前項と同じく、NHKラジオ「健康ライフ」で放送されました。
菊池先生自身が吃音で悩み、克服した方で、著作もたくさんあります。
再確認できた事項は以下の通り;
・吃音は遺伝的なもので、親のしつけが原因ではない。
・緊張して言葉が出ないというだけ病態ではない。
・その人により出にくい言葉は異なる。
・会話では出にくい言葉が、歌う時はふつうに出てくる。
最後の話を聞いて、私は自閉症の東田直樹君のことを思い出しました。
彼はしゃべれません。
しかし、パソコンのキーボードに入力することを訓練の末に覚え、入力する際には言葉を発することができるようになりました。
何かをきっかけに、あるいは何かの力を借りると、ブレーキになっていたものが外れて言葉が出るという状態は共通していると感じました。
脳の機能が詳しく解析される過程で、「発語障害」のメカニズムが解明され、対策が可能になることを祈ります。
************<備忘録>************
■ 身近な疾患『吃音』
□ 吃音の特徴3つ
1.繰り返し ・・・(例)「ぼっ、ぼっ、ぼくは・・・」
2.引き延ばし ・・・最初の音が伸びる(例)「ぼ〜くは」
3.難発 ・・・最初の言葉がなかなか出ない
小児期は1と2が目立ち、成人後は3が多い。
□ 子育て歴・生育歴ではなく、遺伝的なもの
親が責任を感じる必要はない。
□ 常に吃音が出るわけではない。
出やすい言葉と出にくい言葉、言える言葉と言えない言葉がある。
吃音の人ごとに言えない言葉が異なる。
母音が言えない例等。
□ 頻度は100人に一人
この頻度は全世界共通。
□ 吃音は治る?
3年で6割(男児)、8割(女児)が治る。
思春期を過ぎてしまうと大人まで持ち越すことが多い。
□ 大人の吃音者で一番困っているのは「電話」
自分の名前を言うのが苦手な人が多い。
自己紹介が苦手など、小児期の失敗体験が影を落としている。
■ 吃音のメカニズム
□ 吃音回避の言い換え/置き換えのスキル
・「昨日」が言えない場合は「曜日」で言い換える。
・「ありがとう」が言えない場合は「サンキュー」と言い換える。
※ 自分の名前は言い換えることができないので困る。
□ 吃音は「自分で発音のタイミングを取れない/合わせられない」のが下手な状態
・会話では言えない単語が歌うときは言える。
・一人では言えないが、みんなで一緒の場合は言える。
□ 社交不安障害という二次障害
吃音があるために新たな出会いが億劫になる。
■ 吃音の治療
□ 吃音の始まりは防げない。
□ 治療のコツは吃音があることでイヤな思いを重ねないようにすること
対人恐怖症、社交不安症対策。
□ 吃音を隠すスキル
・「あの、あの・・・」と言葉をはさむ。
・言いにくい単語の前に言いやすい単語を入れる。
・最終的にはしゃべる場面から逃げる。
□ 病院での治療
・二人で一緒に文章を読むと吃音が出ないことを経験させるとメカニズムが理解できてよい。
・メトロノームに合わせると話すことができるので、それを練習をする。
□ 自分だけ悩んでいるという誤解を解く
・吃音は君一人じゃない。
・わざとしているわけじゃない、あなたは悪くない。
・しゃべりたいという気持ちを持ち続けて社会参加にトライ。
■ 吃音への誤解
□ 日本の吃音研究には100年の歴史がある。
1930年代の治療(伊沢先生)は以下の通り;
・腹式呼吸
・引き延ばしながら発声する
・精神強化・・・「吃音を絶対治してやる」という根性論
□ 吃音の捉え方の変遷
・遺伝ではなく親のしつけ、ストレスが重視された。
・吃音があると差別された。
・その後、治すのではなく受け入れて吃音を持ったまま社会参加しようという流れに変わった。
■ 吃音とうまく付き合うためには
□ 吃音を支えるシステム
・発達障害者法の対象疾患になっている
・言語聴覚士が専門的にリハビリを担当する
・言語聴覚士が登場する前は小学校の「ことばの教室」で扱っていた。
□ 吃音の取説
・努力や訓練ではゼロにはならない。
・吃音のある自分を受け入れる。
・周囲の他人にも受け入れてもらう。吃音がある自分の取説を相手に説明する。
菊池先生自身が吃音で悩み、克服した方で、著作もたくさんあります。
再確認できた事項は以下の通り;
・吃音は遺伝的なもので、親のしつけが原因ではない。
・緊張して言葉が出ないというだけ病態ではない。
・その人により出にくい言葉は異なる。
・会話では出にくい言葉が、歌う時はふつうに出てくる。
最後の話を聞いて、私は自閉症の東田直樹君のことを思い出しました。
彼はしゃべれません。
しかし、パソコンのキーボードに入力することを訓練の末に覚え、入力する際には言葉を発することができるようになりました。
何かをきっかけに、あるいは何かの力を借りると、ブレーキになっていたものが外れて言葉が出るという状態は共通していると感じました。
脳の機能が詳しく解析される過程で、「発語障害」のメカニズムが解明され、対策が可能になることを祈ります。
(菊池先生)
************<備忘録>************
■ 身近な疾患『吃音』
□ 吃音の特徴3つ
1.繰り返し ・・・(例)「ぼっ、ぼっ、ぼくは・・・」
2.引き延ばし ・・・最初の音が伸びる(例)「ぼ〜くは」
3.難発 ・・・最初の言葉がなかなか出ない
小児期は1と2が目立ち、成人後は3が多い。
□ 子育て歴・生育歴ではなく、遺伝的なもの
親が責任を感じる必要はない。
□ 常に吃音が出るわけではない。
出やすい言葉と出にくい言葉、言える言葉と言えない言葉がある。
吃音の人ごとに言えない言葉が異なる。
母音が言えない例等。
□ 頻度は100人に一人
この頻度は全世界共通。
□ 吃音は治る?
3年で6割(男児)、8割(女児)が治る。
思春期を過ぎてしまうと大人まで持ち越すことが多い。
□ 大人の吃音者で一番困っているのは「電話」
自分の名前を言うのが苦手な人が多い。
自己紹介が苦手など、小児期の失敗体験が影を落としている。
■ 吃音のメカニズム
□ 吃音回避の言い換え/置き換えのスキル
・「昨日」が言えない場合は「曜日」で言い換える。
・「ありがとう」が言えない場合は「サンキュー」と言い換える。
※ 自分の名前は言い換えることができないので困る。
□ 吃音は「自分で発音のタイミングを取れない/合わせられない」のが下手な状態
・会話では言えない単語が歌うときは言える。
・一人では言えないが、みんなで一緒の場合は言える。
□ 社交不安障害という二次障害
吃音があるために新たな出会いが億劫になる。
■ 吃音の治療
□ 吃音の始まりは防げない。
□ 治療のコツは吃音があることでイヤな思いを重ねないようにすること
対人恐怖症、社交不安症対策。
□ 吃音を隠すスキル
・「あの、あの・・・」と言葉をはさむ。
・言いにくい単語の前に言いやすい単語を入れる。
・最終的にはしゃべる場面から逃げる。
□ 病院での治療
・二人で一緒に文章を読むと吃音が出ないことを経験させるとメカニズムが理解できてよい。
・メトロノームに合わせると話すことができるので、それを練習をする。
□ 自分だけ悩んでいるという誤解を解く
・吃音は君一人じゃない。
・わざとしているわけじゃない、あなたは悪くない。
・しゃべりたいという気持ちを持ち続けて社会参加にトライ。
■ 吃音への誤解
□ 日本の吃音研究には100年の歴史がある。
1930年代の治療(伊沢先生)は以下の通り;
・腹式呼吸
・引き延ばしながら発声する
・精神強化・・・「吃音を絶対治してやる」という根性論
□ 吃音の捉え方の変遷
・遺伝ではなく親のしつけ、ストレスが重視された。
・吃音があると差別された。
・その後、治すのではなく受け入れて吃音を持ったまま社会参加しようという流れに変わった。
■ 吃音とうまく付き合うためには
□ 吃音を支えるシステム
・発達障害者法の対象疾患になっている
・言語聴覚士が専門的にリハビリを担当する
・言語聴覚士が登場する前は小学校の「ことばの教室」で扱っていた。
□ 吃音の取説
・努力や訓練ではゼロにはならない。
・吃音のある自分を受け入れる。
・周囲の他人にも受け入れてもらう。吃音がある自分の取説を相手に説明する。