公助の限界は、住宅は私有財産であり自分が守るのは当然という基本的な考え方から成り立っている。確かに、家が古くなったから建替える、またはリフォームする場合には公的機関から資金援助されることもないし、せいぜい自己資金が足りなければ公的・民間の金融機関から借入するのが当たり前となっている。これらすべてが自助で行うことになる。
火災になった場合、水害になった場合にはどうか。預金、株式、債券等の自己資産が豊富であれば自己資金で建替えとなり、火災保険・共済に加入していれば保険金・共済金がおりて建替え費用に充当される。これも当然自助である。日頃から保険料というコストを払い続けて被災した場合に初めて保険金・共済金を手にし「入っていてよかった!」と実感する。今回の損保不祥事においては自動車保険等の万一の支払いが不払いになったり、火災保険料を我々契約者から長年多く徴収していたりと本来の保険機能が果たせていなかった。我々契約者が泣き寝入りしていた可能性があるが、保険という安心サービスを買うために今後も我々は保険料というコストを払い続けなければならない。そのためにも行政は契約者の立場にたって取り締まり、厳しい態度で処分すべきと思っている。
今回の平成19年能登半島地震により、地震保険、リスタ、JA建物更生共済、全労災等に加入していれば保険金・共済金を手にし生活再建、住宅再建できる目処がたったことであろうが、残念ながら加入している人はそう多くはなかったようだ。現在リスタを販売する日本震災パートナーズ(株)においては、石川県で引受制限を実施しているようだ。パートナーズ社のホームページで見積もりをすると、石川県を選択すると次のメッセージが表示される。
《お見積もりできません。 |
現在、お客様のお住まいの地域で引受制限を実施しております。この引受制限は、 ①お客様のお住まいの地域で大地震が発生したため、もしくは、 ②すでに多数のお客様にご契約いただき弊社の定める保有契約数の限度に達しているため、 ご契約者様保護の観点から実施しております。 以上の結果がコメント表示される。 自助を考える上で、いざという時の保険は平時から加入していなければならない当たり前の掟であり、まだ余震が続いている石川県で保険に入れないのは当然である。もし保険を引受け即座に保険金を支払っているようなら、またまた不祥事になるのではないだろうか。
平時からの経済的自助努力として、住宅ローンを組んでいる我々小市民にとってはきついが、自然災害に備えた防災預金、地震保険等の各種保険の加入を行うことが将来の経済的負担の軽減につながり、将来の負債を背負わなくてすむ可能性があるのではないだろうか。
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