居心地

相棒のワンコとの暮らしの風景
他愛ない日常のあれやこれ

老親を棄てられますか

2008年03月18日 | 
著者 門野晴子
講談社文庫


四人の親の介護は誰がどのように面倒を看るのか?

しかもそれが遠距離であった場合
もしくは末期ガンの場合
あるいは在宅の場合...

実の親だからこその葛藤や
義理故に湧き出でるどす黒い感情

舅の介護から解放されるには離婚しかないのか?
覚悟の離婚をしたにも拘わらず後を追って来た舅
人間対人間としてエネルギッシュに向き合う著者の実体験

嫁だから長女だからの家制度に抗えず
自分自身の生活を犠牲にせざるを得ない
そんな女性のなんと多い事か。
この著は10年前に書かれたものだが
決して古く感じない。
果たして10年後の今、目を見張るような改革はあったのか?

この本に書かれているのは老人の介護に関する事ばかりではない。
頭で判っているはずの“子離れ”の苦しさも綴られている

門野晴子と言えば『PTAとケツを捲って戦う女』のイメージだった
当時よちよち新米PTAだった私は
「そんな見方もあるのか!」と衝撃を受けた

介護においても彼女のバイタリティーは健在であった...



幸か不幸か私の両親はすでに身罷っている
在宅看護の経験がないのでその心労たるや推しはかるのみである。
突然死のように倒れ亡くなった父と
ホスピスで生の残り時間を日めくりをめくるが如く逝った母
東京~北海道を航空回数券で往復した日々などが思い起こされる

今の状況で義理の両親に何か起こった時
自分はどう対処するのだろう

心に波紋が広がる一冊である。



今まさに両親の介護に奔走している友からのお薦め本
コメント (4)
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