2月12日は西風が強くて釣りに出られず。
家でぼんやりしながら日本釣具新報を読んでいると、片隅に上の写真のような記事を見つけました。
東京湾、相模湾でマダイの種苗放流を行っていることは、マダイオヤジなら知っていることと思いますが、シマノの寄付金がこの15年で2000万円近くになったとのこと。
なかなかここまで継続できるものではないですね。
ニュースソースは「さいばいニュース」とのこと。
こちらが、さいばいニュースの最新号。
ネット上でPDFで読むことができますよ。→ http://www.kanagawa-sfa.or.jp/saibainews105.pdf
このように、釣具メーカーではシマノだけが、神奈川県栽培漁業協会へ寄付を続けています。
もう16年の長きに渡ってこれだけの寄付をしているのですね。
これを機会に、マダイの放流状況をちょっと調べてみました。
まず、どんくらい費用が掛かっているかなんですが、神奈川県栽培漁業協会の出している
放流協力金のH28年度実績が次のPDFで見られます。
http://www.kanagawa-sfa.or.jp/h28madai.pdf
松輪や久里浜、八景などの組合から寄付金がでていますが、それらは70万~100万。
全体で438万円で、そのうち1/4近い100万円がシマノからの寄付になっています。
シマノからの寄付はかなり高い割合だと思います。
東京湾でマダイ釣りする人は、シマノ様に足向けて寝られないですね(^^)
ここで協力金という文字を見て、「あぁ、そういえば」と思い出した人はジジイ、もとい、ベテランです。
東京湾、相模湾のマダイ種苗放流の歴史は古く、もう40年前から行われています。
放流にかかる費用は、受益者負担ということで、漁業組合からの負担金や遊漁船からの協力金でまかなっていました。
上図は2011年発行のマダイ栽培漁業の課題資料(PDF)からの抜粋で、マダイ捕獲の75%は遊漁によるものです。つまり、放流事業の一番の受益者は釣り人なんです。
放流事業のコストが足りなくなり、釣り人からも協力金を募りはじめたのは今から17年前、2001年のことでした。その頃にマダイ釣りをやっていた人は、船宿に募金箱みたいな箱が置いてあるのを見たことがあると思います。
そこには、一人200円のマダイ放流協力金をお願いします、と書いてあったはずです。
この協力金は強制ではなく任意だったのですが、マダイ船に乗る人はほとんどの人が払っていました。中には「今日は大漁だったから」と千円札を入れて帰るオヤジなんかもいて、なかなか微笑ましいものでした。
しかし、いつの間にか釣り人から協力金を募る活動は下火になってしまいました。
私もこのエントリーを書く前にはすっかり忘れてましたから^^;
(もしかしたら、私が知らないだけで、今でもやっている宿はあるのかもしれませんが)
上記の、さいばいニュースによれば、今後はコストの関係で放流事業が縮小の可能性があると書かれています。
東京湾、相模湾で永くマダイ釣りを楽しむためには、いまいちど受益者(=釣り人)負担の観点から、放流コストの見直しや新たな課金システムの構築が必要な時期にきているのかもしれません。
今回は神奈川県を例にとりましたが、千葉県、静岡県でもマダイやヒラメの種苗放流は行われており、放流コストについては共通の課題を持っていると思います。
と、日本釣具新報の小さな記事を発端に、ちょっと考えさせられた祝日となりました。
放流分はチケット制にするとか、ちょっとお金の流れを明瞭化するのがいいでしょう。それか、ライフジャケットを限定するなら、そういったバリューチェーンに組み込んでほしい。こう言うのは業界が積極的になってくれないと、釣りファンの頑張りではどうにも。。。
釣れなかったから協力金払いたくないとか、アジ船の外道にマダイが釣れたらどうすんだとか言う人がいてまとまらなかったんじゃなかったけ^^;
ライジャケのバリューチェーンは資源保護とまったく関係ないのでムリでしょう。
放流事業に大きな利権を発生させれば、水産庁だけでなくいろいろな官庁が動いて放流しまくら千代子になるかも。