読む日々

テーマばらばらの読書日記

坂ものがたり

2014-01-16 | 
藤原緋沙子「坂ものがたり」

江戸市中の坂を舞台にした短編4つ。
季節ごとにひとつずつ。


夜明けの雨ー聖坂・春
ひょろ太鳴くー鳶坂・夏
秋つばめー逢坂・秋
月凍てるー九段坂・冬


聖坂は、幼馴染みと別れたあと、奉公先の娘に惚れられ婿養子に入ったが、幼馴染みの娘の苦境を救おうとし、且つ姑の意地悪で道を外れる。

鳶坂は、出奔した妻を想い、2人で育てた鳶を見守る父と、父がはんたいする男と所帯を持つ為に父と離れる娘。そんな父に認められようと、娘の夫は無理をして…。

逢坂は、許婚者同士で一緒になるが、夫には女がいて…。堪忍袋の緒がきれた妻は、女の所にいる夫を訪ねる。

九段坂は、兄の敵を追う武士と、幼馴染みで今は叔母の割烹で働く彼を慕う庶民の娘。語り合うなか探すため、自分に言い寄る取り引き先の息子と、見つけたら結婚すると約束する。武士は娘の想いに気づくが、自害した嫂を慕う気持ちが強くて。


面白いんだけど、救いがなくて辛い読後感でした。

満足度60