たまーに購入する新潮。今号は三島由紀夫特集ならば読まねばならぬ、と買いました。
表紙をみてわかるように、多彩な執筆陣。三島に縁がある人もない人も、三島を好きな人も嫌いな人も交じっていて、かなり読み応えがありました。
冒頭の平野啓一郎の[三島由紀夫の絶望の先へ]は、白百合大学での講演を文字起こししたもの。平野啓一郎の考え方がわかりやすく伝わって、これが一番面白かった。
井上隆文の[『金閣寺』担当編集者の葛藤]は、三島に一番近い編集者といえる菅原國隆への書簡を中心に、往時の三島の思考と編集者との関連を論考しています。最近に見つかった書簡、金閣寺の原案(こちらのブログに新聞画像があります)についても触れられています。
上の2篇を読めただけでも、この号を買った価値がありました。
その他は、[三島由紀夫への手紙]と[三島由紀夫の文]という構成。手紙は、九段理恵のがよかった、あんな手紙をもし自分がもらったら嬉し泣きするかも。[三島由紀夫の文]は、なるほどみなさん、いろんな文が印象に残っていたり、思い出があったりするんだなー、と感心。
昨年は、安部公房生誕100周年特集(下の画像)を読んだのですが、今号の特集の方が良かった。
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