廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第九話:本

2008-07-06 23:23:23 | Weblog
 今日は広島の街までカープの応援に出掛けた...と、この書き出しが3週連続になっているな。 多分交流戦の影響なのだろうがホームゲームが同じ期間に集中している。 こんな時期がある一方で一月近く遠征に出ずっぱりの時期もあるなど選手や関係者はもちろん、その家族へも負担が掛かる日程だと思いますが、来季以降は改善してもらいたいものですけど。 それと私はデーゲーム派なのですが、梅雨明けで猛烈に暑くなる時期のデーゲームは選手にも観客にも厳しいので7月からはナイトゲームに切り替えた方が良いのかも知れません。 それと日程絡みでもう一つ言えば、広島人は珍しい事が好きなのか交流戦はいつもより客が入っているみたいですし、新球場になる来季から交流戦は地方球場への持ち出しはしない方が良いと思っています。 同一リーグとの試合で他球場での開催とか、復刻版ユニフォームで試合をするとか変化を付ければ気分転換になって良いのではないでしょうか。 電車の中でそんな事を考えていました...

                    

 私はいつも通り横川駅でJRを下車、駅前のスーパーでビールとおつまみを買って、そこから歩いて球場に向かう。 それにしても暑い。 球場まで歩くだけで汗びっしょりになってしまった。 球場近くの中華庭園でいつも通り着替えをする。 応援用の赤いTシャツで球場に向かっているとプール開きしたばかりの中央公園ファミリープールから歓声が聞こえる。 子供たちの声と塩素臭い匂いが道路まで流れて来る。 私は水着を持っていないが、仮にあったとしてもここは子供ばかりだからな。 中に入る事は無いだろう... チケットを見せて球場入りすると、ライトスタンドはもう一杯で開いている席を探すのに手間取った。 そして今回はフェンスのすぐ後の席に座る事になった。 フェンスが近いのであまり見やすい席とは言えないな...

 席に着いてすぐに先発メンバーの発表があった。 カープの先発は先週と同じく高橋(建)投手、スワローズは若手の増渕投手だ。 先に発表されたスワローズのメンバーにガイエル選手の名前が無かった。 彼はカープ戦に強いし、市民球場では場外ホームランも打っているので当然ライトで先発し、ライトスタンドに座る私と”マッチアップ”するのではと思っていたのだが実際にライトで先発出場になったのはファイターズからトレードでやって来た川島(慶)選手だった。 市民球場は狭いので軽く打ってもホームランになるガイエル選手の方がカープは嫌がると思うのだが... それに川島選手は内野手登録だし。 狭い球場で守備力重視なんて何か意図があっての起用なのか?

                   

 猛暑の中、ついに試合は始まった。 高橋(建)投手は先週に続いて今週も好調の様だ。 一方の増渕投手もそれなりにまとまっている...いや、カープの打者の打球はヒットコースに飛んでいるけど伸びないので野手の間を抜けて行かない。 恐らく目には見えないが打者を押し込むだけの球威があるのだろう。 これがマーティー監督が好む”パワーアーム”と言うものなのだろうか。 初めて見るけどなかなか良い投手だ。 一つだけ苦言を呈するとしたらこの投球をカープ戦でやるのはけしからんな。 どうせなら”どこかの球団”やジャイアンツ、ドラゴンズ相手に見せて欲しいものだ。 それでも打順が2順目に入ると何とかヒットが繋がって1点先制する事が出来た。

 カープが先制したのも束の間、カープに外野のアレックス選手と”鯉の狩人”赤松選手との連携ミスが発生して外野フライがヒットになってしまい、それが絡んで川島選手の犠牲フライで同点にされてしまった。 あの打球のコースから考えると赤松選手に任せた方が良かったのではと思う。 アレックス選手は非常に良い守備をしているのだが、右中間の打球は守備範囲の広い赤松選手や天谷選手に任せ、アレックス選手はライト及びライトファールゾーンの打球をどんどん処理した方が良いのでは? 前から思っていた事だが、外野手の捕球が間に合わず、ファールゾーンに落ちる打球って一試合で結構あるからな。

                   

 膠着状態の試合は6回、スワローズの青木選手がホームランを打ってついに勝ち越されてしまった。 青木選手にはいつも市民球場で打たれている記憶がある。 今日もヒットにホームラン、そして盗塁とかなりやられている。 日本代表チームの三番打者としては頼もしい存在だが、こうして敵として市民球場で対戦しているととても嫌な打者だな。 守備でも前からいいプレーを見せているが、今日の試合を見ているとレフトの福地選手もライトの川島選手も打球を青木選手に任せているのか、外野への打球をいつも青木選手が取っている錯覚を起こす程だ...

 試合はカープが7回に追い付いたものの、スワローズは8回に川島選手が粘って出塁したのを足がかりにカープのシュルツ投手を攻略して一挙に3点を取られてしまい、カープもその裏に1点返したのだが9回は韓国から来たスワローズのクローザー・林投手に抑えられてしまいカープは敗れた。 私が球場に行っての生観戦でホークス戦から4連敗している...悔しいな。 いつもいつもいい試合はするのだが、最後は相手に押し切られてしまっている。 今年は市民球場最終シーズンだからかいつもの年より観客が多い気がする。 球場に駆け付けてくれたファンの為にもホームゲームをしっかり勝たないと。

                   

 とにかく負けは負けだ。 負けた場合はいつも相手チームのバスを見送る事にしているので開放された内野席を通ってさっさと球場を出た。 三塁側を確認したところ、スワローズのチームバスはまだ球場にいる模様、私はいつもの場所である球場前のバス停で待機してスワローズのバスが来るのを待つ。 やがてバスが球場を出て、広島駅方面に向けて動き出した。 私はベルトの携帯ホルダーから電話を取り出していつもの報告をする...


「”エリカ様”申し訳ありません、仕立に失敗しました。 これより現場を離脱、撤退します。」

                   

 オリンピックもいよいよ一ヵ月後か。 プレーオフ進出争いを考えるとスワローズも青木選手と宮本選手を失うのは痛いだろうな。 それでもこれから起こるであろう世界的な野球界再編で日本が発言力を発揮する為には今度のオリンピックと来春のWBC第2回大会に勝って”野球日本代表”のブランド力を高めないといけないと私は思っています。 その為にもせめて2週間、シーズンを休止して欲しかったのですが... スワローズでは韓国代表の林投手がオリンピック辞退に止むなしに至った事もありますし。 林投手もオリンピックに出られなかったのは残念ですが、本人のコメントにもあった通り若い選手に託すしかないでしょう。 そして来年のWBCで”海外組”としての経験を今回のオリンピックを経験した若い選手に伝えれば良いのでは? とにかく...

「青木選手、宮本キャプテン、その時は日本を頼みます。」

                  

 家に帰り、ヤケ酒と言う訳でも無いが、飲み終えてしまった『極上吉乃川 特別純米酒』に続いて新しく買った『酔仙』の純米酒を飲みながら試合を振り返る。 今日の試合のポイントは高田監督がカープ戦に強いガイエル選手を外してまでもあえて起用した川島選手だと思った。 猛暑の中、打席で粘り犠牲フライや決勝点に繋がる出塁など、今日の勝利の貢献度大でした。 簡単にはアウトにならないと言うしぶとさはファイターズで厳しく教え込まれたものなのでしょう。 ファイターズから移って来られた高田監督が先発ローテーションを任せられる藤井投手を出してでも連れて来た選手です。 そこまでして高田監督がチームに持ち込みたかったのは”強豪チームのエッセンス”なのかも知れません。 川島選手の姿を見て、私はマーティー監督が赤松選手を重用している理由、カープにとって赤松選手の存在の意味も分かった気がします。

 高田監督を見て思い出したのはライオンズの黄金時代を実質上のGMとして築き上げられた根本さん(故人)がホークスに移って来た時の事で、GMとしてファイターズをリーグ連覇するチームへと育てあげた高田さんにもその姿が被って見えてしまいました。 スワローズは高田さんを呼んで、パソコンに例えるならOSを新しく代えたみたいな状態なのかも知れません。 ファイターズでの成功をモデルにこれからスワローズをどう変えて行かれるのか楽しみになりましたけど。

                    

 それと今日の増渕投手を見て思い出しましたが、WBCでは試合数の割に登録可能人数が多くて試合に出られない選手が今回も出るでしょう。 それならいっそ数人分を”若手補欠枠”として取っておき、その枠をスワローズの増渕投手や村中投手、カープの大竹投手、マリーンズの唐川投手、それに野手ではジャイアンツの坂本選手やファイターズの中田(翔)選手らで競わせればリーグに活気も出るし、将来の日本を託せる若手も育つと思っています。 酔いが回ったので『ゴルゴ13』と録画してある『コードギアス 反逆のルルーシュR2』でも見て寝よう...





                続く







                 キャスト



駿河守/ナレーター     管理人さん



燕の先発投手        増渕竜義(スワローズ投手)

鯉の先発投手        高橋建(カープ投手)



燕の若き主砲         畠山和洋(スワローズ内野手)

北の国から来た男      川島慶三(スワローズ内野手)

元・鯉の韋駄天         福地寿樹(スワローズ外野手)

燕のクローザー        林昌勇(スワローズ投手)

燕の大砲            A・ガイエル(スワローズ外野手)

日本の安打製造機      青木宣親(スワローズ外野手)

日本のキャプテン       宮本慎也(スワローズ内野手)



総一郎さん           天谷総一郎(カープ外野手)

鯉の狩人             赤松真人(カープ外野手)

鯉女房B             倉義和(カープ捕手)

鯉の安打製造機        東出輝裕(カープ内野手)

アレックス            A・オチョア(カープ外野手)

鯉の遊撃手           梵英心(カープ内野手)

サムライ前田          前田智徳(カープ外野手)

鯉の主砲            栗原健太(カープ内野手)

スライリー            ????(カープ公式マスコット)



スワローズファンの皆さん

カープファンの皆さん



燕の指揮官           高田繁(スワローズ監督)

マーティー監督          M・ブラウン(カープ監督)



エリカ様              ?????(女優)





                  スタッフ


製作               管理人さん

脚本               管理人さん

演出               管理人さん

音楽               無し

殺陣               管理人さん

美術               管理人さん

資料協力            週間ベースボール

撮影協力            広島市
                  広島市民球場
                  広島カープ球団
                  スワローズ球団
                  サロンシネマ
                  横川胡子神社

監督               管理人さん





 この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。

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