神の手は力ある働きをする。

 主の右の手は高く上げられ、
 主の右の手は力ある働きをする。

(詩篇118編16節より)

讃美の力。―神の道を体験する道―【2】

2021年07月12日 | キリスト教


 >>ジョージア州のフォート・ベニングで私(マーリン・キャロザース先生)が従軍牧師をしていたときのことですが、ある若い兵士が助けを求めて自分の妻を牧師室へ連れてきました。彼女はLSDのおそろしい幻覚症状で苦しんでいたのです。医師たちも処方を指示することができないでいました。彼女の美しい顔には恐怖と苦痛による深いしわが刻まれていました。

 彼女が言いました。

「眠れないのです。一分でも目を閉じると、恐ろしい動物たちがこちらに向かって突進してくるのが見えるのです」

 夫が説明して言いました。

「彼女は疲れきってやっと眠りについたと思える時でもすぐに叫びだす始末です。私は彼女をゆりおこすのですが、意識がはっきりするまでに十分間くらいかかることがあります。その間ずっと苦しい声で叫び続けているわけです。こちらも一緒に絶望に追い込まれてしまいそうです」

 私はこの悲しい話を聞かされた後、言いました。

「私に一つだけ提案があります。どうぞ今私と一緒にひざまずいてください。そしてあなたがたの今のありのままを神様に感謝しましょう」

 二人は、私が本気で言ったとは思えないという顔つきでわたしを見つめてました。そこで私は、すべての事を感謝することを神は願っておられ、その事を私が学んだいきさつについて注意苦深く説明しました。

「今まであなたがたに起こったあらゆる事の一つ一つがあなたをここまで導くのに役立ったのです。神さまはあなたがたを愛しておられ、何かすばらしいことをお二人のためになそうとしておられると私は信じます。今、神さまの願っておられることは、お二人を神に導かれることになったすべての事で神さまに感謝することなのです」

 私は聖書のページをめくって線を引いていた聖句を彼らに示しました。二人とも私の言ったことを受け入れてくれました。そして自分たちの人生のあらゆる事、特に麻薬の幻覚のことで神に感謝するためにひざまずきました。私はその部屋に神の臨在を感じることができました。

「聖霊が今あなたをいやしてくださっています。そのことを聖霊ははっきり示しておられます」

 と私は言いました。そして彼女の頭に手をおいて祈りました。

「主よ、今この人をいやしてくださることを感謝します」

 彼女は目を開け、ひどく驚いた様子でした。

「何かが私に起こりました。祈るために目を閉じた時、何も見えなかったのです」

「イエスさまがあなたをいやしてくださったのです。今、イエスさまはあなたを救う方としてあなたのうちに入られることを願っておられます。お迎えしますか」

 と私は言いました。彼女も夫も二人とも真剣な顔で答えました。

「はい」

 なおもひざまずいたままで二人はイエスさまが、自分のうちに来てくださるように祈り求めました。二人はよろこびをもって私の部屋を出ていきました。

 彼女のいやしは一時的ではなかったのです。幻覚は二度と起こりませんでした。彼女の心を支配していた麻薬の力は神の力によって砕かれたのでした。

 医学の権威者たちは、何年も麻薬のとりこにされた状態にある麻薬常習者たちを扱うことにおいて自分たちは無力であることを認めています。しかし近年、強い麻薬を十年、二十年、三十年も続けてきた重症の常習者が解放された実例をますます頻繁に耳にするようになりました。その人たちは自分のうちにさなれた神の超自然的な力によって解放されたのです。

(「讃美の力―神の力を体験する道―」マーリン・キャロザース先生著、浜崎英一さん訳/生ける水の川出版より)


 他の章でも確か、麻薬によって人生を台無しにしてしまった青年が、イエスさまを信じることによって癒しを受ける箇所があったと思うのですが、こうした箇所を読んで多くの方が思うのはもしかしたら……「なんだよ、それ。うっそくせっ!!」ということかもしれません。

 でもですね、「そのくらい人生で追い込まれている」方にとっては違うのです。そして、「神が一体オレに何が出来るんだ」というところからはじまって、癒されたことにより、以降熱心なクリスチャンになった――という証しであるならば、おそらく世界中に転がっているのではないでしょうか(^^;)

 自分的に、麻薬と聞いてパッと思い出すのは、割と最近50歳で亡くなられたラッパーのDMXさんのことかもしれません。といっても私、DMXさんがオーバードーズによって救急車で運ばれ、その後亡くなった……という訃報を聞いてから、それに伴う「DMXはこんな人だった」という話を聞いて、「そうだったんだ~」という形で知ったという程度ではあります。

 生まれ育った環境が悪くて十代の早い時期からドラッグをやるようになり、オーバードーズで亡くなっていることから見ても、その後生涯に渡ってやめることが出来なかったわけですけど……DMXさんは、すごくイエスさまを信じている方だったそうです。

「だったら何故麻薬をやめられなかったんだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、人にはそれぞれ色々な事情があると思いますし、同じようにイエス・キリストを信じていたとしても――「信じ方」ということもあったりするんですよね。

 つまり、マーリン・キャロザース先生がそのように人々を導いたように「あなたの麻薬中毒を神に感謝しましょう」とか、「あなたのひどいアルコール中毒を神に感謝しましょう」とか、「あなたの服役経験を(そのことによってイエスの元まであなたが導かれたことにより)神に感謝しましょう」……そんなふうに祈りや癒しを導いてくれる牧師さんというのは、基本的に一般的ではないからです(^^;)

 もちろん、聖書の御言葉によって神さまに感謝しましょうとか、神さまを讃美しましょう……というのは、どこの教会でも実践していることだと思います。でも、「あなたがガンになったことを神に感謝しましょう」とか、「あなたの精神病をイエスに感謝しましょう」といったことについては、誰もがみな、最初は抵抗を覚えると思います。

 そのことの第一には、「そもそも何故、神はわたしをガンにしたのだ」ということや、「精神病にして惨めな思いを味わわせたのだ」ということがあるかもしれません。けれども、そのことを神にまず感謝するというのは――「起きたすべてのことを神に委ねる」ということの意思表明であり、その後イエスさまを信じて解放された人々というのは、「もうこれ以上悪くなりようはないのだから」といった理由によってマーリンさんの勧めたとおりにしたところ、その後の人生が変わってきたという、そうしたことなんですよね。

 わたしたちはたぶん、すべてのことにおいて神に寄り頼むよりも、「出来る限りのことは自分でやってから、その残りの部分を神さまに委ねよう」……何かそんなふうに習慣づけられている気がします。でも、人生の極限の状態を味わったことのある方なら、究極「これ以上のことは自分の力ではどうにも出来ない」という経験の道を必ず通ると思います。

 けれど、神さま、イエスさまに委ねるなら、そうした失敗すらも益に変えられます。つい先日、「わたしの人生の黒歴史」といった文章を読みましたが、人生で失敗しない人、言い換えれば黒歴史などひとつも持っていないという人など、おそらくこの世にひとりもいないでしょう。

 神さまの別の名前はHis storyとも言うそうですが、わたしたちの人生の黒歴史についてなら、イエスさまが必ず光の道に変えてくださいます。ちょうど、線路の道筋が切り換わって、そのまま真っ直ぐいったら恐ろしい速度で岩山にぶつかるところを、人生という名の電車が別の線路に入りこんで別の道を進み――最後の到着駅は死ではなく、天国へと駅の名前自体が書き換えられてしまうようなものです。

 では、次は第2章「よい知らせを聞きなさい」から、再び学んでいきたいと思いますm(_ _)m

 それではまた~!!






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 讃美の力。-神の力を体験す... | トップ | 讃美の力。-神の力を体験す... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

キリスト教」カテゴリの最新記事