「群馬医学」という医学系雑誌に掲載された講演記録(2010.12月)を読みました。
副題:「ー生き物・男をもっと知って欲しいー」。
演者:熊本悦明先生(日本 Men's Health 医学会理事長、日本臨床男性医学研究所所長、札幌医科大学名誉教授)
■ 平均寿命が女性より短い理由はなにか?
■ アラフィフで感じる男性の体調不良の原因はなにか?
■ 「朝立ち」(早朝勃起)の医学的意味は?
などの疑問に直球で回答する内容です。
目からウロコがぽろぽろ落ちました。ここ数年感じているアラフィフの自分の体調不良の原因を解説してもらっているかのような錯覚を受けるほど。
すべての始まりは男性ホルモンの減少です。そのために動脈硬化が起こり、肥満も生じ、この二つが悪循環を形成して心疾患・脳血管障害を引き起こすため、男性は女性より短命に終わる、というちょっと寂しい結論でした。いわゆる「朝立ち」が少なくなりEDが気になってきたら、男の人生が終わるサイン?
フムフムと頷きながら読んだ箇所を抜粋してみます;
□ 第二次世界大戦直後の平均寿命は50歳前後であった。
20世紀の医学は ”生・死の医学” 中心であり、その面での医学が進んだお陰で平均寿命が既に80歳を越えるようになった。
□ 男性短命は世界的にも問題視されている。
WHOが注目して1997年には ”男の命が数歳も女より短いのは何故か?” を研究する必要有りとするワイマール宣言を出した。
□ 男性ホルモンが低い人ほど命が短い
というデータが世界中で報告され、今や国際的に大体認識されてきている。男性ホルモンは男にとって非常に重要な生物学的因子であり、車に例えるとエンジンオイルのようなもの。エンジンオイルが少なくなると車が動かなくなるのと似ている。
□ 男性ホルモンは30歳代がピークで50歳を過ぎると明らかに下がってくる。
加齢とともに男性ホルモンは徐々に低下していき、50歳代になると30歳代の約4割まで下がる。
□ 動脈硬化度の男女差という事実。
男性が短命なのは50~80歳に原因がある。癌が多い、メタボリック症候群が多い、循環器系疾患が多い、など。
手と足にベルトを着けて脈波伝播スピードを調べる脈波伝播速度検査(PWV)でチェックすると、女性は女性ホルモンの血管に対する保護作用(NO産生促進、Endothelin 産生抑制)が非常に強いので、血管が柔らかく脈波スピードが速い。男性は男性ホルモンの保護作用が相対的に弱いので、男の血管は女性に比べて少し硬く、PWV時間が長い。
よって、男性ホルモンの低い人ほど心血管系のイベント・トラブルが多い。
女性は50歳前後で閉経して女性ホルモンが減少してもしばらくは影響が残るが、80歳を過ぎると男性に追いついて血管が硬くなり心血管や脳血管障害の確率が急に高くなる。
□ 男性ホルモン低下による病名の混乱。
近年「LOH症候群」(Late-Onset Hypogonadism)と呼ばれ、紹介されてきたが、発音が「老症候群」と同じでヤナ感じ(老、老って言うな!)。国際的には徐々に「テストステロン低下症候群」(testosterone deficiency syndrome, TDS)という表現に変わりつつある。
□ 50歳以降の男女の元気の差は性ホルモンのバランスで説明可能。
50歳を過ぎてからの体内の性ホルモンのバランスは男女で大きく異なる。
女性は女性ホルモンが激減すると、副腎から出ている弱いながらも男性ホルモン作用を持つDHEAの割合が高くなり、男女ホルモン比では男性ホルモンの割合が増えてきて、そのためにかえって割と元気になり、心理的にもかなり積極的になったりする人が多い。
一方、男性は男性ホルモンが徐々に減少し、男性ホルモン比が低下してくるので、全体として元気がなくなり、何だか迫力がなくなってくる(渡辺淳一の「孤舟」がよい例)。
□ 人差し指の長さが語る男性ホルモンの作用。
妊娠中母親のお腹にいるときに胎児が受けた男性ホルモン(アンドロゲン)シャワーの強さにより人差し指の長さが決まってくる。男らしい人は薬指(4D)に比べて人差し指(2D)が短く、2D/4D比が小さい。逆に男性ホルモンのシャワーが少ないと人差し指がむしろ長くなる。
また、よい成績を出しているスポーツ選手は、男女ともに人差し指が短い人が非常に多い。
逆に人差し指の長い女性ほど、女性が優れているといわれる語学力が高いとの報告もある。
以上のように、男性ホルモンというのは男女を問わず、個人のアグレッシブネスとか行動活性力保持にかなり関係があることが明らかになってきた。
病気との関係では、自閉症と副腎性器症候群が挙げられる。
自閉症は母親体内での男性ホルモンシャワーがより強いために発症するという説があり、自閉症症例の人差し指は非常に短いという報告がある。
副腎性器症候群(代謝異常による副腎性男性ホルモンが胎児期から多い病気)の女性では人差し指が短い。
□ サラリーマンの出世街道と男性ホルモンの関係。
皆さん方の周りでも、昔バリバリの係長時代、下の者を叱咤激励もするし自分も率先して頑張ってきた男性が、課長、部長、そして重役と昇進してくるとだんだん角が取れて人格が上がり、「角が取れて優しくなったよね」と言われる人がいるはず。
確かに経験を積み、角が取れることがあるかもしれないが、その裏には男性ホルモン減退があり、男性ホルモンが経ればアグレッシブネスが落ちてくることがある調査で判明している。
□ 「朝立ち」のカラクリ(生理学的意義)
男性は誰でも、夜間睡眠のREM睡眠時に無自覚に勃起しており、これは生理学的なものである。その最後の Erection が Morning Erection(ME)と理解されている。
勃起には二つの種類がある。一つは性的興奮時に恣意的に興奮性勃起する Voluntary Erection 、もう一つは夜間レム睡眠時の副交感神経興奮時に腸などの内臓群の一員であるペニスも一緒に反応して、自分なりの形式で反応している無意識的勃起 Involuntary Erection。
寝ているときに全機能が休むと人間は死んでしまうので、夜の神経・副交感神経がレム睡眠期に合わせて定期的にアクセルを踏んで内臓を刺激している。臨床的に言えば、腸が動き、寝返りし、夢を見て、また寝言を言う。そしてその時に、ペニスも内臓の一部として腸と一緒に反応し、勃起している。
昼間の性的興奮時に勃起するのも副交感神経興奮によるが、その作動機序は性的興奮時とレム睡眠時とでは別の作動機序が働くわけで、男の勃起機序は複雑である。
Involuntary erection は母親の胎内にいるときにも既に起きている生理現象であり、男性の最も基本的な生理現象と言える。レム睡眠時に勃起するので夜間睡眠中の勃起回数は、生後すぐでも、また成熟青年でも、ほとんど差はない。
しかし男性ホルモン依存性なので、思春期になり男性ホルモンが増えてくると、個々の勃起時間が延長してくる。最も男性ホルモンのレベルが高い20歳代男性では、寝ている全時間の約1/2弱もの間、勃起をしている。加齢とともにその比率は減少し、60歳になると1/5まで下がる。しかも高齢になると男性ホルモン減少の影響で夜間睡眠後半のレム睡眠が無くなってくるため、早朝勃起自覚がなくなってくると云う生理的加齢現象が起きる。
血中遊離テストステロンが8pg/ml以下になると朝立ちがだんだん無くなってきて、4pg/ml以下になるとほとんど気づかなくなる。
早朝勃起を自覚しなくなってから、治療で復活させてみると、興味深い反応が必ず起きてくる。それは「男としての自己尊厳・自信」が必ず蘇ってくること。早朝勃起は男の自己実現の生理学的現象であり、女性における月経生理に匹敵するものである。男性ホルモン投与により、早朝勃起の回復のみならず、夜間の中途覚醒が無くなるなど睡眠の質も改善してくる例が多い。
□ 勃起の循環器医学的意義
早朝勃起がないことは、副交感神経刺激に反応して血管が拡張しないことを意味し、この「血管拡張障害」発症には二つの理由がある。
男性ホルモンが減ることにより、
① 血管平滑筋拡張要素である酸化窒素(NO)が少なくなる
② メタボリック症候群になって脂肪代謝が悪くなり、インスリン抵抗性が高まり、血管内皮に脂肪がたまり、蓄積して動脈硬化が起こる
の二つが発生する。
動脈硬化現象は、体内の細い血管から起きてくる。体の臓器血管の中で一番細いものはペニスで1~2mm、次に心臓が3~4mm、脳が5~8mmとなっている。勃起障害(ED)があることは、同じ血管の動脈硬化病変が全身的にも秘かに進行し始めていて、心臓、さらに脳の血管障害にも発展しつつあることを示唆している。
今や勃起障害は全身医学の視点から "冠動脈障害の early sign" であると云われるようになった。60歳前後の男性で、突然心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる方がいるが、そういう方は、その3~4年前から自分だけが分かるEDになっているはずである。
□ 男性のメタボリック症候群の影に男性ホルモン減少有り
今や国際的には、男性ホルモン減少がメタボリック症候群発症の背景にあると云われてきている。男性ホルモン減少は、血管内平滑筋を置換させる酸化窒素NOの低下だけではなく、このような代謝異常による血管障害も起きてきて、血管障害進行をかなり促進させる。
□ Antiaging clinic でチェックすべきホルモンの種類
1)遊離テストステロン、できれば総テストステロンも同時に検査
2)LH(テストステロン分泌をコントロールしている下垂体ホルモン)、PRL(デパス、スルピライドなどの精神安定剤系を投与されている人)
3)DHEA-S(副腎から出ている男性ホルモン群の一つ)
4)IGF-1(成長ホルモンの代わりとして)
5)コルチゾール(ストレス度を推測できるホルモン)
<熊本悦明先生の関連HP>
◆ 「アンチエイジングガイド」
◆ 「高齢者の性」
◆ 「日本臨床男性医学研究所」
副題:「ー生き物・男をもっと知って欲しいー」。
演者:熊本悦明先生(日本 Men's Health 医学会理事長、日本臨床男性医学研究所所長、札幌医科大学名誉教授)
■ 平均寿命が女性より短い理由はなにか?
■ アラフィフで感じる男性の体調不良の原因はなにか?
■ 「朝立ち」(早朝勃起)の医学的意味は?
などの疑問に直球で回答する内容です。
目からウロコがぽろぽろ落ちました。ここ数年感じているアラフィフの自分の体調不良の原因を解説してもらっているかのような錯覚を受けるほど。
すべての始まりは男性ホルモンの減少です。そのために動脈硬化が起こり、肥満も生じ、この二つが悪循環を形成して心疾患・脳血管障害を引き起こすため、男性は女性より短命に終わる、というちょっと寂しい結論でした。いわゆる「朝立ち」が少なくなりEDが気になってきたら、男の人生が終わるサイン?
フムフムと頷きながら読んだ箇所を抜粋してみます;
□ 第二次世界大戦直後の平均寿命は50歳前後であった。
20世紀の医学は ”生・死の医学” 中心であり、その面での医学が進んだお陰で平均寿命が既に80歳を越えるようになった。
□ 男性短命は世界的にも問題視されている。
WHOが注目して1997年には ”男の命が数歳も女より短いのは何故か?” を研究する必要有りとするワイマール宣言を出した。
□ 男性ホルモンが低い人ほど命が短い
というデータが世界中で報告され、今や国際的に大体認識されてきている。男性ホルモンは男にとって非常に重要な生物学的因子であり、車に例えるとエンジンオイルのようなもの。エンジンオイルが少なくなると車が動かなくなるのと似ている。
□ 男性ホルモンは30歳代がピークで50歳を過ぎると明らかに下がってくる。
加齢とともに男性ホルモンは徐々に低下していき、50歳代になると30歳代の約4割まで下がる。
□ 動脈硬化度の男女差という事実。
男性が短命なのは50~80歳に原因がある。癌が多い、メタボリック症候群が多い、循環器系疾患が多い、など。
手と足にベルトを着けて脈波伝播スピードを調べる脈波伝播速度検査(PWV)でチェックすると、女性は女性ホルモンの血管に対する保護作用(NO産生促進、Endothelin 産生抑制)が非常に強いので、血管が柔らかく脈波スピードが速い。男性は男性ホルモンの保護作用が相対的に弱いので、男の血管は女性に比べて少し硬く、PWV時間が長い。
よって、男性ホルモンの低い人ほど心血管系のイベント・トラブルが多い。
女性は50歳前後で閉経して女性ホルモンが減少してもしばらくは影響が残るが、80歳を過ぎると男性に追いついて血管が硬くなり心血管や脳血管障害の確率が急に高くなる。
□ 男性ホルモン低下による病名の混乱。
近年「LOH症候群」(Late-Onset Hypogonadism)と呼ばれ、紹介されてきたが、発音が「老症候群」と同じでヤナ感じ(老、老って言うな!)。国際的には徐々に「テストステロン低下症候群」(testosterone deficiency syndrome, TDS)という表現に変わりつつある。
□ 50歳以降の男女の元気の差は性ホルモンのバランスで説明可能。
50歳を過ぎてからの体内の性ホルモンのバランスは男女で大きく異なる。
女性は女性ホルモンが激減すると、副腎から出ている弱いながらも男性ホルモン作用を持つDHEAの割合が高くなり、男女ホルモン比では男性ホルモンの割合が増えてきて、そのためにかえって割と元気になり、心理的にもかなり積極的になったりする人が多い。
一方、男性は男性ホルモンが徐々に減少し、男性ホルモン比が低下してくるので、全体として元気がなくなり、何だか迫力がなくなってくる(渡辺淳一の「孤舟」がよい例)。
□ 人差し指の長さが語る男性ホルモンの作用。
妊娠中母親のお腹にいるときに胎児が受けた男性ホルモン(アンドロゲン)シャワーの強さにより人差し指の長さが決まってくる。男らしい人は薬指(4D)に比べて人差し指(2D)が短く、2D/4D比が小さい。逆に男性ホルモンのシャワーが少ないと人差し指がむしろ長くなる。
また、よい成績を出しているスポーツ選手は、男女ともに人差し指が短い人が非常に多い。
逆に人差し指の長い女性ほど、女性が優れているといわれる語学力が高いとの報告もある。
以上のように、男性ホルモンというのは男女を問わず、個人のアグレッシブネスとか行動活性力保持にかなり関係があることが明らかになってきた。
病気との関係では、自閉症と副腎性器症候群が挙げられる。
自閉症は母親体内での男性ホルモンシャワーがより強いために発症するという説があり、自閉症症例の人差し指は非常に短いという報告がある。
副腎性器症候群(代謝異常による副腎性男性ホルモンが胎児期から多い病気)の女性では人差し指が短い。
□ サラリーマンの出世街道と男性ホルモンの関係。
皆さん方の周りでも、昔バリバリの係長時代、下の者を叱咤激励もするし自分も率先して頑張ってきた男性が、課長、部長、そして重役と昇進してくるとだんだん角が取れて人格が上がり、「角が取れて優しくなったよね」と言われる人がいるはず。
確かに経験を積み、角が取れることがあるかもしれないが、その裏には男性ホルモン減退があり、男性ホルモンが経ればアグレッシブネスが落ちてくることがある調査で判明している。
□ 「朝立ち」のカラクリ(生理学的意義)
男性は誰でも、夜間睡眠のREM睡眠時に無自覚に勃起しており、これは生理学的なものである。その最後の Erection が Morning Erection(ME)と理解されている。
勃起には二つの種類がある。一つは性的興奮時に恣意的に興奮性勃起する Voluntary Erection 、もう一つは夜間レム睡眠時の副交感神経興奮時に腸などの内臓群の一員であるペニスも一緒に反応して、自分なりの形式で反応している無意識的勃起 Involuntary Erection。
寝ているときに全機能が休むと人間は死んでしまうので、夜の神経・副交感神経がレム睡眠期に合わせて定期的にアクセルを踏んで内臓を刺激している。臨床的に言えば、腸が動き、寝返りし、夢を見て、また寝言を言う。そしてその時に、ペニスも内臓の一部として腸と一緒に反応し、勃起している。
昼間の性的興奮時に勃起するのも副交感神経興奮によるが、その作動機序は性的興奮時とレム睡眠時とでは別の作動機序が働くわけで、男の勃起機序は複雑である。
Involuntary erection は母親の胎内にいるときにも既に起きている生理現象であり、男性の最も基本的な生理現象と言える。レム睡眠時に勃起するので夜間睡眠中の勃起回数は、生後すぐでも、また成熟青年でも、ほとんど差はない。
しかし男性ホルモン依存性なので、思春期になり男性ホルモンが増えてくると、個々の勃起時間が延長してくる。最も男性ホルモンのレベルが高い20歳代男性では、寝ている全時間の約1/2弱もの間、勃起をしている。加齢とともにその比率は減少し、60歳になると1/5まで下がる。しかも高齢になると男性ホルモン減少の影響で夜間睡眠後半のレム睡眠が無くなってくるため、早朝勃起自覚がなくなってくると云う生理的加齢現象が起きる。
血中遊離テストステロンが8pg/ml以下になると朝立ちがだんだん無くなってきて、4pg/ml以下になるとほとんど気づかなくなる。
早朝勃起を自覚しなくなってから、治療で復活させてみると、興味深い反応が必ず起きてくる。それは「男としての自己尊厳・自信」が必ず蘇ってくること。早朝勃起は男の自己実現の生理学的現象であり、女性における月経生理に匹敵するものである。男性ホルモン投与により、早朝勃起の回復のみならず、夜間の中途覚醒が無くなるなど睡眠の質も改善してくる例が多い。
□ 勃起の循環器医学的意義
早朝勃起がないことは、副交感神経刺激に反応して血管が拡張しないことを意味し、この「血管拡張障害」発症には二つの理由がある。
男性ホルモンが減ることにより、
① 血管平滑筋拡張要素である酸化窒素(NO)が少なくなる
② メタボリック症候群になって脂肪代謝が悪くなり、インスリン抵抗性が高まり、血管内皮に脂肪がたまり、蓄積して動脈硬化が起こる
の二つが発生する。
動脈硬化現象は、体内の細い血管から起きてくる。体の臓器血管の中で一番細いものはペニスで1~2mm、次に心臓が3~4mm、脳が5~8mmとなっている。勃起障害(ED)があることは、同じ血管の動脈硬化病変が全身的にも秘かに進行し始めていて、心臓、さらに脳の血管障害にも発展しつつあることを示唆している。
今や勃起障害は全身医学の視点から "冠動脈障害の early sign" であると云われるようになった。60歳前後の男性で、突然心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる方がいるが、そういう方は、その3~4年前から自分だけが分かるEDになっているはずである。
□ 男性のメタボリック症候群の影に男性ホルモン減少有り
今や国際的には、男性ホルモン減少がメタボリック症候群発症の背景にあると云われてきている。男性ホルモン減少は、血管内平滑筋を置換させる酸化窒素NOの低下だけではなく、このような代謝異常による血管障害も起きてきて、血管障害進行をかなり促進させる。
□ Antiaging clinic でチェックすべきホルモンの種類
1)遊離テストステロン、できれば総テストステロンも同時に検査
2)LH(テストステロン分泌をコントロールしている下垂体ホルモン)、PRL(デパス、スルピライドなどの精神安定剤系を投与されている人)
3)DHEA-S(副腎から出ている男性ホルモン群の一つ)
4)IGF-1(成長ホルモンの代わりとして)
5)コルチゾール(ストレス度を推測できるホルモン)
<熊本悦明先生の関連HP>
◆ 「アンチエイジングガイド」
◆ 「高齢者の性」
◆ 「日本臨床男性医学研究所」