週末の2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震により、金融・証券市場はその後の断続的な誘発地震、大規模な余震も重なり不安な動きを示した。
地震直後から金融・証券市場は停電の被害もなく取引は再開し、株式市場は下落し取引を終え、外国為替相場は円が直後に売られたがすぐに日本勢の換金売りの思惑が働き、円買いが進行した。債券市場は質への逃避と日銀の金融政策実施の可能性から買いが入った。
これまで、東京に大地震が発生したときには株式、為替、債券のトリプル安との予想をする一般・一部の機関投資家が存在していた一方、多くの機関投資家が予測していたシナリオの範囲内での今回の動きではなかったろうか。
今回の政府、日銀、金融・証券市場の関係者により金融システムが断絶することなくBCP計画に基づく大震災時でも事業継続できたことは教訓でもあり、次期首都直下地震時でも取り組んでほしい。
震災後の時間の経過とともに想定外の原発事故が日本経済の先行き懸念を増幅させ、また、政治の混迷により被災地の復興が進まない状況が、金融・証券市場の現状の動きとなっていた。野田新政権により増税の動きが加速し、財政再建の一歩が踏み出せるかが今後の債券、株式市場にあらわれてくる。