プロメテウスの第2の火(PART 1)
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デンマンさん。。。どうして急に「プロメテウス」などを持ち出してきたのでござ~♪~ますか?
あのねぇ~、昨日、バンクーバー図書館で次の4冊の本を借りたのですよ。
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番号のふってある4冊でござ~♪~ますか?
その通りです。
つまり、3番の『プロメテウスの罠』を読んだのでござ~すわね!?。。。それで、そのタイトルをもじって「プロメテウスの第2の火」としたのですね!?
あれっ。。。卑弥子さんは見かけによらず、頭がいいんですねぇ~。。。うへへへへへ。。。
下卑た笑いを浮かべないでくださいなァ。 これでも京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義している橘卑弥子・准教授なのですから。。。んもおお~~。。。デンマンさんは昨日借りたとおっしゃいましたけれど夕べ読んだのでござ~ますか?
そうですよ。。。夕べ午後8時に読み始めて今朝の午前4時までかかって『プロメテウスの罠』を読んだのですよ。
それで急にこの記事を書きたくなって国際電話であたくしを呼び出したのですか?
その通りですよう。
デンマンさん!。。。いい加減にしてくださいなァ。 日本はいったい何時だと思っているのですか?
バンクーバーは、現在8月12日の午後1時だから。。。日本時間にすると。。。ええとォ~。。。13日の月曜日、午前5時ですね。 うしししし。。。
笑っている場合ではござ~ませんわ! プロメテウスの事がそれほど重要なのでござ~ますかあああ?
もちろんですよ。
それで。。。、それで。。。。、月曜日だというのに、あたくしを午前5時に目覚めさせたのでござ~ますかあああ?
いけませんか?
どうして。。。、どうして。。。「プロメテウスの第2の火」がそれほど重要なのですか?
あのねぇ~、僕は何も今朝の午前4時までかかって1冊の本を読み終えるつもりではなかったのですよ。
誰も8時間もかかって読みきれ!と命令したわけではないのでしょうに。。。 んもおお~~。。。
もちろんですよ。
だったら馬鹿みたいに一晩かかって読むことはないではござ~ませんか! 明日、地球が滅亡するわけでもありませんわあああ!
あのねぇ~。。。僕だっていい加減にして寝ようかと思いましたよ。 でもねぇ~、読んでゆくうちに目がさえてきて手が離せなくなってしまったのですよう! 1冊読み終えたら午前4時だったのです。
それから8時間近く眠ってお昼前に起き出してバンクーバー図書館からあたくしを呼び出しなのでござ~ますか?
そうです。。。いけませんか?
いけませんわよう! んもお~。。。で、いったい何がそれほど重要なのですか?
だから、「プロメテウスの第2の火」ですよう!
原子力の火ですか?
その通りですよ。 原子力の火が日本を滅ぼすのですよう!
デンマンさん!。。。いい加減にしてくださいな! その程度のことで日本は崩壊しませんわよう! オーバーですわよう! 過剰反応ですわ! そんなことであたくしを午前5時に起さないでくださいな。
あのねぇ~、『プロメテウスの罠』の最後に次のように書いてある。
東芝社長の佐々木則夫は13日午前11時すぎ、執務室で首相の菅直人に会った。
菅が招いた日比野靖も同席した。
佐々木は「2号機、3号機も爆発する可能性があります」と答えた。
菅「建屋の天井に穴を開けて水素を抜けませんか」
佐々木「火花で爆発する可能性がある。 高圧水で切断しましょう」
14日にその準備が整ったが、3号機は爆発した。
間に合わなかった。
日比野は官邸の印象を語る。
「総理に助言すべき組織が機能せず、当事者意識が欠如していた。 組織の都合が優先され、必要な知識を持った人間が役職にいなかった」
東電社長の清水正孝に会おうと広報課長の長谷川和弘に取材を申し入れたが、応じてもらえなかった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています)
257ページ 『プロメテウスの罠』
著者: 朝日新聞特別報道部
2012年3月26日 第3刷発行
発行所: 株式会社学研パブリッシング
僕は本を最後まで読んで、日本は一体どうなってるんだ?とマジで危機感を覚えましたよう。 大体、首相官邸で菅総理を補佐しなければならないはずの大黒柱である原子力安全委員長・班目春樹氏と保安院長・寺坂伸昭氏の二人が全くの「昼行灯(ひるあんどん)」で、その辺を歩いているミーハーと全く変わりがない! 原子力について一般人と変わりがないような知識しか持ってない! 僕は読みながら呆れてしまいましたよう。
つまり日本を動かしている政府の中枢が福島原発以上にヤバくなっていたとデンマンさんはおっしゃるのでござ~♪~ますか?
その通りですよ。 官僚の一人がすでに次のように指摘していたのですよ!
役人たちが暴走する仕組み
現在の霞ヶ関の最大の問題は、繰り返すが、官僚が本当に国民のために働く仕組みになっていない点である。
官僚志望者の大半は、国民のために持てる能力を発揮したいと望み、官僚を目指す。
ところが、この純粋無垢な気持ちは、いつの間にか汚濁(おだく)にまみれてゆく。
そういう構造的な欠陥を現在の官僚機構が宿している。
(中略)
省利省益の確保と縄張り争いに血道(ちみち)を上げ、(省内職員のためで、国民のために働かない。) 職員の生活が豊かになっても、国民の誰も賞賛はしないどころか、それは悪でしかない。
(中略)
霞ヶ関では「先輩に迷惑がかかる」ようなまねは一切許されないのだ。
年功序列による負の連鎖は連綿と続いており、若手が改革案を実施したいと考えても、現役の上層部だけでなく、OBからも圧力がかかり潰される。
核燃料サイクルに反対した若手官僚3人が左遷され、うち一人は経産省から退職を余儀なくされたこともあった。
電力業界の逆鱗(げきれん)に触れ、OBからもクレームがついたのだろう。
公務員制度改革に賭けた原英史氏、埋蔵金をはじめとする数々の霞ヶ関のカラクリを暴(あば)いた高橋洋一氏、小泉改革を支えた岸博幸氏ら、改革意欲に燃える能力の高い役人は結局、自らの組織を見切るしかなくなるのだ。
...国民に対して、結果を出さなければ責任を取るべきなのに、悪事を働かない限り降格もない。
年金がなくなっても、歴代の社会保険庁の長官は、いまだに天下りや渡りで生活が保障されている。
実績は関係ないのだから、国民のために働こうという意欲はどんどん失(う)せていく。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーより)
146-150ページ 『日本中枢の崩壊』
著者:古賀茂明 (経済産業省官房付)
2011年6月30日 第5刷発行
発行所: 株式会社 講談社
暴走も何もあったもんじゃない! 危機管理を正常に行うべき原子力安全委員長・班目春樹氏と保安院長・寺坂伸昭氏の二人が菅総理の足を引っ張っていた。 だから、菅総理も最後にはこの二人から離れて独自の情報網を構築しようとして友人の日比野靖氏を呼んだわけですよ。 ちょうど、僕が午前5時に卑弥子さんを電話でたたき起こしたように。。。うへへへへへ。。。
笑ってる場合ではござ~ませんわよう。。。そんな事はもう日本では誰でも知っていますわよう。
マジで。。。?
政府に対する不信感。。。福島原発を管理する東電の重役たちに対する不信感。。。そのような事は今に始まったことではござ~ませんわ。
あれっ。。。卑弥子さんも知っていたのですか?
もちろんですわ。 日本は今ひどい事になっているのですから。。。
マジで。。。?
でもねぇ~、日本では相変わらず福島原発に懲りてないじゃありませんか!
デンマンさんはどうしてそのような不埒(ふらち)な事をおっしゃるのでござ~ますか?
だってぇ、僕は6月に次のようなラジオニュースをバンクーバーで聞いたのですよ。
原子炉の稼動を許可する法案が日本の国会で可決されました。
去年の3月11日の福島原発事故以来、日本のすべての原子炉は停止しておりましたが、この法案が可決されたことにより西日本の大飯原発の原子炉がまもなく稼動の予定です。
バンクーバー AM Radio 1130 ニュース
2012年6月16日(土曜日) 午前9時20分
(日本時間: 6月17日午前1時20分)
福島原発で日本人は懲りているはずなのに西日本の大飯原発の原子炉がまもなく稼動の予定ですと。。。そう言ってましたよ。 地震の多い日本で原発を稼動すること自体が問題なのですよ!
でも、石油資源の乏しい日本では原子力に頼る以外にないのでござ~ますわ。
大体世界で唯一の原子爆弾の被爆国である日本が原発開発すること自体が間違っている! 被爆の恐ろしさを身をもって実感した日本人が、今度は原発によって自ら被爆している! こんなバカバカしい事が許されていいはずがない! しかも、福島原発に懲りずに、大飯原発の原子炉がまもなく稼動しようとしている。
でも、反対の声が上がって、どうやら中止になるようでござ~♪~ますわ。
当然の事ですよう! 日本人だって原発の恐ろしさを知っている人はたくさんいたのです。 ところが一部の官僚と政治家と電力会社の重役の思惑で原発をどんどん作ってしまったのですよう。
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