愛人を持ちすぎたことが
いけないのですか?
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『伊勢物語』の六十三段に「つくも髪」と言うエピソードがあるんです。
どういうお話ですの?
白寿を迎えた老婆、つまり99歳の老婆ですよ。その人が息子三人を呼んで冥土の土産にめくるめく思いがしたい、と言ったのですよ。レンゲさんがその年まで生きられたとしたら、おそらく同じ事を言うだろうと僕は思いますね。へへへへ。。。。
その下卑(げび)た笑いを浮かべて、あたしをからかいたいのですか?さっきのお返しですか?。。。それで、息子たちは何と返事したのですか?
上の2人はその歳でとんでもない、と母親を諌(いさ)めたんですよ。でも、下の親孝行の息子は何とか願いを叶えてやりたいと在原業平に頼んだんです。
在原業平と言うのは、あの史上有名なプレイボーイの事ですか?
確かに俗説では3373人の女性と交わった事になっていますからね。そういう印象を持たれても仕方がないでしょうね。井原西鶴の『好色一代男』の世之介が3743人の女性と媾合(まぐあ)ったことになっていますよ。だから、日本史の中でも歴代のプレイボーイには違いないです。でもね、平安時代の有名な歌人、六歌仙(僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大伴黒主)の中に入っているんですよ。つまり、当時の一流の文化人の一人です。
その業平さんが、この99歳の老婆と媾合(まぐあ)ったのですか?
そうなんですよ。レンゲさんのように愛と性を女の幸せと考えて終生追求して惜しまなかったこの老婆の夢を、業平さんは叶えてあげたんですよ。
99歳の女性がその年まで生きながらえてエッチしてあの世に逝ったなんて考えられませんわ。
おそらく誰もが信じようとしないでしょうね。でも、僕が報道されたニュース記事を引用せずにですよ、66歳の女性が赤ちゃんを産んだと言っても、おそらく誰も信じないでしょうね。
つまり、デンマンさんは、99歳の女性が実際にエッチして満ちたりた気持ちであの世にイッたと言う事を史的事実として認めているのですか?
いや、そう言うつもりではないですよ。99歳の女性がエッチしたか、しなかったか?はどうでもいいんですよ。そのような話が時代を越えて現在にまで語り継がれてきたと言う事が重要ですよ。つまり、人間はいくつになっても愛と性は重要なテーマだと、文化的に芸術的に考えていた人が居たという事が重要な事ですよ。だから僕はレンゲさんが愛と性にこだわって、清水君と毎朝、毎晩愛し合っている事がすばらしい事だと思っているわけですよ。
いいえ、そのように言いつつ心のどこかでデンマンさんはあたしを軽蔑していますわ。
『いつまで愛し合い、求め合うことが出来るのでしょうか?』より
それで、レンゲさん、夕べは清水君と何度愛し合ったのですか?
デンマンさん、もう、いい加減にしてくださいなぁ~。。。そういう質問には、もう答えたくありませんわ。この記事を読んでいる人だって、きっとうんざりしていますわ。デンマンさんはしつこいんですよ。
僕は確かにしつこいかも知れませんよ。しかしですよ、僕のしつこさよりも、レンゲさんと清水君のしつこさの方が、もっとどぎついと思いますよ。とにかく、毎朝、毎晩でしょう?。。。どうなんですか?へへへ。。。
ホラ。。。デンマンさん、。。。そのイヤらしい笑い。。。何とかなりませんの?
これは僕のトレードマークですからね。止めるわけにはゆきませんよ。
分かりましたわ。とにかく、あたしと洋ちゃんが何度愛し合おうとデンマンさんには関わりのないことですわ。
ところで、今朝、レンゲさんは鏡を見ましたか?
見ましたわ。
だったら、今日も目の下にクマができているのが分かっていますよね?
これはクマではありません。アイシャドーですわ。
ちがいますよ。アイシャドーならもっと青味がかっているというか、紫がかっているというか。。。でも、レンゲさんの目の下の色は濃い黄銅色ですよ。
だからあああ~~、こういう色のアイシャドーができたんですわ。
つまり、レンゲさんの目の下にできているクマとほぼ同じ色のアイシャドーを買ってきたわけですか?
それって、悪い冗談を通り越して、嫌がらせですよね。そのようなことを言うことってセクハラだと思うのですけれど。。。
僕は、レンゲさんが過労死するのじゃないかと、本当に心配しているんですよ。
デンマンさんは大げさですわ。デンマンさんのような人が腹上死した、というのは聞いたことがありますけれど。。。うふふふふ。。。
どうして僕が腹上死しなければならないんですか?
とにかく、女性が“腹下死”したなんて聞いたことがありませんわ。
だから、レンゲさんが、その第一号になるかも知れませんよ。もし、そうなったら、ギネスブックに載りますよね。うへへへへ。。。。
デンマンさん、いい加減にしてくださいな。この話をこれ以上続けるなら、あたし帰らせてもらいますわ。
ちょっと、待ってくださいよ。。。分かりましたよ。帰られては困るから、もう、この話はしませんよ。
それで、今日は何をお話しになるのですか?
冒頭に引用したエピソードを読めば分かるでしょう。在原業平について話したいんですよ。
平安時代のプレーボーイがどうしたというのですか?
僕は在原業平という人はレンゲさんと同じ境界性人格障害を患っていたのではないかと思っているんですよ。
そういう障害は平安時代にはなかったのでしょう?
“境界性人格障害”という言葉はなかったでしょう。でも、障害そのものは、ずっと昔からあったんですよ。つい最近まで、それが認められていなかったというだけですよ。
デンマンさんは、なぜ、そのように思ったのですか?
俗説では、在原業平は3373人の女性と交わった事になっていますよ。仮に1週間ごとに違った女性と媾合(まぐあ)ったとします。そうすると、3373人の女性すべてと媾合(まぐあ)うためには3373週間必要になりますよね。1年は52週ですからね。52で割ると64.8年ですよ。15歳から始めたとして、この恋愛遍歴が終わりを告げるのは80歳になった年ですよ。大変なことですよね。
まさか、デンマンさんは、それが史実だったとは思っていないでしょう?
史実ではなかったと思いますよ。ちょっと次のプレイボーイの略歴を見てください。
在原業平(ありわらのなりひら)
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生年: 天長2年(825年)
没年: 元慶4年5月28日(880年7月9日)
父は平城天皇の皇子の阿保(あぼ)親王。
母の伊都内親王は桓武天皇の皇女で、業平は桓武天皇の孫にあたる。
平安時代初期の歌人であり、六歌仙、三十六歌仙のひとり。
『古今和歌集』に30首が入集されている。
また伊勢物語の主人公とみなされる。
臣籍降下して兄行平らとともに在原氏を名乗る。
別称の“在五中将”は在原氏の五男で従五位上、右近衛権中将であったことからくる。
仁明天皇の蔵人となり、849年(嘉祥2年)従五位下に進むが、文徳天皇の代になると13年に渡って昇進がとまり不遇な時期を過ごした。
清和天皇のもとで再び昇進し、従五位上に序せられ、右馬頭、右近衛権中将、蔵人頭に進んだ。
惟喬親王の従妹である紀有常女を妻とし、紀氏と交流があった。
子に棟梁、滋春、孫に棟梁の子・元方がありみな歌人として知られる。
文徳天皇の皇子惟喬親王に仕え、和歌を奉りなどした。
業平は『日本三代実録』には「体貌閑麗」とされ、美男の代名詞のようにいわれる。
早くから『伊勢物語』の主人公と同一視され、伊勢物語には中、二条后こと藤原高子や伊勢斎宮などとの禁忌の恋が語られる。
【出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
すぐに分かることだけれど、在原業平は55歳で亡くなっているんですよ。だからね、とても3373人の女性とは無理ですよ。僕の上の計算を基にして言うなら、せいぜい2080人までですよ。
でも、1週間に一人ではなく、1日に一人だとしたら。。。?
それは史実的ではないですよ。平安時代というのは男が女の元へ忍んで行くんですよ。媾合(まぐあ)うまでには、それなりの手順を踏むわけですよ。和歌を作ってお互いにやり取りしたりするんです。けっこう、手間ひまかけてデイトするわけですよ。初対面の女性とその日のうちに媾合(まぐあ)うわけではないんですよ。僕は上の計算で1週間としたけれども、それでも早すぎるほどですよ。
そうでしょうか?
そうですよ。レンゲさんの恋愛遍歴が僕のこれまでに知り合った女性の中では一番変化に富んで、スピーディーなんですよ。でもね、恋愛の手練手管(てれんてくだ)にすっかり馴染んでいるレンゲさんでも、二人の男性と深い仲になって目の下にクマができるほど愛し合うのに、去年の9月から今年の3月まで、足掛け7ヶ月がかかっているわけですよ。。。。つうことわあああ。。。一人当たり、およそ3ヶ月必要なわけですよ。しかし、僕にとって初対面の人と会ってから3ヶ月で肉体関係になるなんて、どう考えても早すぎるんですよ。
そうでしょうか?
平均的な女性は、もう少しじっくりと男と付き合ってから、やっと身を任せるものですよ。
そうなのですか?。。。それで、デンマンさんは奥様とはどうでしたの?
直美は京都の旧家の出なんですよ。だから、しきたりの厳しい躾(しつけ)を受けてきたんですよ。そういうわけで、男女関係でも古風なところがあるというか、封建的というか、伝統的というか、。。。とにかく、僕はじらされましたよ。
だから、どうだったんですの?
キスさえ、なかなかさせてくれませんでしたよ。
それで、あちらの方は。。。?
結婚式を挙げるまでお預けだったですよ。
うっそぉ~。。。つうことわあああ。。。それまで一度もなさらなかったという事ですの?
もちろんですよ。僕の従妹が直美を紹介してくれたのだけれど、付き合い始めてから3年が経っていましたよ。
それって、マジですか?
八幡様に誓ってマジですよ。
なんだか作り話のような。。。
レンゲさんね、普通、男女関係というものは恋愛関係から出発するんじゃないんですよ。初めは知り合い程度から始まって、それからお互いに気に入って友達関係になって、それから相手のことに魅力を感じ、性格的にも性的にも惹きつけられるんものを感じて恋愛関係に移行してゆくんですよ。2ヶ月や3ヶ月のプロセスじゃないんですよ。2年から3年というのはざらですよ。僕の知り合いには5年から10年という人だって居ますよ。
まさかぁ~。。。?
レンゲさんや在原業平の世界が、平均的な人にとっては異質の世界なんですよ。レンゲさんの愛と性の世界は次のようなものだったんですよ。
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。。。
あなたにとって大学生活は慢性的な空虚感と退屈さが伴っていたんですよね。少なくともホステスの生活の方が楽しかったんですよ。楽しいという言葉が適切でないなら、レンゲさんの求めているものは、大学生活よりもホステス生活の方にたくさん見出すことが出来たんですよ。
あたしの求めているもの?。。。それは何ですか?
“幼児的なふれあい”ですよ。
レンゲさんがホステス時代に“お客リスト”を作っていた。レンゲさんはクラブ・オアシスで働いていた30人の女性のうちでナンバーワンになったんですからね。レンゲさんがマジメに一生懸命ホステス業に励んでいたことが僕は理解できましたよ。どんな職業でもそうですが、トップになるためには、それなりの努力が必要ですよ。実際、“ちゃらちゃらして”いたら、ナンバーワンにはなれなかったと思いますよ。
。。。
“セックスから愛が生まれることもあります”と言ったんですよ。覚えているでしょう?
セックスから愛が生まれる事は、極めてまれにはあるかもしれません。でも、普通は逆ですよ。愛し合っている男と女がやがて結ばれる。そう思いませんか?ただし、レンゲさんが“セックスから愛が生まれる”事を体験したと言う事は僕には理解できますよ。でも、その愛はレンゲさんが求めていた愛ではなかったようですよね。
本当の愛を見つけていたなら、レンゲさんはベターハーフを見つけていたでしょう。でも、人生の伴侶をいまだに見つけていないですからね。しかも、レンゲさんは求めている愛を見つけることが出来そうにないと思ったから、ホステスの世界からきれいに足を洗ったんですよ。2度と戻らなかった。これからもレンゲさんは戻らないと思いますよ。
本当の愛があることをレンゲさんは信じている。信じきれないまでも信じようとしているレンゲさんが居る。しかし信じたいにもかかわらず、レンゲさんの目の前に現れる愛は、理想とする「愛の形」からはあまりにもかけ離れている。それでレンゲさんは絶望を感じないわけには行かない。これ以上どうにも出来ない愛に無力感を覚える。レンゲさんがホステスを辞めたのは、この事が真の理由だと僕は思っていますよ。
やはり、セックスから愛は生まれませんか?
だから、そういうことも極めてまれにはあるでしょう。でもね、これだけはハッキリ言えますよ。クラブに行く男たちは、そこで愛を探そうとしているわけではないんですよ。女の子と遊ぶために行くんですよ。だから、そこで仮に求める女の子を男が“釣った”としても、釣った魚にエサをやるようなことはしないものですよ。
遊びだけが目的だと言うのですね。
僕はそう思いますよ。レンゲさんだって、そう思ったからこそ、馬鹿馬鹿しくなって、ホステス業を廃業にしたはずでしょう?
分かりますか?
レンゲさんは頑張り屋の性格ですからね、ホステス業が本当にすばらしいと思うなら、あなたは自分のクラブを立ち上げる事の出来る人ですよ。しかし、あなたは結局、ホステス業を廃業した。大学にも戻らなかった。何をしたか。。。?ホステス時代の関係を引きずってしまったんですよ。
何もかもご破算にすることなんて出来ませんわ。
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でも、椎名さんは可哀想な人なんですよ。
あなたと同様、不幸な家庭に育った。だから、同病相哀(あいあわ)れむような関係だったんですよね。でもね、レンゲさん自身が溺れようとしていたんですよ。そのレンゲさんが溺れかけていた椎名さんを助けようとした。それがレンゲさんの感じていた“愛”だった。しかし、溺れかけていた人が溺れようとしている人を助けようとして、結果的に二人とも溺れてゆく。僕にはそのように見えましたよ。
つまり、“不毛の愛”ですか?
。。。
デンマンさんは、あたしの事を誰よりも良く理解している。でも、それでいてあたしを愛してくれませんよね。どうしてですの?
レンゲさんが言う“愛している” “男と女が理解しあう” と言うことには “関係を結ぶ” と言うことが当然のように含まれている。でも、あなたはね、一度の関係では終わらないタイプなんですよ。だから、あなたが求めるような愛に、僕はのめり込むことは出来ないんですよ。溺れるものを助けるために溺れてどうします?ミイラ取りがミイラになってしまってはお笑いモノですよ!
『とこしえの愛って。。。 』より
分かるでしょう、レンゲさん?。。。レンゲさんが“クラブ・オアシス”で過ごした愛と性の世界というのは一般的な女性の日常の世界とはかけ離れたものなんですよ。おそらく在原業平の世界も、その当時の一般的な男の世界とはかけ離れたものだったはずですよ。
あたしが平均的な女性とは異質な愛と性の世界に居たというのですか?
そうですよ。僕はレンゲさんの“愛の手帳”を見せてもらって、しみじみとそう思いましたよ。
うっそぉ~。。。あたし誰にも見せたことはないんですよ。
レンゲさんは、また忘れてしまったんですかぁ~?境界性人格障害者は記憶を喪失することがあると書いてありましたが、確かにそうらしいですよね。
いつのことですか?
だから、バンクーバーの僕のマンションに居た時ですよ。“それほど見たいのなら見せてあげますわ”と言ってレンゲさんは僕に見せてくれたんですよ。
あらっ、見てしまったんですの?
だって、見せてくれたんだから、見ますよ。
それで、どこまでご覧になったのですか?