読む日々

テーマばらばらの読書日記

ポニーテール

2012-05-18 | 
重松 清「ポニーテール」

 
ステップファミリーの始まりから、落ち着くまでの半年を描いた物語。

小4のフミの目線を通して語られているのかとばかり思っていたけど、ラスト近くになって、亡くなったフミの母が書いた?という形式みたい。

小6のお姉ちゃんことマキのクールさに最初は振りまわっされっぱなしのフミだけど、マキのぶっきらぼうな優しさや強さを理解し、お姉ちゃんと同じ髪型(=ポニーテール)に憧れて髪を伸ばしていくまでの日々のあれこれ。


もう、泣けて泣けて泣けて
人前では読めません。

特に、亡くなった母の目線、と気付いてからは、一行毎に涙が出てきて困った。

小2で、愛児を遺して亡くなるなんて、どんだけ切なかっただろう。
そして夫が、新たに愛する人を見つけて、新しい家庭をぎこちなく作り上げていく様子を「よかった」と思ったり、「悔しい」と思ったり。
そして娘への大きな愛と、娘を愛してくれる新しい母や姉への感謝・・・がぶわ~っと胸に迫って来ました。

これはオススメです。

満足度100

ドラマ化しないかな・・。マキのイメージは福田麻由子だけど、もう大人だしなあ。フミは愛菜ちゃんでいいと思う。
亡くなったお母さんは木村多江。今のお母さんは原日出子のイメージだけど、年が行きすぎているから、だれがいいかなあ。

とか、想像するとすごく楽しい。

一方通行

2012-05-18 | 絵本
「一方通行」クラウス・コルドン作/松沢あさか訳/いより あきこ絵


大好きなクラウス・コルドンの本。
児童書は一回、懲りたんだけど、見つけたらどうしても読みたくなって借りてみました。

舞台はドイツの北の方の街。世代はたぶん、私よりも少し上かなあ。
中学生の間で麻薬がはびこる、怖ろしい状況下のお話。

ある日やってきた転校生のインガという女の子と、その近くに住む、生まれた時から仲良しという位の同級生男子3人組。
一人の男の子アンディがインガと親しくなり、彼女を救おうとして逆に絡め取られていく話。


怖いけど、いろいろ考えさせられました。さすがコルドン。
こんな国の体制自体がまずいわけだし。
その中で子どもたちは思春期の難しさと、自分の良心との戦いなんかを通して、ひと夏で成長していきます。

絵は日本で付け足されたものですが、原作とピッタリ合っていて素敵でした。


満足度90