廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第拾話:本

2008-07-22 22:22:22 | Weblog
 名古屋旅行の二日目、私はいよいよドラゴンズと戦う為にナゴヤドームへと向かった。 あまりに暑いので日中に街を歩き回るのは避け、ネットカフェにいたりの地下街を散策したりしながら時間を過ごし、試合開始2時間前くらいになってから球場へと向かった。 この栄からナゴヤドームの最寄りであるナゴヤドーム前矢田駅までは地下鉄の名城線で乗り換え無しで行ける様だ。 この名城線は輪を描く様な形になっており、いわゆる環状線形式になっているのだろうか。 もっとも普通の環状線みたいにグルグルと回るのでは無いのかも知れないな。 行き先が表示された電車ばかり来るみたいだし。 乗ってみて路線図を見ると瑞穂運動場なる駅が見える。 ここは確かJリーグ一部・名古屋のホームスタジアムだったのでは。 だとすれば名古屋では野球もサッカーも地下鉄で行く習慣になっているのだろうか。

                      

 地下鉄に乗りながらふと周りを見ると、ナゴヤドームに向かっているからか、ドラゴンズのユニフォームや帽子など、いかにも野球ファンらしい人を見る事が出来た。 変な話だが今になって初めて敵チームの本拠地に来た実感を得られた気がする。 昨日、名古屋に来てから名古屋駅一帯をくまなく歩いたけど、名古屋駅にはドラゴンズの”ド”の字もJリーグ・グランパスの”グ”の字も感じる事は出来なかった。 最近、他地域から広島に来られた事がある人は気が付いたかも知れませんが、広島駅の中はお土産売り場や駅中コンビニなどあちこちでカープグッズが売られていて、駅に来てすぐにここがカープの本拠地だと感じる事が出来ます。 来年、広島駅近くに新球場が出来ると今以上にこの駅の”カープ色”が強くなる事でしょう。 サンフィレッチェのグッズなどが売られていないのが残念ですが、広島ビッグアーチへのシャトルバスが出ているJR横川駅ではサンフィレッチェ本拠地の雰囲気を味わえるかも知れませんね。

 ちょっと話が逸れましたが、要するに名古屋の街を見て歩いて感じたのは、街の中にドラゴンズを感じるものはほとんど無いと言う事です。 もっとも、広島だって以前は同じ様なもので、それが変わったのは2004年のプロ野球再編事件の時で、広島の地域全体で支援しなければ”市民球団”であるカープは潰れてしまうかも知れないと言う”危機感”が広島の街を変えました。 良くも悪くも名古屋でそんな事は無いでしょう、何故ならドラゴンズは常に”安全なところ”に居たからです、良くも悪くも... 2004年の球界再編騒動の時、今の12球団を10に、そしていずれは8球団まで減らすと言う話だったのだが、ドラゴンズはその8球団の中にしっかりと入っていたはずだし、今年になってある週刊誌がすっぱ抜いた12球団を6球団に減らして大リーグの傘下に入って”アジア地区”を作ると言う噂でもドラゴンズはしっかりその中に入っていました。

 ドラゴンズは中日新聞グループの子会社で、親会社が(宣伝の為に)資金を出してくれるからチーム強化予算も潤沢にあるので名古屋市や愛知県、地域のファンが支えなくたって球団は安泰です。 ”球界縮小再編構想”の中にもドラゴンズは常に入っていて潰される心配はありません。 今、ナゴヤドームに向かう地下鉄の中に居るとドラゴンズファンが多く居ると感じますけど、地域を挙げてドラゴンズを支えなくてはと言う雰囲気はここまでの名古屋の旅の中では感じる事が出来ませんでした。 別に地域が世話を焼かなくたって金がある中日新聞が何とかしてくれると思うでしょう。 予算の制約の中で厳しい球団運営をしているカープの事を考えると、ファンが球団の財政面を心配しないで済むのは何も悪い事ではありませんから。 それが良いのか悪いのか、今は何とも...


 地下鉄はナゴヤドーム前矢田駅に着いた。 プラットホームから階段を上がり、改札を通って”⇒ナゴヤドーム”と書かれた方向の出口へ向かう。 その出口に向かう地下鉄の通路にドラゴンズ球団の歴史や選手、コーチなど全員のバストアップ写真とプロファイルが飾られている。 この通路には『ドラゴンズロード』と愛称が付けられているみたいだ。 これは非常に面白いと思って素直に感心してしまいました。 地下鉄の駅から地上出口までの通路って味気無いを通り越して夜なんで怖いくらいだからな。 駅の出口から階段を上がった所に図書館があり、そこから真っ直ぐ進むと右手にイオンのショッピングモールがあって左手にナゴヤドームが見えました。 私は当日券を買っていよいよ球場入りです...

 チケットを持って入場ゲートへ行くと、噂通り持ち物検査をやっている。 缶やペットボトルは持ち込み禁止で中身はここで紙コップに移し変えるらしい。 テロ防止とか大義名分はあるだろうが、要するに場内の売店を保護する為にやっているのは見え見えだな。 私も既にこの事は知っているので手持ちのペットボトルの水をコップに入れてもらうか。 昨日、家を出る時に持って来た2リットル入りのミネラルウォーター、まだかなり残っていた。 大きな紙コップでギリギリ入ったけど係員が「何この人...」みたいな目で見ていたけど。 私はレフトスタンドのビジター優先応援席のチケットを買ったのだが、指定席らしく座る場所は好きに決められないみたいだな。 席を確保して売店を覗いてみた。 外野スタンドの裏はなかなか雰囲気の良い売店スペースだった。 値段を見ると意外な事にビール以外は普通の露店並みの値段だったので食べ物をちょっと買ってしまった。 後で喉が渇いたのでコーラも買った。 ビールだけあの値段は何とかならないものか... 名古屋の北、清洲市の辺りにビール会社の名古屋工場があったが、ビール会社からいわゆる販売促進費をもらって球場内のビールを安くするとか出来ないものか...

                     

 いよいよ試合開始だ。 グラウンドにチアガールが現れて試合前の高揚感を盛り上げてくれる。 私が名古屋まで来たお目当ての一つはこのチアガールなのだ。 カープは来年から広島駅前の新しい球場に移るが、新球場になったとファンが実感する為には新しいサービスをするべきで、他球団が既にやっているとは言え、この公式チアガールの導入は新球場を盛り上げてくれると思っています。 今やっている恒例のホームランガール制度を廃止し、チアガールがホームラン人形を選手に手渡したり、記録達成の時などに花束を渡したりしてその役割も引き継げば良いと思います。 それはともかく、チアガールも場内の大型ビジョンも全部ドラゴンズの応援だ、当たり前ですけど。 そして私の座っているレフトスタンドの一部を除いて周りは全部ドラゴンズファンだ。 このアウェーの雰囲気も特に重圧感は無く、新鮮でなかなか面白いものですね。 これだったらもっと早く来てみれば良かったと思った。

 ドラゴンズの先発は台湾代表チームにも名を連ねるチェン投手、カープの先発は大島投手...と、若手左腕同士の対戦になった。 大島投手は序盤こそ無失点で乗り切ったものの、ドラゴンズの打者に粘られて球筋を見切られてしまったのか二順目で捕まってしまい、更にリリーフした青木(高)投手が森野選手にホームランを打たれるなどして合計7失点、一方で打線は全く元気が無くまともなチャンスも作れないでただ無抵抗みたいに見える淡々とした展開で私も眠くなってしまいましたし、いくら勝ってもドラゴンズファンも退屈したのではないだろうか? 終わってみれば7-0の完敗でカープは7連敗となった。 いったいいつまで続くのだろうか、この連敗は... 明日の試合で長期ロードこそ終わるとは言え。

                     

 とにかく試合は終わってカープは負けた。 いつもなら負けた場合は敵チームのバスを見送って終わるのだが、ナゴヤドームの事は全然分からないから今日はここまま引き上げるとしよう、急いで栄まで戻ってカプセルホテルにチェックインしないといけない。 チェックインが16時からで、チケットを持っていなかったから宿舎の確保もせずに来ましたし。 とにかく報告をしてから引き上げるとしよう。 私はポケットから携帯を取り出す...

「”エリカ様”申し訳ありません、仕立に失敗しました。 これより現場を離脱、宿舎まで撤退します。」

                     

 私は帰りの地下鉄の中で試合を振り返った。 そう言えばオリンピックの代表チームにはドラゴンズから川上投手、岩瀬投手、森野選手、そして荒木選手が選ばれたのだったな。 井端選手は残念ながら選ばれなかった。 遊撃手ばかりではバランスが悪いので仕方が無いのでは。 オリンピックの本選でもWBCやアジア予選同様に二塁・西岡(マリーンズ)、遊撃、川崎(ホークス)の二遊間コンビが中心になるだろう。 私は日本一の二遊間コンビは荒木選手と井端選手だと思っています。 私は市民球場で二人が”内野安打”を凄過ぎるコンビプレーでアウトにする場面を生で見た事もあるのですから...でも今、日本代表チームの二遊間コンビはと聞かれれば迷わず西岡選手と川崎選手の名を挙げます。 いくら西岡選手が本職の二塁手では無くても。 何故なら二人にはWBCから北京五輪アジア予選と続いた国際試合の経験がふんだんに蓄積されているからです。 こればっかりはいくら日本一の二遊間コンビ・荒木選手と井端選手でも及びません...

 今思うと2006年のWBCの時、井端選手は痛めている個所の手術をするとしてあっさりと出場を辞退、荒木選手にも井口選手(現大リーグ・サンディエゴ)が辞退した時に声が掛かりましたがこちらも断りました。 同じく辞退を表明していたチームメイトの福留選手(現シカゴ・カブス)が松井選手(秀・ヤンキース)の辞退を受けて急遽参加し、韓国との準決勝でホームランを打つなど大活躍したのは記憶に新しいですが。 もしあの時二人がWBC出場を辞退していなければ、WBCは井口選手と井端選手、もしくは荒木選手と井端選手に、そして今回の北京五輪もこのドラゴンズの名二遊間コンビが務めていた可能性は十分にあります。 西岡選手と川崎選手の二遊間コンビは二塁手が居なくて経験のある西岡選手がとりあえず二塁をやったと言う”苦肉の策”だったのですから... 今のジャイアンツ・二岡選手がそうである様に、自分が休んでいる間に若い子に実績を作られてしまったらレギュラーを失います。 それは普通のチームでも代表チームでも同じ事ではないでしょうか。

                      

 失礼を承知で書きますが、荒木選手と井端選手は”日本一の二遊間コンビ”として功を成し、名を遂げて”守りに入って”しまったのではないかと思います。 別に二人に限らず、国内外多くの大物選手が未知の大会より通常のペナントレースを優先するとして出場を辞退しているのですから別に悪い事でも何でもありません。 ただ”日本一の二遊間コンビ”として実績のある二人が、国際試合においてはWBCでの世界制覇に貢献して日本代表チームの象徴的な存在にまでなった若い二人の後塵を拝する格好になったのは何とも複雑なところです。 あの時、荒木選手と井端選手が”守りに入らず”勇気を出して新しい領域に挑戦していればプロ野球の歴史は変わっていたかも...

 新聞のコメントなどを見ると、荒木選手は代走や守備固め、ここと言う場面での代打バント要員になるのではと書かれていますが、それはどうでしょうか? 星野監督は解説者としてアテネオリンピックでの代表チームの戦いを全部見て”敗因”を色々と挙げています。 その中の一つとして同じ選手を予選7試合ずっと出ずっぱりにして疲労を蓄積させ、肝心の準決勝で力を発揮出来なくて”格下”のオーストラリアに負けてしまいました。 西岡選手と川崎選手にも適度な休養を取らせないといけないが、だからと言って負ける訳にはいかない。 遊撃手は他に宮本選手(スワローズ)と中島選手(ライオンズ)がおります。 じゃあ二塁手は...そう、荒木選手も大きな役割を期待されて呼ばれていると言う事です。 だから、その時は日本を頼みます。 西岡選手と川崎選手に対しても複雑な気持ちはあるでしょうが、「自分が年上なんだし、気軽に頼ってくれていい。 一緒にやろう。」で良いのではないでしょうか。

                      

 ”日本一の二遊間コンビ”こと荒木選手と井端選手にも欠点が一つあります。 それは二人がカープ戦に強過ぎる事です。 カープ戦は打率一割で良いので”どこかの球団”やジャイアンツとの対戦で打ちまくってくれれば私も二人が”世界一の二遊間コンビ”と評価を高めると思います。 ドラゴンズ戦は今季もう一度行く予定なのでその時は私にもカープの勝利を堪能させて頂きたいものです。





                 続く







                 キャスト



駿河守/ナレーター     管理人さん




竜の先発投手・チェン     陳偉殷(ドラゴンズ投手)

鯉の先発投手         大島崇行(カープ投手)



竜の斬り込み隊長      荒木雅博(ドラゴンズ内野手)

竜の好打者          井端弘和(ドラゴンズ内野手)

竜の万能選手         森野将彦(ドラゴンズ内野手)

中村ノリ            中村紀洋(ドラゴンズ内野手)

獅子から来た男        和田一浩(ドラゴンズ外野手)

竜の正捕手          谷繁元信(ドラゴンズ捕手)

竜の大ベテラン        立浪和義(ドラゴンズ内野手)

竜の主砲            T・ウッズ(ドラゴンズ内野手)

ドアラ              ????(ドラゴンズ公式マスコット)



鯉の先発投手候補      青木高広(カープ投手)

鯉の二塁手          東出輝裕(カープ内野手)

鯉の遊撃手          小窪哲也(カープ内野手)

鯉のガッツマン        天谷宗一郎(カープ外野手)

鯉の狩人           赤松真人(カープ外野手)

アレックス           A・オチョア(カープ外野手)

赤ゴジラ            嶋重宣(カープ外野手)

鯉女房A            石原慶幸(カープ捕手)

サムライ前田         前田智徳(カープ外野手)

鯉の主砲            栗原健太(カープ内野手)



ドラゴンズファンの皆さん

カープファンの皆さん



オレ竜の指揮官       落合博満(ドラゴンズ監督)

マーティー監督        M・ブラウン(カープ監督)





エリカ様            ?????(女優)





                 スタッフ


製作              管理人さん

脚本              管理人さん

演出              管理人さん

音楽              無し

殺陣              管理人さん

美術              管理人さん

資料協力           週間ベースボール

撮影協力           名古屋市
                 ナゴヤドーム
                 ドラゴンズ球団
                 広島カープ球団
                 熱田神宮
                 JR西日本
                 JR東海



監督              管理人さん





 この物語は一部フィクションであり、実在する人物、団体、地域とは関係無い...ところが含まれております。


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