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菊とサクラ(PART 2 OF 3)

2012-02-23 16:11:17 | 食べ物・料理・食材

 
 
菊とサクラ(PART 2 OF 3)









そしたら?



7つの女の子が大好きなお人形さんでも買ってもらえると思うように、にっこりして“あい”って返事をするんですよ。僕は言いました。“菊ちゃん、この映画の中の女の人もね、この男の人のお嫁さんになりたいんだよ。分かる?” そしたら、菊ちゃん、うなづくんですよ。

それで。。。?

僕は半信半疑ですよね。だから言ったんですよ。“じゃあ、この映画のようにキスしようか? ねっ?”

マジで。。。?

冗談で言ったわけではないんですよ。僕は菊ちゃんが本当に分かっているのかどうか?。。。マジで知りたいと思ったんですよ。

それで。。。?

そしたらね、上の写真のように眼をそっと瞑(つむ)って僕を見上げるようにしてキスを受けようとするしぐさをするんですよ。

それで。。。デンマンさんは、どうなさったんですの?

僕は、なんだか言葉にはならないような感動を覚えましたよ。7才の“女性の愛”なのだろうか?。。。菊ちゃんのキスを受け入れようとする表情を見ていたら僕はもう、誘い込まれるように唇を合わせましたよ。菊ちゃんのオツムは7才だとはいえ、菊ちゃんの体は立派な大人のものですよ。僕は菊ちゃんを抱きしめながらおっぱいの感触を胸に感じて無意識に右手でおっぱいを愛撫しようとしたんですよ。

で。。。?

そしたら、菊ちゃんは眼をガバっと見開いて、“それは絶対ダメ!”と言うような表情をして、僕から離れてしまいましたよ。まるでバネ仕掛けでしたね。キスを受け入れようとした時の期待に満ちた表情と、僕の手をおっぱいに感じて拒絶した時の表情の違いが、あまりにも対照的だったので僕には2度目の驚きでしたよ。

デンマンさんは、エッチな事をしようとしたではありませんか?

僕は、その先に進もうとは全く思っていませんでしたよ。




『菊ちゃんと八ツ橋』より
(2008年4月14)




デンマンさんは精神的にハンディキャップのある女性に対していけないことをしたのですわねぇ。



やだなあああァ~。。。地方裁判所に訴えられるような悪い事をしたわけではありませんよ。

でも、その後、またヤ~らしい事をしたのではありませんか?

しませんよう。。。もし、していたら、こうして思い出として書くことはできませんよう。

そうでしょうか?

とにかく、「憎まれっ子世にのさばる」と言われるように悪い奴ほど長生きするのですよ。 菊ちゃんは「美人薄命」ではないけれど、「とびきりの美人」ではないにしても、やはり「佳人」だったから、若くして亡くなってしまったのですよ。 そう言えば小百合さんも、そのことでメールを書いたことがありましたね。





Subj:菊ちゃんのことを気にしてました。

Date: 10/01/2008 3:34:05 PM
Pacific Standard Time
日本時間: 1月11日 午前8時34分
From: fuji@adagio.ocn.ne.jp
To: barclay1720@aol.com


なぜか 1月7日に戻して返信。
この前から、菊ちゃんのことを気にしてました。

先日山に久々帰ってみると、お世話になった人が亡くなっていました。
その人は奥さんと2人きりの生活で
お二人の間にはお子さんがおりません。

私たちがいた時は良く里芋や いんげん。
冬でも作らない時期は ゆずなど「うちでできたものだー」 と持ってきてくれました。

そのおじさんが 亡くなってました。
私の父と同じ年でした。 

人にうらやましがられるような、贅沢もせず山で暮らす知恵だけは持っていて、たくましく生きていました。




もし、環境異変で地球に食料が出回らなくなったら、まず、私はすぐ死にます。
体の大きい主人も少しして食料がないのに絶えられず死にます。 

でも、あのおじちゃんは生き延びたかもしれません。
自給自足の生活をしていましたから。
1年に1度行くか行かないか、スーパーマーケット。
そんなの必要ない人だったから。

あんな小さい体なのにとても強かったのです。
現代人のように飛行機に乗らなくてもコンピュータを使わなくても、とても強かったのです。

デンマンさんの記事で菊ちゃんのことを興味深く読ませてもらいました。
菊ちゃんも素朴で愉快に生きていたと思います。



だから、菊ちゃんはお嫁さんにならなくても、ずーっと幸せな人生だったと思います。

病気、突然の、それはその人の人生なのだから。


小百合より




『白無垢の菊ちゃんと山の家』より
  (2008年1月13日)

『菊ちゃんを旅する』にも掲載
  (2008年4月26日)




私もかつて、このような事を書いていたのですわねぇ~。。。



小百合さんは忘れていたのですか!?

だってぇ、もう4年も前のことですわ。 ネットでは3年は一昔ですもの。。。

菊の話や“八橋(やつはし)”の話が出たりすると、僕はどうしても菊ちゃんのことを思い出すのですよ。

分かりますわ。

小百合さんも分かってくれますか?

。。。それで、サクラはどうして、取り上げたのですか?

同じ本に次のような話が出ていたのですよ。



(sakurate.jpg)

日本のハーブティーはといえば、なんといっても桜湯だ。
八重桜の花の塩漬けに湯を注ぐと、椀のなかに花が咲き、春らんまんの香りがする。

満開の桜の下にいてもあまり香りはしない。
花や葉の組織が破壊されるとバニラに似た甘い芳香を発するのだ。
そこで、花を塩漬けにして餡(あん)パンのへそにいれたり、葉の塩漬けで桜餅を巻く。
塩漬けにすることで、植物の組織を分解しているのだ。

結婚式や見合いの席では、お茶のかわりに桜湯が供される。
「お茶をにごす」ということを忌む風習からだという。

めでたく、おしゃれな日本のハーブティーとして、ふだんでも桜湯を愛飲してもよさそうだ。

赤字はデンマンが強調のため。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)




95ページ 『ニッポンの食卓』
著者: 石毛直道
2006年3月20日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社 平凡社




僕は桜湯って飲んだことが無いのですよ。



マジで。。。?

小百合さんは飲んだことがありますか? 

もちろんありますわよ。 お見合いのときに。。。うふふふふふ。。。

マジっすかァ~。。。?

私も、その時初めて知ったのですわ。 結婚式や見合いの席では、お茶のかわりに桜湯が供される。 「お茶をにごす」ということを忌む風習からお茶ではなく桜湯を飲むものだと。。。

でも、最近のミーハーの見合いでは桜湯など飲まないでしょう。 だいたい、そのような風習があることを知っている人など新人類には居ないでしょうから。。。

いえ。。。今でも、古い「しきたり」に拘(こだわ)る人は、けっこう居ますわよ。


そうですか?

。。。で、その風習がデンマンさんは面白いと思ったのですか?

いや。。。それよりも花や葉の組織が破壊されるとバニラに似た甘い芳香を発するという所に惹かれたのでうよ。 今度、日本に帰省するときには小百合さんとぜひ桜湯を飲んでバニラに似た芳香を味わってみたいと思ったわけですよ。

ただ、それだけのために桜湯を取り上げたのですか?

いや。。。もちろん、小百合さんと僕にはサクラとも縁がありますからね。。。


11月に桜が咲いている!



館林駅に着くと小百合さんが迎えに来てくれて「花山」へ行きました。
「花山」と呼ぶのは地元で育った40代の人たちが、そう呼ぶらしい。
館林市のガイドマップを見ると「県立つつじが丘公園」と書いてある場所です。



五月ごろ来れば、きれいな“つつじ”がたくさん咲いているのでしょう。
当然のことですが、11月なのでつつじは咲いていなかった。
ところが桜が咲いているのですよね。

11月に桜が咲いている!
ビックリしました。
上の写真ほど見事なものではありませんでした。
でも、間違いなく桜の一種です。
小百合さんもビックリしていました。
名前は分かりません。

バンクーバーやバーナビーの植物園のように名札をつけてくれればいいのに!
小百合さんは、そう言っていましたね。
ごもっともです。



旧秋元別邸(最後の館林藩主・秋元家の別邸)の菖蒲園(しょうぶえん)のすぐそばにある橋の近くに白鳥が3羽居ました。
泳ぎ疲れたのか3羽とも岸辺に上がって草原(くさはら)の上で羽を繕(つくろ)って、これから昼寝するところでした。
小百合さんは近寄るのが怖いと言うのですよう。

40代の女性の怖さを持っている小百合さんにも
こういう童女のような繊細さがあるのですよね。
小百合さんの“かわゆい”ところです。

僕は50センチまで近寄りましたが
その白鳥たちも、人に慣れているようで
全くビクビクしませんでした。

旧秋元別邸の近くに田山花袋が9歳から14歳まで住んでいたという旧居が保存されていました。



 (すぐ下のページへ続く)



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