「スマホ中毒」の根拠となる論文がまた一つ。
動かないから太る、光刺激で夜眠れない・・・想定内の影響です。
■ 就寝時の電子機器の使用、子どもの健康への影響は?
(提供元:HealthDay News:2018/01/09、ケアネット)
スマートフォン(スマホ)やタブレットなどの電子機器は、今や私たちの生活に欠かせないアイテムとなり、これらを上手に使いこなす子どもも少なくない。しかし、子どもに質の良い睡眠を十分に取らせ、肥満にさせたくなければ、就寝時のこれらの使用は制限すべきだとする新たな研究結果が「Global Pediatric Health」10月27日オンライン版に掲載された。
保護者を対象に行ったこの調査によると、子どもが就寝時にスマホを使用したりテレビを視聴すると、BMIが増加することが示された。また、テレビの視聴やスマホ、コンピューター、ビデオゲームの使用は、子どもの睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下を招くことが分かった。
論文の筆頭著者である米ペンシルベニア州立大学ハーシー医学部のCaitlyn Fuller氏は「子どもにスマホなどの電子機器を与える際には、親は小児科医に年齢にふさわしい使い方について相談するとよい。もし子どもに十分な睡眠を取らせたいならば、ベッドに入る前にこれらの電源は切り、スマホを枕元に置かせるようなことはあってはならない」と述べている。なお、同氏は、今回の研究では、就寝時の電子機器の使用が子どもの睡眠や肥満に悪影響を与える可能性が示されたに過ぎないとしている。
Fuller氏らの調査では、小学校5年生までの小児の約4割が自分のスマホを所有しており、それより低い年齢でも多くの子どもが電子玩具やタブレット式の玩具に親しんでいるという。
今回の研究は、同大学の2つの診療所(うち1カ所は肥満専門クリニック)から登録した8~17歳の子ども234人の保護者を対象としたもの。保護者には、子どもの電子機器(コンピューター、ビデオゲーム、スマホ、テレビ)の使用時間や使用するタイミングのほか、睡眠時間や睡眠の質、朝の疲労感、注意力、日頃の運動量などについて尋ね、就寝時の電子機器の使用とBMI、睡眠、注意力への影響を調べた。
その結果、就寝時にテレビを視聴したり、スマホを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて過体重や肥満になるリスクが2倍以上であることが分かった。また、当然ながら戸外での運動量が多いほど過体重になるリスクは低かった。
さらに、就寝時にテレビを視聴したり、ビデオゲームを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて一晩の睡眠時間が30分短く、スマホやコンピューターを使用する子どもは、使わない子どもと比べて睡眠時間が1時間短かった。なお、コンピューターを使用する子どもは寝付きが悪く、ビデオゲームを使用する子どもはすぐに目が覚めてしまうといったトラブルも抱えていた。
就寝時の電子機器の使用は睡眠の質にも悪影響を及ぼしていた。就寝時にスマホやビデオゲーム、コンピューターを使用する子どもは朝に疲労を感じやすく、朝食を取らない傾向がみられた。一方で、子どもの電子機器の使用による注意力への影響は認められなかった。
専門家の一人、米ノーザン・ウェストチェスター医療センターのPeter Richel氏は「スマホやタブレットなどの電子機器は私たちの生活の一部になっており、より幼い頃から身近なものとなっている。最近では、10歳代の子どもや若者がソーシャルメディアやIT機器に費やす時間も著しく増えたことで、戸外で遊んだり読書の楽しさを経験する機会が奪われていることに危機感を抱いている」と述べ、日常生活にITが浸透していくほど子どもの睡眠が妨げられるのは確実で、就寝1時間前には家族全員でこうした電子機器の電源を切るよう勧めている。
<原著論文>
Fuller C, et al. Glob Pediatr Health. 2017 Oct 27;4:2333794X17736972.
動かないから太る、光刺激で夜眠れない・・・想定内の影響です。
■ 就寝時の電子機器の使用、子どもの健康への影響は?
(提供元:HealthDay News:2018/01/09、ケアネット)
スマートフォン(スマホ)やタブレットなどの電子機器は、今や私たちの生活に欠かせないアイテムとなり、これらを上手に使いこなす子どもも少なくない。しかし、子どもに質の良い睡眠を十分に取らせ、肥満にさせたくなければ、就寝時のこれらの使用は制限すべきだとする新たな研究結果が「Global Pediatric Health」10月27日オンライン版に掲載された。
保護者を対象に行ったこの調査によると、子どもが就寝時にスマホを使用したりテレビを視聴すると、BMIが増加することが示された。また、テレビの視聴やスマホ、コンピューター、ビデオゲームの使用は、子どもの睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下を招くことが分かった。
論文の筆頭著者である米ペンシルベニア州立大学ハーシー医学部のCaitlyn Fuller氏は「子どもにスマホなどの電子機器を与える際には、親は小児科医に年齢にふさわしい使い方について相談するとよい。もし子どもに十分な睡眠を取らせたいならば、ベッドに入る前にこれらの電源は切り、スマホを枕元に置かせるようなことはあってはならない」と述べている。なお、同氏は、今回の研究では、就寝時の電子機器の使用が子どもの睡眠や肥満に悪影響を与える可能性が示されたに過ぎないとしている。
Fuller氏らの調査では、小学校5年生までの小児の約4割が自分のスマホを所有しており、それより低い年齢でも多くの子どもが電子玩具やタブレット式の玩具に親しんでいるという。
今回の研究は、同大学の2つの診療所(うち1カ所は肥満専門クリニック)から登録した8~17歳の子ども234人の保護者を対象としたもの。保護者には、子どもの電子機器(コンピューター、ビデオゲーム、スマホ、テレビ)の使用時間や使用するタイミングのほか、睡眠時間や睡眠の質、朝の疲労感、注意力、日頃の運動量などについて尋ね、就寝時の電子機器の使用とBMI、睡眠、注意力への影響を調べた。
その結果、就寝時にテレビを視聴したり、スマホを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて過体重や肥満になるリスクが2倍以上であることが分かった。また、当然ながら戸外での運動量が多いほど過体重になるリスクは低かった。
さらに、就寝時にテレビを視聴したり、ビデオゲームを使用する子どもは、そうでない子どもと比べて一晩の睡眠時間が30分短く、スマホやコンピューターを使用する子どもは、使わない子どもと比べて睡眠時間が1時間短かった。なお、コンピューターを使用する子どもは寝付きが悪く、ビデオゲームを使用する子どもはすぐに目が覚めてしまうといったトラブルも抱えていた。
就寝時の電子機器の使用は睡眠の質にも悪影響を及ぼしていた。就寝時にスマホやビデオゲーム、コンピューターを使用する子どもは朝に疲労を感じやすく、朝食を取らない傾向がみられた。一方で、子どもの電子機器の使用による注意力への影響は認められなかった。
専門家の一人、米ノーザン・ウェストチェスター医療センターのPeter Richel氏は「スマホやタブレットなどの電子機器は私たちの生活の一部になっており、より幼い頃から身近なものとなっている。最近では、10歳代の子どもや若者がソーシャルメディアやIT機器に費やす時間も著しく増えたことで、戸外で遊んだり読書の楽しさを経験する機会が奪われていることに危機感を抱いている」と述べ、日常生活にITが浸透していくほど子どもの睡眠が妨げられるのは確実で、就寝1時間前には家族全員でこうした電子機器の電源を切るよう勧めている。
<原著論文>
Fuller C, et al. Glob Pediatr Health. 2017 Oct 27;4:2333794X17736972.