすごく格好よくて、並み居る男達よりも男前で笑、立派で、そして素敵でした。


【一幕一場(寺院前の森)】
大僧正がヴェールを取った瞬間の、ザハロワの神々しさ・・・!!
私はヴィシニョーワの情熱的で色気のあるニキヤがこの上なく好きなのですが、ザハロワのニキヤは全く違うタイプで、こちらもすごくいい。
体の細さも相まって、巫女のような、俗世間とは切り離された場所に身を置く、そんな舞姫。でも決して完全に向こうの存在でもないの。限りなく透明に近いけど透明じゃない、白い光のような凛とした美しさ。
ただ立っているだけでこういう空気が出るバレリーナって、どれだけいるのだろう。ザハロワってつくづく、生で見てこそのダンサーだと思う。

更にこのニキヤ、神々しいだけじゃなく、とても可憐なのです。
これはDVDと大きく違っていたところですが、この日のニキヤはソロルのことをちゃんと愛していました。ザハ様、渾身の演技!

なーのーにー。

ラントラートフ!あんた!
ザハ様が!あの感情表現が得意とはいえないザハ様が!こんなに感情いっぱいに演技してるというのに!
そのソロルは何さま!?そのまっったくニキヤを愛しているように見えないソロルは!
いえ、彼も頑張ってはおりました。DVDのときよりはずっと愛おしそうに見えましたし、ザハ様の胸に頬を寄せるときの濃密さなど(こう書くと変態ぽいが)結構ぐっときました。
でも~でも~、やっぱり恋してる男の目にはみえな~~~~い(>_<)!
先月のロヂキン王子は、そりゃあもうキッラキラな目でザハ様のことを見ていたわよ~~~。

と、最初は思ったんだけど。
ちょっと考えてみると。

この天然な甘いチャラさ、なんか、異様にソロルっぽいのではないかい(戦士には全然見えないが)。
ソロル&ニキヤの恋って音楽の盛り上がりもあって運命の恋!みたいなつもりでいたけど、ちょっと冷静に考えると、あのソロルの簡単な変心ぶり。実はニキヤ→ソロルはともかく、ソロル→ニキヤは割とふつうの感覚の恋心だったのではなかろうか。少なくともこのときの彼の自覚はその程度だったのではないだろうか(まぁ駆け落ちしたいほどには好きだったのだろうけど)。
だってこういう男、いるいる~。前から思ってたけど、ソロルって世の男の典型のようなキャラクターなのよね。性格が悪いわけではないが思慮深くもなく、妙に気の小さいところがあって、バカみたいな計算もしちゃったり。優柔不断で、場の勢いに逆らえず、流されちゃう。
この時点ですでに「ああ、今はニキヤのことが好きなんだろうけど、他に素敵な女性が現れたらふわふわ~とそっちに行っちゃうんだろうなー」という男の頼りなさが透けてみえるラントラートフのソロル。熊哲やコールプとは違うけど、実は一番ソロルっぽいのではなかろうか。

とはいえ。

やっぱりもうちょい!もうちょいニキヤへの恋情を見せてほしかったわぁ~。じゃないと3幕に繋がらないのよぉ~~~(と、このときは思ったのだが)。


【一幕ニ場(ラジャの宮殿)】
ガムザッティが戦士達と一緒に華やかに踊って登場するグリゴロ版振付、いいですねぇ!この場面だけで、ああニキヤに勝ち目はないんだなということがわかる。まったく身分が違うんですよねぇ。。
マリーヤ・アレクサンドロワのガムザも、とてもいい。ヒエラルキーのトップで育った、怖いものが何もないお嬢様の感じがよく出てる。
もっともこの場面のアレクサンドロワは、復帰後間もないせいか体が重たそうで(ちょっと背中に贅肉が・・・^^;)、踊りもまだ完全に調子が戻っているわけではないのかなと感じさせるものでした。でもこの存在感はさすが!

そして~。
二週間前に王子様だったロヂキン君が今夜は奴隷!これぞ究極のギャップ萌え!
今回はクルクル回しじゃないせいか、サポートも完璧よ~。ロヂキン君ってザハロワの体を壊れ物を扱うように扱うんですよね。World Ballet Dayのリハでザハロワがよろけたときに後ろで心配そうに手を伸ばしたところ、キュンとしちゃいました(ちなみに1:27:03でございます)。まぁそんなロヂキン君なので、「ニキヤ、ソロルなんか捨ててこの奴隷と一緒になっちゃえばいいのに!きっととっても大事にしてくれるよ!」と本気で思ったわ。

女同士の対決は、ザハロワ&アレクサンドロワがどうというより、この踊りの多い振付が、この場面に限っては緊迫感を減らしてしまっているように思うんですが、どんなもんなんでしょう。私はフツー版の振付の方がニキヤがどんどん追い詰められていく過程が伝わってきて、好きなんですが。
ただ改めて思ったのは、この場面は実力とオーラが拮抗する二人が踊らなきゃ絶対に駄目だな、ということ。その点、この二人は完璧でした!
あ、あと思い出した。ガムザが下手のソファに座って、足下に跪いてるニキヤの顔を手ですっと上げさせるところ。ここ、二人ともすっごく素敵だった!ザハロワの表情がとても綺麗で、そんな彼女の顔を見たアレクサンドロワの表情の変化がとても繊細で(マーシャも綺麗なんだけどね)。二人のポーズも美しくて、まるで絵のようで、全てに見惚れてしまいました。ここはDVDでも良かったですよね^^ ニキヤが断った腕輪をガムザがペッと邪険に放るところも大好き笑!

ところで、この宮殿の場面。背景セットがおかしなことになってませんでしたか・・・?背景の一番奥の布が途中までしか下りていなくて、下半分はシールが貼ってあるようなちゃちい壁がむき出しに・・・。DVDでは夕陽に映えた山々がそれはそれは美しかったのに。それとも四階サイドからだからああ見えたのかしら。正面からならちゃんと見えたのかな。

そんなこんなで、色々楽しみ所はあったものの、この時点ではまだまだ満足感は高くはなく。こんな感じで最後までいっちゃうのかなーとちょっと残念な気持ちも抱えつつ休憩時間を迎えたのでありました。


【二幕(婚約式)】

キャラクターダンスのとき、この版ではソロル&ガムザは二人で奥に引っ込んじゃうのですね。自分たちのための婚約式なのに(もうすっかりラブラブじゃないのさ)。白鳥の王子も舞踏会でなかなか姿を現さなかったし、グリゴロさんはこのパターンがお好きなのか。

グラン・パ・ダクション。
ガムザ&ソロルのPDD。
うん、DVDを観たときからこうなることはわかっていたわ・・・・・。
ラントラートフとアレクサンドロワ、すんごくお似合い
もう二人の空気がらっぶらぶ
ソロルがガムザをひたすら優しく気にかけている感じがもう‥‥‥、って話変わってるし!
でも、いいよ。許す!
だってこの二人のPDD、本当に美しかったんだもの。二人がとっても幸せそうだったんだもの。
帰宅してから知ったのですが、昨年アレクサンドロワが怪我をしたのって、この場面なのですね。そのときの共演者もラントラートフとザハロワ。それがこうして復帰して、同じ演目を日本で踊ることができて、きっと二人とも嬉しかったのではないかな。そんなことを想像してしまうくらい、ここの二人の踊りには温かで明るく、胸に届くものがありました。ベリャコフくん見放題席だったにもかかわらず、この二人から目が離せなかったくらいですから。
いや、ときどき目を離しましたけど笑。
ベリャコフ君は素顔もイケメン♪可愛いといってもいい顔なのに、ああいう踊りも踊れちゃうんだから、本当に先が楽しみなダンサーですね~。ロヂキン君と同じく、2週間前のロットバルトがこんなところにいるなんて、なんて贅沢なのでしょう!
そんなベリャコフ君&もう一人の子(エフレーモフ君)に高々と掲げられたマーシャ。
ゴージャスの一言!舞台にぱぁっと大輪の華が咲いたようでございました。

ソロルのVa.。
んーと、全く悪くはなかったのですけれど、おお!というわけでもなく。ああ次に踊るアレクサンドロワのことが気になるのね。うんうんわかるよ、もうなんでも許すよ、と笑。

ガムザッティのVa.~コーダ。
もうここは、アレクサンドロワの思い入れが痛いくらいに強く伝わってきました。
特にイタリアンフェッテからの連続フェッテ。
グランフェッテに入る前、一瞬とまって前を見据えて、それから正確で迫力あるフェッテを見事に踊り切ってくれました!さすがに表情は真剣で、終えたときは心からほっとした表情を浮かべてた。先日のドンキや黒鳥では32回転を避けたと聞いていたので、なんか彼女の気合いを感じて感動してしまったよ(本当はこういう感動は違うだろうとは思うものの)。。ガムザのグランフェッテは20回転くらい?だと思いますが、客席から伝わる期待感もすごかったと思うのに、そんな中でのあの立派なフェッテ。その度胸、さすがプリンシパルだと感じました。
そして上手にいたソロルと手を取り合って、二人で目を合わせてニッコリ笑顔。あれ、絶対に二人とも素だったと思う^^;

なんかもう客席も舞台もガムザ&ソロルおめでとう!なムードでいっぱいで。
ふと我に返って、あ、この後ザハ様の登場だ、と思い出し。
ここで私、本気で心配しちゃったんです。こんな雰囲気の中で登場するザハロワのことを。
こんなゴージャスで色んな意味で感動的なコーダの後で、あんなほっそい華奢なザハロワが出てきたら、さすがの彼女でも霞んじゃうのではなかろうか・・・、と。

そして、ニキヤが登場。

・・う・・わぁ。。。。。。。。

一瞬でもあなたのことを疑ってごめんなさい!
やっぱりザハロワはザハ様でした。
この存在感。この静謐感。この透明感。この哀しみ。この気高さ。
出てきた瞬間に泣きそうになりました。。。。いや、泣いた。
ザハロワってその存在だけで既に特別なのですね。なんて書くと崇拝じみて聞こえるかもしれませんが、私は結構冷静ですよ。ブログやツイで見かける様々なザハロワ批判(その多くが人間味の薄さや演技力に関するものなわけですが)も、そう感じる人はいるだろうなぁとよーく理解できますもの。実際私もそう感じるときが皆無とは申しません。特に動画では毎回そう思ってた。でも今回彼女の舞台を見て、少なくとも私は、この人の“他に代わりのいない”稀有な魅力がすごくよくわかった気がしました。私がこれまで観たことのあるプリマなんて極極極僅かですが、ヴィシニョーワやオレリーにも同じものを感じた。きっとまだ私が見たことのない世界中のトップに立つダンサー達も同じものを持っているのだろうなぁ、と。なんにせよ、また好みはあるにせよ、これだけ名声を集める人というのはそれだけの理由がちゃんとあるのだな、と。
私、この踊りで泣いたの初めてですよ。ヴィシニョーワのときは鬼気迫る演技&踊りの上手さに鳥肌が立ちましたが、泣くことはありませんでした(それが悪いという意味ではないです)。でも今回は、ザハロワの体が纏う空気に泣きました。
今にも消えてしまいそうな儚さ、ソロルを愛する健気さ、その思いの強さ。
なのになのにソロルってば、あんなにガムザとラブラブになっちゃって!
もうニキヤが可哀想で・・・・・
いやほんとに、ただでさえ孤高の雰囲気を感じさせるザハロワなので、さらに半端ないソロル&ガムザらぶらぶ効果が上乗せされて、一幕でニキヤがソロルのことを本当に愛していたのを見ているから、もう・・・・・

そして意外や意外、ここにきて、ラントラートフ@ソロル&ザハロワ@ニキヤがすんごくしっくりくるようになったのです。
このウラドソロルはお金のためにガムザといるんじゃありません。ガムザにしっかり心移りしちゃってますよ。もうニキヤのことはかつてのようには愛していないんです。でも、情はあるんです。それが自分でわかっているから、後ろめたいんですよ。
そして花籠の踊りのザハロワは、本当に嬉しそうなんです。ソロルがガムザと婚約してしまう悲しみはあるのだけれど、それよりも、まだ彼が自分のことを愛してくれていたことがわかって嬉しいんです。まだ愛してくれていると心から信じているんです。健気なんですよ。ソロルの気持ちはもうニキヤにはないのに・・・。観客にはそれがわかっているけど、ニキヤはそれを知らないのです。
この夜のザハロワ、踊り終えたとき、跪いて籠から花を一輪抜いて、それをソロルに向かって真っ直ぐに、しっかりと投げたんです(これ、DVDのザハロワもヴィシニョーワもやっていませんでした)。これが自分の返事だと、これからも変わらず自分はあなたを愛していると伝えるように。そして大切そうに花籠を抱きしめた瞬間に、毒蛇に咬まれるのです。
あぁ、思い出しただけで泣けてくる・・・・・・・ こんなザハロワが見られるなんて!

そしてガムザあなたなのね!的な踊りが入って、倒れるニキヤ。駆け寄るソロル(でもニキヤの所までは行きません)。大僧正が薬を渡すと、ニキヤはふっと顔を輝かせます。彼女はソロルがまだ自分を愛してくれていると思っていますから、生きられるのは嬉しいのです。
この後のニキヤとソロルも、DVDとは違っていました。
ニキヤ、薬を手にしてソロルを見ます。音楽がジャーン!このとき、ソロルも呆然と、でもしっかりと向かい合ってニキヤのことを見てるんですよ(DVDでは既に背を向けてた)。二人、無言のまま数秒見つめ合います。そしてここで初めて、ソロルがニキヤの真っ直ぐな目に耐えられなくなったように、逃れるように、視線を下に逸らすのですよ・・・!ウラド、GJよ~~~!!!すんごくいい!ソロルのダメさ、気の小ささが出てて!見直したわ!ウラドの素じゃないのか?と思ってしまうほど!ニキヤとのラブラブな空気は作れなかったけど、こういうのは作れるのね!
この瞬間に、ニキヤは初めて真実を知ったのだと思います。ソロルがもう自分のことを愛してはいないのだということを。
呆然と絶望の表情を浮かべるニキヤ。
手から滑り落ちる薬瓶。
絶命。

ここでようやくニキヤの元に駆け寄るソロル(ほんと気が小さいったら!)。
この状況が相当ショックなようで、ニキヤの遺骸を見つめ、頭を抱え、そして逃げ出す
あぁウラド!この演出にぴったり!!もう気が小さすぎて、ダメダメすぎて、むしろ愛おしくなるわ・・!!!

いやぁ、三人とも、素晴らしかった!!!満足感はDVDの数十倍よ~~~。
もう影の王国観なくてもいいやっていうくらいこの時点で物凄く満足しちゃいました~~~。

ここで一旦、カテコ。レヴェランスというよりも、しっかりカテコ。
ラントラートフを真ん中に挟んで、左にザハロワ、右にアレクサンドロワ。
物語のままの表情の、笑顔を見せないザハロワ。これまたある意味物語のままの表情の、満面の笑みでラッブラブなウラド&マーシャ。
そして三人、手を繋いでいます。
シュールだわ。。。。。。
こんなシュールなカテコ、初めて見たわ。。。。。
サイコー笑!!!


【三幕(影の王国)】
真っ暗な部屋でダメ男が沈んでいますよ。
このソロルは、失って初めてニキヤを本当に愛していたことに気付いた、というのとはちょっと違う感じです。
かつて本当に好きだったニキヤをあんな風に自分が裏切った状況で、あんな形で死なせてしまった、そのことにショックを受けている感じです。自分のした酷い行いを悔いているというよりも、ただひたすらニキヤに許してもらいたい、という感じ。彼の極小ハートはこの重すぎる状況に耐えられないんですね。
でもまぁ、こういう状況で気持ちを淡々と処理できてしまう器用な男よりはずっと人間的で、好感はもてます。
ソロル、ついに耐えきれなくなって、マグダヴェヤに勧められるまま阿片に手を伸ばしちゃいますよ(どこまでも周りに流される男)。

そして現れる、影の王国。

もうここね。
のっけから涙が出ました・・・・・。ここで泣いたのも初めてです。
四段のスロープをゆっくりとアラベスクでおりてくる、32の影。
手足が長くて頭の小さい妖精のようなバレリーナ達が32人並んでる光景といったら!この世のものとは思えない、それだけで涙の出る美しさですよ!
でも、それだけじゃないんです。
ああこの影達はすべてニキヤの影なんだな、ソロルはニキヤの幻影を見ているのだな、と感じたからです。
今回ほどこの影がニキヤの幻影として見えたことはありませんでした。
ザハロワのニキヤがもっていた、あの独特な雰囲気のせいだと思います。
コールドは、今回はよく揃っていました。足音も全く気にならず。
中にはフラついている子もいましたが、これだけ美しければ十分。

でね。ザハ様がもうさぁ‥!この世の存在じゃないのがはっきりわかるの!生身じゃないの!もう死んでしまってる存在なの!
だけど、ソロルへの愛情がね、魂の中にちゃんと残ってるの!恨んでなんか全然いないの。
ただ、優しい、透明な、ソロルへの愛情だけが残ってるのよ・・・泣。
花籠の踊りの人間的なニキヤと、既に此の世の存在ではない影の王国のニキヤと。これほど見事に踊り分けられるバレリーナってどれくらいいるんだろう。

そんなニキヤが相手のせいか、あんなにニキヤとラブラブを演じられていなかった(二度目)ラントラートフが!やってくれました!
ああ、あなたはちゃんとニキヤのことも愛していたんだね‥とわかったよ。
この世のものじゃなくなったニキヤと、まだこっちの世界の存在であるソロルの距離感がこの二人にぴったりでねぇ‥。ああ、バヤってこういう感動の仕方もあるのか、というよりもこういうのが正しいのかもしれないって思った(演者がそれを意識してたかどうかはわからんが)。

この哀しい透明感。
こんな美しい世界があるのですねぇ。。。
そしてニキヤも影も消えて、真っ暗な中(元いた部屋?)で一人目覚めたソロルがニキヤの幻を見、崩れ落ちるように倒れるラスト。
グリゴロさん、白鳥にしても、あんた美しい男の描き方がわかってるねぇ!もしかしてゲイですか?と思ったけど、違うようです。
このガムザとの結婚式&寺院崩壊がないバージョンは、私は大好きです。美しくて。
もっともこのウラドのソロルには、寺院崩壊バージョンも合ってるような気がしますが。流されて流されて流されて、ついには神の怒りに触れて死ぬ。うん、合ってる笑。

この第三幕は、ラントラートフもザハロワも、素晴らしい技巧を見せまくってくれました!今日はザハロワも絶好調!ピケターン&シェネ高速!ラントラートフの跳躍も高くキレッキレ!大満足!!!
ただ、ヴェールの踊りはヴィシさま&コルプが圧勝でした。あちらは文句なしの完璧。こちらは二人とももたついてた笑。

ああ、ロシアバレエってこんなに素晴らしいんだなあ。古典のパワーって凄い。歌舞伎や文楽や能と同じく、私にはどんなコンテよりも新しく感じられます。 

以下、覚書。
・婚約式の冒頭で、マグダヴェヤ(アントン・サーヴィチェフ。よかった!)がラジャに花籠を見せていました。蛇を捕まえてきたのは彼なのかな。そして花籠をニキヤに手渡すのもマグダヴェヤ。どちらの味方もできない、弱い立場なのだろうな。でも婚約式でニキヤの登場前にソロルに一生懸命なにかを伝えようとしていたり、ニキヤの踊りを見ているときの様子などからは、やはりニキヤのことは心配しているのだと思いました。

・太鼓の踊り、盛り上がって楽しい!メドヴェージェフの笑顔にも癒された♪

・壺の踊りのアンナ・レベツカヤ、笑顔がとってもキュート。

・ブロンズアイドルは、今回もイマイチ・・。もうバヤ観るの3回目なのに、未だに満足のいく仏像に出会えていない~。ちなみにマリインスキーと同じく、婚約式で余興のように登場します。

・ソロルの親友、婚約式でラジャの隣にものすごく気安く腰かけてたけど、あれは一体。

・グリゴロ版のガムザは毒蛇の一件には関わっていないように見えました。一幕最後でも「殺すわ!」ポーズはとっていなかったし。こういうのもいいですね。

・影の王国の第二ヴァリは、先日の白鳥でスペイン王女を踊ったチホミロワ。やっぱり今回も素晴らしかった!

・客席にフィーリンさんがいました。席位置は私の所からは見えなかったけれど、休憩が終わる直前にあのサングラスで客席内の通路を歩かれていたので目立っていて、4階席からでもすぐにわかりました。あと、マラーホフも(こちらは私は見ていませんが)。マラーホフは20日のオーチャードにも来ていたけど、えっと、、、どうしてなのだろう?単純に鑑賞・・?

・改修を終えた東京文化会館は、全然変わっていませんでした。歌舞伎座みたいにエスカレーターをつけるには、建て替えくらいしないと無理なのかな。おばあさんになったらバレエ観にこられないじゃない・・・泣。あと、あの恐怖の4&5階一列目に手摺を作ってほしかったです・・・。



白鳥についてグリゴロさんが詳細に解説してるとのことで、買いました!
・・・読んでも理解できなかった^^; 
ロットバルトは運命で、運命は意地悪っていうことはわかった。私が感じた印象と大きく離れていないこともわかった。
けど、やっぱり完全には理解できない
でも、あの演出は好き!


今夜はこれから、クリサノワ&ロブーヒンのドンキに行ってきます!私のボリショイ祭りのラスト!

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