【聖セシリア】ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
「サタン(悪魔)の努力」と聞きますと、たぶん笑ってしまう方のほうが多いと思うのですが、世界の三大宗教と言われるキリスト教・イスラム教・仏教といった宗教のすべてにこの悪魔(サタン)と呼ばれる存在が出てくるというのは、なかなか興味深いことだと思います(^^;)
時々わたし、「サタンってほんと、勤勉だよなあ」と思うことがあって、それはどういうこ . . . 本文を読む
宮沢賢治の「よだかの星」は有名なお話なので、ご存じの方も多いと思います
柳田邦男先生の『犠牲(サクリファイス)』も、表紙が「よだかの星」で、お話の内容についても、本の中で紹介されています。
>>宮沢賢治の『よだかの星』を、多くの読者は子供の頃、読んだにちがいない。覚えているだろうか。「よだかは、実にみにくい鳥です。顔は、ところどころ、みそをつけようにまだらで、くちばしは、ひらたく . . . 本文を読む
>>洋二郎がそういう奉仕活動(※骨髄バンクへの登録)に参加しようと決意したことには、彼なりの思想的な背景もあった。その源となったのは、彼が深く感動した旧ソ連の亡命映画作家タルコフスキーの映画『サクリファイス(犠牲)』だった。
われわれが一日一日を平穏に過ごしていられるのは、この広い空のどこかで名も知れぬ人間が密かに自己犠牲を捧げているからではないかという信仰的思想を、この映画は、精神病の . . . 本文を読む
>>洋二郎がこのように漆黒の河を渡るような精神生活をしていたことは、おそらく大学や教会の友人たちは想像すらできなかったのではなかろうか。いい面では、「おだやかでやさしい青年」と映っていたろうし、悪い面では、「やる気があるのかないのかわからない男」「なんで働かないのか親に甘えている男」と映っていたかもしれない。
洋二郎がいかに内面の辛さをおさえて、外面的に明るく振る舞おうとしていたかを示す . . . 本文を読む
(作者様と症状的に被るところはないんですけど、でも心情としてまったく同じなので、この間本屋さんで見かけて一気に読み終えてしまいました同じ種類のことで悩んでいる方にとっては「わたしだけじゃないんだ」と、とても励まされる本だと思います)
「犠牲(サクリファイス)~わが子、脳死の11日~」は、タイトルのとおり、洋二郎くんが自殺をはかったあと、脳死の状態へ至ったその過程などについて詳細に書き綴られてい . . . 本文を読む
ええとですね、今回は「引きこもり」についてわたしが思うこと、みたいな感じの回です(^^;)
社会不安障害や神経症、鬱病など、こうした種類の心の病いというか、精神の病いによって働けない、家に引きこもらざるをえない……ということだと、そのこと自体のことに加えて、まず家の空気が悪くなる、ということがあると思うんですよね。
また、廃用症候群(生活不活発病)というのは一般に老人の方が転倒などに . . . 本文を読む
>>1989年6月6日(火)
モラトリアムではなくアナーキーなぼくに、Y先生はアルバイトをしろと言った。
<この日、帰宅した洋二郎は駅の売店で買った就職情報誌を手に、パニックに陥っていた。大学のFクラブの集まりに出るだけで、対人関係でへとへとになるのに、レストランだの商店だのスーパーのアルバイトなんかできそうにない、というのだった。フロイトの精神分析の流れを汲むY先生は、洋二郎に対する . . . 本文を読む
>>1989年4月11日(火)
Y先生の言葉四回目。(1)対等性がない――自分と同じ年代の人と同じ生活感覚をもてない――ということは、治療において重要なポイントである。(2)幼児性のあるきみは、友人関係において<親>づくりでなく<友人>づくりをすることが重要である。友人にしがみつくのではなく、大人としてのつきあいかたをする。
1989年4月12日(水)
目を覚ました。12時に出 . . . 本文を読む
【悩み】ヨゼフ・イスラエルス
>>私も妻も、彼が心を病んでいたことを、中学高校時代には愚かにも気づかなかった。
その最初の兆候は、退院直後にすでに出ていたように思う。退院で眼の検査や投薬を受けていたのだが、主治医から「もうほとんどよくなりました」といわれても、洋二郎は、「右眼の視野の中央付近に、黒い点があって邪魔になる」といっていた。ある日、年輩の男の医師が代診で外来を担当していたとき、 . . . 本文を読む