神の手は力ある働きをする。

 主の右の手は高く上げられ、
 主の右の手は力ある働きをする。

(詩篇118編16節より)

なぜ、人はガンになるのか。

2017年11月01日 | キリスト教


 立花隆先生著の、「がん、生と死の謎に挑む」は、「なぜ、人はガンになるのか」ということを知る上において、一番わかりやすかった本でした

 いえ、他の本にも同じようなこと書いてあるのは読んだんですけど、意味としては同じでも、わたしの頭が悪いせいか、何書いてあるのかよくわからなかったというか(^^;)

 ガンの治療と聞くと、手術・抗がん剤・放射線療法ということを思い浮かべる方は多いと思います。

 でもこの中で、わたし的に「抗がん剤ってほんとに効くの?」といった疑問がずっとありました。というのも、初期のガンではなく、かなり悪くなってから闘病している方の姿を見ていると……意味もなく苦しい思いだけして亡くなったのでは?という疑問があったからなんですよね。

 そのことに対する答えというか、答えに近いことが「がん、生と死の謎に挑む」の中には書いてありましたし、「今あるガンが消えていく食事」の中にも、「抗ガン剤によって疲れ果てる骨髄」と「食欲と体力を落とさない抗ガン剤の投与量を探り当てる」と「抗ガン剤投与の目安になる白血球とリンパ球のレベル」のところに、わたしの知りたいことが大体書いてありました。

 ちょっと引用長くなりますので、また別のところで引用したいのですが、なんにしても本を買って読んでいただくのが一番なのかな~と思ったりはします(^^;)

 それでは、今回はまず、タイトルの「なぜ人はガンになるのか」について。。。


 >>がんは遺伝子の病気

 がんとは、細胞の病気です。正常細胞が狂いだして、無限の増殖能を持つがん細胞になってしまう病気です。正常細胞は「生まれては死に」を繰り返す有限の寿命を持つ細胞ですが、がん細胞は死にません。不死の細胞です。死なないでただ、増えつづけるのです。細胞が必要以上に増えると、そこに集積してこぶのような細胞のかたまりになります。腫瘍です。

 細胞増殖がある限界内でとどまり、ある境界線以上に増えていかなければ、それは良性腫瘍です。しかし、境界線をこえて、腫瘍がとめどなく増えていくということになると、それは悪性腫瘍すなわちがんと呼ばれるわけです。

 がんは、遺伝子の病気、DNAの狂いによってもたらされる病気です。通常、細胞増殖は、遺伝子の指令によって規則正しく行われ、暴走することはありません。細胞増殖そのものは、細胞が生きている限り必要なことであって、正常な生理過程です。ある限度以上に細胞が増殖すると、細胞は自ら死を選ぶ(アポトーシス)ようにプログラムされているので、がんにならなかぎり、細胞が無限増殖することはありません。がんは、そのような細胞増殖をコントロールする遺伝子に狂いが生じて、正常なサイクルを踏み外してしまう病気なのです。異常増殖が起きたら自然にブレーキがかかるはずなのに、それがかからなくなる病気です。正常な遺伝子の働きはすべてDNAにプログラムされており、プログラム通り働くはずなのに、プログラムそのものが狂いだしてしまうDNAの病気なのです。

 すべての人は六十兆個の細胞からできていて、一つ一つの細胞がその人特有の設計図である、DNAを持っています。DNAはその人の遺伝子の集合体で、その人の一つ一つの細胞の運命をつかさどる設計図群です。どの細胞が、どのような時期に、その人の身体のどこでどのようなシチュエーションにおいてどのような働きをなすべきかがすべてそこに書きこまれているのです。どの細胞も、人生のしかるべきときに、その設計図通りの働きをキチンとしているので、人体はいつも健全に調和を保って働きつづけ、その人は健全に生きつづけるのです。

【中略】

 六十兆個の細胞は、一つ一つがちがう働きをしています。それらの細胞は同じDNA、同じ設計図を持ちながら、それぞれ設計図のちがう部分を読むことでちがう細胞になり、ちがう働きをするようになるのです。DNAの設計図は、一つ一つの細胞の予定運命が三十億文字で書き記されるほど複雑きわまりないものなのに、一生の間、コピーにコピーをつづけて、同じコンテンツのものを使いつづけます。一人一人の人間の寿命は、六十年も七十年も、あるいはそれ以上ありますが、細胞の一つ一つは、数日から数週間、あるいは数カ月の寿命しかもたないで、後継者に情報(DNAの配列)だけを受け渡して、個々の細胞としては死んでいきます。

 よく脳細胞は、生まれてから死ぬまで変らないなどといいますが、あれは、脳細胞の情報コンテンツがずっと維持継承されるということで、物質としての個々の脳細胞は次々に新陳代謝で交代していくのです。同様に、人間のすべての細胞は、きわめて短期間に生死を繰り返して、新陳代謝しながら情報(DNA)のコピーをつづけることで、個体としての同一性を保持しつづけていきます。物質レベルでは同一性が保持されていないのに、情報レベルの同一性が保持されているが故に、同じ人間が生きつづけているのだと本人も周囲の人間も共同幻想を持ちつづけられるのです。

 人間は物質としての同一性は短時間しか保持できないのですが、情報(DNAあるいは、脳の中の記憶)の同一性が相当の期間にわたって維持できるので、個体としての同一性も一生保ちつづけていると思えるのです。

 しかし、記憶にしろ、DNAの設計図にしろ、コピーにコピーをつづけていくと、必ずコピーミスが生まれ、まちがいを起します。脳細胞のコピーミスは忘却や認知症として発現しますが、DNAのコピーミスは、さまざまの生理的機能不全として発現していきます。その最も深刻なものが、がんであるともいえるわけです。がんがなぜ生まれるかは、まだ十分にはわかっていませんが、DNAのコピーミスによる変異の蓄積が最大の要因の一つにちがいないと考えられています。

(『がん 生と死の謎に挑む』立花隆、NHKスペシャル取材班/文藝春秋社刊より)


 ええと、ちょっと難しい気もするので、とにかくがんはDNAのコピーミスによる蓄積が最大の要因の一つということを一旦覚えておいてください(^^;)

 これは簡単にいうと、わたしたち人間は大体六十兆個くらいの細胞からできている、そして、この細胞は目に見えないながらも今もわたしたちの体で「生きては死に」のサイクルを繰り返している、ということ。この細胞はコピーにコピーを重ねて増殖していくわけですが、当然、時にコピーミスということが起きる。けれども、わたしたちの体はちょっとくらいのミスならすぐに修復してしまうんですね。

 けれども、ガン細胞がいつからガンと呼ばれるかと言えば――このコピーミスが起きたことで、修復しきれなかったものが生き残った場合、その不死の細胞はその場所を足がかりにして増えていこうとします。つまり、正常な細胞が「生きよう、生きよう、増えていこう」とするように、まったく同じ生命力の強さでがんばって生き残ろうとし、そのためにありとあらゆる手段を尽くす……それが、ガン細胞のはじまりなのだと思います。

「なのだと思います?もっとはっきり言い切れないんかい、そこは」と思われる方もいらっしゃると思うのですが、何分、随分前に読んだ本を再び読み返しつつこの記事書いてるもので(汗)、わたしの書いてることは「かいつまんで言えば、そういうことだよなー☆」くらいの感覚で書いている、なので細かいところで間違ってるかもしれない……くらいな感じで、お話を進めさせていただきたいと思いますm(_ _)m

 ちなみに、ガンの極めて初期の状態というのは、病院で検査しても見つけられず、このガンがかなり大きくなって目に見えるくらいになってからじゃないと、発見されないそうです。つまり、目に見えるくらいになるまでに、このガン細胞というのは最初に誕生してから十年以上は経っている……ということになるとか。もし、仮に今わたしが病院で「残念ながらガンです」と宣告された場合――「ガーン!!でも実は十年以上前くらいから目に見えないながらもガーン!!」ということなんだと思うんですよね(^^;)


 >>次頁のグラフを見てください。これは、年齢別のがん死亡の統計です(※本の中での次頁という意味ですm(_ _)m)。四十歳以下のがん死者はきわめて少く、五十歳以下のがん死者もあまりいないということがすぐ読みとれます。

 四十代、五十代前半までのいわゆる働き盛りの年代の人々は、まだ充分に強い免疫力を持っているから、あまり病気もせず、たとえ時に病気に襲われても(初期のがんを含め)、それをはねのけることができる(死にいたらないですませる)ものだということがこのグラフからも読みとれます。

 ただ、ここで気をつけていただきたいのは、がんというのは、ゆっくり進行する病気であり、だいたい、一つのがん細胞が生まれてから、それが宿主の生命を奪うようになるまで平均して二十年くらいかかるということです。それが目に見える大きさになり、最初の検査にひっかかるまで、およそ十年から十五年の時間がかかり、それから、がんがさらに生長して、宿主の生命を奪うまで、最低でも五年はかかるということです。


 >>検出できない微小転移

 医者の中には、患者を安心させるために、いろんなことをいう人がいます。しかし、必ずしもアテになりません。たとえば、「がんはもう不治の病ではありません。がんは治る病気なんです。がんは怖くありません」などという人もいますが、そんなことはありません。がんは基本的に怖い病気です。不治の病かそうでないかといえば、治癒という言葉の定義にもよりますが、本質的には不治の病といったほうが正しいのです。

 しかし、がんが治ったように見える場合もあるし、医者がそういう表現をする場合もあります。でも、それはより正確にいえば、がんが見えなくなったというか、通常の検出手段では検出不可能なレベルに小さくなったというにすぎないケースがほとんどです。手術をして、目に見える病巣はすべて取り去り、一定の観察期間を経過しても、どこかに転移している様子が全く見られないというときに医者はそのようにいうことがありますが、それは必ずしもがん細胞がゼロになったということを意味しません。がんは基本的に、がん細胞の数が十億以上の細胞塊になったとき(重さにして一グラム、径にして一センチメートル)が検出限界で、それ以下のがん細胞のかたまりは、見つけることができません。

 しかし、検出にひっかからなくてもそれ以下のがん(マイクロ発現状態、あるいは微小転移状態)はいつでもあり得るのだということを知っておく必要があります。手術して取ったはずのがんがしばしば何年かたってから再発するということがあるのはなぜかというと、微小転移したがんが時間の経過とともに、大きく育って、検出限界以上になってしまったということがあるからなのです。ですから、検査でがんが消失したように見える場合でも、良心的な医者は、安易に「あなたのがんは、根治しました」などとはいわず、将来再発の可能性があることをはっきり告げるものです。

(『がん 生と死の謎に挑む』立花隆、NHKスペシャル取材班/文藝春秋社刊より)


 本からの引用ばかりが多くて恐縮なのですが(汗)、わたし的に「そうそう!わたしもガンという病気の正体というか、そういうところを知りたかった!!」ということがたくさん書かれていて、なるべくそうしたところをわかりやすくこれからも引用させていただきたいと思っていますm(_ _)m

 では、次回以降もこのガンという病気のことについて、「ガンとは何か」、また身体的な痛みだけでなく、治療の苦しさや煩わしさを含めたトータルペインの問題、キリスト教における癒しの祈りについてなど(ここのブログはキリスト教について何か書くっていうブログなので^^;)、順番に書いて再び最初の「今あるガンが消えていく食事」(済陽高穂先生著/マキノ出版刊)のことに戻りたいと思っています。。。

 それではまた~!!





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