早く父に、10万円の服をプレゼントしたいんだがな。父は苦労してきたから、せめて私だけは労わってあげたい。
父が42歳で死に、恩給も無く、母子家庭の四男として産まれ、食料事情に厳しくミルクも無く、母乳も出ず、貰えず、柿の葉と皮を煎じて飲まされて居た。日本の母子家庭は最貧民の最下層である。 しかも、子沢山では想像に余るほど。
そして、前から入退院を繰り返して居た祖父。故に祖父の事は殆んど知らない。2回目以降行っていた間には柱に紐で縛り付けられて居たらしい。それ故、父は縛り付けられて居る記憶しか無いらしい・・。
そして、母に裏切られ、屈辱を受ける。
そういう人間的に問題がある人でも結婚したのは、子供ながらに見ると、其処には父が幼い頃より憧れた風景が其処にはあったからだろうう。
父は確かに、男性像を確立は出来なかったのだろう。
父が涙ぐみ、涙を流し崩れ去る。。
昔から感じたであろう、一人で残された淋しさ。
父は勉強したかった。しかし、お金も無く、恐らく意味も無かったんじゃ無いだろうか。それが10回以上転職を繰り返した理由だろう。
幸い、時代がそれを許容し赦されて居たのが救いだった。