読む日々

テーマばらばらの読書日記

エルクの日記

2013-02-18 | 絵本
「エルクの日記」A.ローズ作/清水真砂子 訳/喜多迅鷹 画


ベルギーのアントワープに住んでいた、ユダヤ人の女エルクの日記。
作者自身の体験が主らしい。

ナチスのユダヤ人弾圧の影が、ドイツ国内だけでなく、ベルギーにまで落ちてきつつある1939年。アメリカに移住した母母方の叔父を頼り、移民申請をするが、両親はオーストリア生のため、もう枠がいっぱい。アントワープ生のエルクだけが移民申請を受理され、アメリカに避難。両親は奇跡的にブラジル移住が叶うが、ベルギーに残った友人、親族は悲惨な末路を向かえることに。

ほんの70年前。うちの父が生まれていた頃にこんなことが世の中で起きていた。日本はなぜドイツなんかと同盟を結んだのか。もっともABCD包囲網が酷くて、それら諸国と敵対する国と手を携えるしかなかったんだろうけど。

著者の体験なので、重たいです。が、子供たちは知るべきだろうな、と思います。
1985年の本。もうそこから30年経つのか…