月夜の美人(PART 1 OF 3)
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デンマンさん。。。 どういうわけで“月夜の美人”を持ち出してきたのですか?
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あのねぇ~、夕べ久しぶりに谷崎潤一郎の『刺青(しせい)』を読んだのですよ。。。 小百合さんも読んだことがあるでしょう?
いいえ、私は入墨が嫌いなので、喰わず嫌いで『刺青』をまだ読んだことがないのですわ。。。
この作品は谷崎の処女作なのですよ。。。 けっこう有名です。。。 1966年に映画にもなったのですよ。
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あらっ。。。 なんだか ヤ~らしい映画ですわねぇ~。。。 もしかして成人映画ではないのですか?
いや。。。 日本を代表する作家の作品が原作ですからねぇ。。。 けっしてアダルト映画ではありません。。。 でもねぇ~、上の映画で見るよりも原作を読んだ方がよっぽど素晴らしさが解りますよ。
デンマンさんは映画を観なかったのですか?
あのねぇ~、上の映画は原作の素晴らしさを伝えてないのですよ。
あらっ。。。 その原作の素晴らしいところってぇ、どういうところなのですか?
小百合さんのために、ちょっとだけ書き出しますから読んでみてください。
刺青
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清吉(せいきち)という若い刺青師(ほりものし)の腕ききがいた。
刺青会(ほりものかい)で好評を博す刺青の多くは彼の手になるものであった。
元浮世絵師の渡世をしていただけに、刺青師に堕落してからの清吉にもさすがに画工らしい良心と鋭敏さとが残っていた。
(中略)
彼の年来の宿願は、光輝ある美女の肌を得て、それへ己の魂を刺(ほ)り込むことであった。
その女の素質と容貌にはいろいろの注文があった。
ただ美しい顔、美しい肌のみでは満足できなかった。
まだ見ぬ人の姿かたちを心に描き、3,4年は空しく憧れながらも彼はなおその願いを捨てずにいた。
ちょうど4年目の夏のとある夕べ、深川の料理屋平清(ひらせい)の前を通りかかったとき、彼はふと門口に待っている駕籠(かご)の簾(すだれ)の陰から、真っ白な女の素足のこぼれているのに気がついた。
鋭い彼の目には、人間の足はその顔と同じように複雑な表情をもって映った。
その女の足は、彼にとっては尊い肉の宝玉であった。
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親指から起こって小指に終わる繊細な五本の指の整い方、江ノ島の海辺で獲れる薄紅色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠(たま)のような踵(きびす)のまる味、清冽(せいれつ)な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢(じゅんたく)。
この足を持つ女こそは、彼が長年たずねあぐんだ、女の中の女であろうと思われた。
清吉は躍り立つ胸をおさえて、その人の顔が見たさに駕籠のあとを追いかけたが、二、三町行くと、もうその影は見えなかった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
谷崎潤一郎・作 『刺青』より
駕籠の簾から女の足がこぼれているのを見て、清吉はこれぞ自分の求めていた女だと確信したのですわねぇ~。。。
そういうことですよ。。。
つまり、清吉はフット・フェティッシュなのですわねぇ~。。。 要するに、美しい女の足に異常なまでの魅力を感じてしまう。。。 上の文章を読むと、女の足の表現が異常なまでに細やかに、そして情熱的に書いてありますわァ~。
小百合さんは、そんな風に感じるのですか?
だってぇ、上の文章を読めば、そうとしか考えられないではありませんかァ~! それで、清吉は その女性と会うことができたのですか?
出会わないと物語になりませんからね。。。 次のような出会いがあるのですよ。
清吉の憧れの心地が、激しい恋に変わってその年も暮れ、5年目の春も半ば老い込んだある日の朝であった。
清吉のなじみの辰巳芸伎(たつみはおり)から使いがよこされた。
使いの娘は、近々に私の妹分としてお座敷へ出るが、私のことも忘れずに、この娘も引き立ててやってくれと認(したた)めてある手紙を渡した。
清吉はしげしげと娘の姿を見守った。
年のころは16か7かと思われたが、その娘の顔は、不思議にも長い年月を色里に暮らして、何十人の男の魂をもてあそんだ年増のようにものすごく整っていた。
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それは国中の罪と財(たから)との流れ込む都の中で、何十年の昔から生き代わり死に代わったみめ麗しい多くの男女の夢の数々から生まれ出るべき器量であった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
谷崎潤一郎・作 『刺青』より
あらっ。。。 なんだか すごく魅力的な女性の写真ですわねぇ~。。。 デンマンさんも、このような女性が好みなのですかァ~?
いや。。。 僕はどちらかと言えば、純日本的な女性よりも ギリシャ女神のようなタイプがいいのですよ。 うへへへへへへ。。。
分かります。。。 分かります。。。 ジューンさんのような方がいいのですわねぇ~。。。
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こういう時にジューンさんの写真を持ち出さないでくださいよ。。。 せっかく、ネット市民の皆様と日本的な情緒に浸っているのに、日本的な雰囲気がぶち壊されてしまうでしょう!
だってぇ~、デンマンさんが「純日本的な女性よりも ギリシャ女神のようなタイプがいい」と、言うから気を利かせてジューンさんの写真を持ち出してきたのですわ。
とにかく、今日はジューンさんの出番じゃないのですよ。
。。。で、どう言うわけで“月夜の美人”と“刺青”が関係あるのですか?
ちょっと次の対話を読んでみて下さい。
山の家と露天風呂
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小百合さんが書いているように“山の家”は、人里離れた山深い所にあるようです。
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やっぱり冬は寒いのでござ~♪~ましょうか?
行田とそれ程変わらないと思うけれど、山深い所にあるようですからね。だから、冬になると小百合さんが書いているように“久しぶりの山は家の中が寒く冷蔵庫のようです”。。。と言う事になるのでしょうね。
それにしても欅の木を切り出してマキにするのでござ~♪~ますか?
卑弥子さんには無理でしょうねぇ~?
あたくしだって。。。、あたくしだってぇ~、やれ!と言われればやりますわよゥ。
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小百合さんは、やれ!と言われずに、自ら進んでやっているのですよ。山で欅を切り出して軽トラックの荷台に積んで、このような山道を2往復する訳ですよ。僕は思うのだけれど、小百合さんは、もう10年以上も前からLOHAS的な生活に馴染んでいたようですよ。LOHASが流行語になってから始めた生活ではないのですよね。しかも、軽トラック2台分も欅の木を女手一つで切り出すのですからね。そうやって、トラックの荷台に積んで、上のような山道を運転して“山の家”に運ぶ訳ですよ。だから、車は絶対に必要になりますよね。
それで、マキをくべる生活でござ~♪~ますか?
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だから、当然、僕は上のような情景を想い浮かべるのですよ。うへへへへ。。。
いやですわあああぁ~。。。また、小百合さんにおばさんパンツを穿かせて暖炉の前に立たせたのですかア~?
こうしてみると。。。なんですねぇ~。。。結構、ロマンチックですよねぇ~?
デンマンさんがコラージュしてでっち上げた写真を元に妄想しているだけですわあああぁ~
いや、妄想ではありませんよ。マキを暖炉にくべるだけではなくて風呂もマキで沸かすようですよ。
ホントでござ~♪~ますか?
何しろ小百合さんの山の家の風呂は露天ですよ。マキで沸かすより他にないでしょう?
それで。。。それで。。。小百合さんはその露天に裸ではいるのでござ~♪~ますかア?
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あのねぇ~、卑弥子さん。。。、そのような分かりきったことを尋ねないでくださいよゥ。露天だからって服を着たまま入る女性は居ませんよ。
でも、最近は“湯あみ着”と言うムームーのようなモノができているのでござ~♪~ますわ。そういうモノを身につけて混浴の露天風呂に入る女性が多くなったのでござ~♪~ますわよ。
でも、小百合さんは一糸もまとわず全裸ではいるのですよ。
どうして。。。、どうして、デンマンさんはご存知なんですの?
僕は直接、小百合さんに聞いたのですよ。夜は全く風呂の周りには囲いをしないそうですよ。
それで昼間は。。。?
誰か人の気配がするような時には“よしず”で囲うことがあるという事です。でもねぇ、ほとんど人がやって来ないそうです。
でも、もしデンマンさんのように覗きに来る人が居たらどうするのでござ~♪~ますか?
やだなあああぁ~。。。まるで僕が卑弥子さんが風呂に入るのを覗いているような言い方ではないですか?
。。。んで、デンマンさん以外で覗きに来る人が居たらばどうするのですか?
だから上の小百合さんのメールの中に愛犬ゴンと書いてあるでしょう?
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この愛犬がすごいのでござ~♪~ますか?
そうなんですよ。これが土佐犬で熊のようにでかい犬なんですよ。小百合さんの愛犬のゴンが覗きに来るエロい愚か者を退治してくれるそうです。
じゃあ。。。デンマンさんでも覗きに行く気がしなくなるのでござ~♪~ますわねぇ。。。うふふふふ。。。
【デンマンの独り言】
あのねぇ、僕には不思議な才能があるのですよ。
どのようにすごい土佐犬でもブルドッグでも、
僕が笑顔を見せて近づいてゆくと、
どういうわけか狂ったように吠えていた犬も泣き止んでしまうのですよ。
そうして、僕が頭をなでると、
クーンと可愛らしく泣いて僕の手を舐め始めるのですよ。
うしししし。。。
だから、小百合さんが風呂に入っている時に、
僕が小百合さんのヌードを鑑賞しようと露天風呂に近づいても
愛犬のゴンは僕に吠えないのですよう。
でも、この事は卑弥子さんの前では言いません。
言ったら、必ず小百合さんにメールを書いて僕に気をつけろ!と書くのですよ。
だから、あなたも、卑弥子さんには告げ口しないでくださいね。
あなたと僕の秘密ですよ。
うしししし。。。
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『ニューヨークの混浴露天風呂』より
(2008年5月22日)
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