我が家の地区で計画停電が実施されたのは夜だった。
幸い姫らも早めの帰宅となったので夕食も6時までに済ませた。
停電により断水にもなるので水も汲み置き確保。
懐中電灯、ラジオ、携帯の充電もOK。
さぁ、どんと来い、計画停電!
何度となく実施が見送られていたが今回は消防車が町内をくまなく走り
計画停電をアナウンスして廻る。
カウントダウンよろしく姫達とその時を待つ。
「バン!」と街中の電気が消えた。
家も街もこんなに静かだったのかと思い知る。
本来の夜を取り戻したかの様に。
街は薄暗い情景から徐々に本物の夜になる。
始めのうちこそ変に高揚していた三人だが段々手持無沙汰になってくる。
何となく手にした携帯電話を開けると痛いくらいに眩しい画面。
姫達がmixi やTwitterで見つけたちょっと良い話を読みだした。
我々は被災された方々の何かしらのお手伝いの一環として
限られた時間の停電に参加しているにすぎないが
この姫らの読み上げる良い話がじんわり心に沁みるのだ。
確固たる信念は持ち合わせていないので散々エコだのなんだの言われても
今までした事は所詮、真似ごとに過ぎないフリだった。
連日報道される画面の向こう側の方達は
これ以上出来ない位の我慢に我慢を強いられて
それでも耐え忍んでいる。
そんな姿に初めて気持ちのスイッチが入るグズグズな奴なのだ。私は。
始まった事はいつか終わる。
起った事はいつか修まる。
そう信じている。
携わるすべての方々のご無事と健康をお祈りいたします