植物の記憶力と判断力

鹿沼市の花木センター駐車場に車を入れると、池に睡蓮が広がっていました。本能的に日陰を探したくなる暑い日。

スイレンとは未草（ひつじぐさ）と覚えていましたが、在来種の未草は沼沢地に自生し、径５センチほどの清楚な白花を付けるそうです。

その花は未の刻（ひつじのこく）、午後二時頃に咲くので未草といわれます。一度は本物を見てみたいですが、叶いませんね。

一方睡蓮は、朝から開いていますので、午後二時と特に関係ないようです (´0ノ｀*)


　　睡蓮の水に二時の日三時の日　後藤比奈夫


この句は美しい上にインパクトが強くて好きですが↑それは「二時の日三時の日」で、未草の開花時刻を織り込んでいると思われるからです。私の勝手な解釈・・間違っているかもしれません、その時はお許しください。











さて、花はどうやって開花の時期を知るのでしょう。今年は特に、春先に気温の激しい上下が何度も続いていましたし、いつも不思議に思っていましたこと。

新聞に面白い記事が載っていましたよ。京都大や北海道大のチームがこの不思議を突き止め、6/7付けの米アカデミー紀要電子版に発表したそうです。

チームはアブラナ科のハクサンハタザオを、ニ年間自然環境下で観察。一週間おきに葉を採取し「AhgFLC」という、開花を抑える遺伝子の働き方を調べていました。

すると、低温状態を十分に経験すると遺伝子の働きが下がり、開花してきます。気温が上がると開花が停止。遺伝子の働き方を分析してみると、過去約六週間の気温をもとに、自ら開花時期を調整していたようです。

気温の一時的な上下はあやまたず誤差として処理、一定期間の気温をしっかり「記憶」、遺伝子の働きを微調整、そして開花してもＯＫ！と判断した時に咲くのですかしら・・。

今までは開花を決める遺伝子が、自然環境下でどのように機能するのかは分っていなかったといいます。まったく自然界というのは。。驚きに満ちていますね。



　　　　　　


　　　　　　こちらも駐車場近くに咲いていたヤマボウシ（山法師）です↑





山法師のピンクは写真に撮ったことがなかったので↑記念に♪ちなみに名前はベニバナヤマボウシ（紅花山法師）と、こちらはディックさんより～



　　　　　　



　　　　　　＜おまけ＞帰りがけに見たカリフォルニア・ポピー↓和名は花菱草