高地トレの合間に、
早起きをして宿の近くを歩いてみた。
朝飯前に走る予定をしているから、
さらに早起き。
夜明け直後の散歩だ。
折角、遠路はるばる来たのだから、
メいっぱい楽しまないとね。
そこで、
出会った3つの花の話をしよう。
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ツリガネニンジン
は思い出の多い花の一つだ。
夏の終わりの頃、
秋のにおいが立ち始める頃に
よく近辺の高原にススキを見に行った。
このツリガネニンジンという名前は、
花の形が釣鐘に似ているところからつけられており、
根っこが朝鮮人参の根に似ているところからきているのだ。
したがって、
華奢な花のわりに
根っこがしっかりしているということだ。
だから草原などで
野焼きをしても、
その立派な根っこから
速やかに花茎を再生して花を咲かせるので、
ススキの群生している草原などで
良く見られるのだ。
どことなく秋の気配が漂う風に
小さな花をゆらゆら揺らす姿は、
季節感たっぷりの風情だ。
もし、本当の釣鐘のように音がなったら、
夏の終わりの草原はさぞややかましいことだろう。
この
マツムシソウも、
晩夏の高原に咲く花だ。
ただし、あまり近辺で
咲いている姿を見かけることはない。
僕が近畿で見かけたのは、
三重県にある青山高原ぐらいやな。
大柄なわりに
女の子の服みたいな
フリフリのフリルをつけて、
勢いよく踊りすぎたスカートのように広がっている。
さしずめ
山の舞踏会やあ
この花は、見てのとおりの名前。
ネジバナ
別名は「モジズリ」というが、
こちらが昔からの名前。
福島県信夫(しのぶ)郡の絹布の染物
「捩摺(もじずり)」のねじれた模様からきているらしい。
モジズリとワープロで打つと
「文字刷り」と出たりするから
職業柄、
ドキンとする名前だ。
百人一首で河原左大臣が
「みちのくの しのぶもじずり誰ゆえに
乱れそめにし われならなくに」
と詠んでいる。
この花は野生のランの中でも
もっともポピュラーな花で、
わしの住んでる市で
野生ランがあるとすれば
この花以外にはないだろう。
しかし、
それにしても見事にネジレて咲いている。
そんなに身をよじるのは、
喜びのせい?
それとも悲しみのせい?
そっと、花に耳を寄せて
聞いてみても
静かに風に揺れているだけでした。あったりまえ