毎年春のこの時期になると
旅に出たくなります。
昨年は東北、そしてその前は
東北、若狭、九州に出かけていました。
これは以前の職場の習性が
まだ残っているせいなのかもしれません。
新年度を迎え、今の時期は仕事も一段落しているし、
GWを前にしているから大仕事も控えていないので
気持ち的にホッとする時期だったのでしょう。
それにマラソンもシーズンオフとなるし、
トライアスロンは宮古は別にして
シーズンの前の静けさでしたから、
一年で最も気持ちに余裕がある時期だったのかもしれません。
退職した今となっても
世間の桜の時期が過ぎ去って、
マラソンもトライアスロンもなく
静かな日常に浸っていた今頃は、
やはり習性のように
旅をしてみたくなるのだろうと思っています。
その習性は、やはりミセスにも伝染していて、
なんとなく旅に出たくなる時期やねえと申しておりました。
で、今年は、いろいろと検討した結果、
信州方面に行くことにしました。
すっかり桜も散ってしまったこちらと違って、
まだまだこれから桜が満開を迎えようとしているだろうと考え、
今年の名残の桜を見に行くことにしたのです。
桜もまた旅心を刺激する要素のひとつなのかもしれません。
まず最初に向かったのは、岐阜県の下呂温泉です。
信州に向かう途中の温泉ということで
思い浮かんだのがそこでした。
中部地方のたいていの有名温泉は訪れているけど、
実はここは初めてでした。
下呂温泉は「日本のまん真ん中」というのを売りにしています。
日本の人口重心地は2000年以降「関市」と発表されていますが、
誤差の範囲内でしょう。
ところで、「下呂」と聞けば何を思い浮かべるでしょうか・・・
ただ「温泉」としかでてこないでしょ。
そうなんです、もう少し行けば「高山」や「奥飛騨」などもありますし、
高速道路を降りてからも少しありますから、
どうしても見過ごされがちなんですよね~。
これといって特徴もないし・・・
でも行ってみたらこれがなかなか良い所でした。
江戸の儒学者、林羅山が
有馬温泉、草津温泉と並んで
日本三名泉に数えた温泉だそうです。
温泉街にある林羅山の像
泉質はアルカリ性単純温泉で、透明な湯。
アルカリ温泉にありがちなヌルヌル感も少なめで、
万人向けの湯と言えるでしょう。
気になるのはその「下呂」という名前です。
その語感はあまりいいものではありません。
もとは「湯之島」と言われていたのですが、
昭和になって「下留(しものとまり)」
という地名が「げる」と呼ばれていたのが
転じて「げろ」といわれるようになり、
それに「下呂」の字をあてるようになったのだそうです。
最近ではこの変な地名を逆手にとって、
「げろ」→「ゲロ」→「ゲロゲロ」というところから、
蛙をマスコットにして、
蛙の形をしたさるぼぼなどという奇妙なお土産を作ったり、
温泉各所にカエルのオブジェを置いたり
カエルマスコットを多用しています。
ご想像通りに「無事カエル」や「お金がカエル」
などという財布に入れておこう的人形も
かなり取り揃えられております。
doironが泊まった宿の玄関にもこれがありました。
6匹のカエルで「迎える」というそうです。
そしてこれは下呂の「どんびきガエル」
ブリキのカエルには
「無事カエル」、「お金がカエル」、「生きカエル」
という名がついています・・・というのはウソ。
これはdoironの創作です。
温泉街を歩くと、チャップリンの銅像もありました。
しかしかつて、彼がこの温泉に来た、
ということは一切ありません。
映画について語りながら
楽しく温泉街を歩いてもらおうという趣向だそうです。
かつてチャップリン映画祭も催されたとか。
さらに今はこんな「いで湯卓球大会」も催されているそうです。
まさかラケットがスリッパ・・・ということはなさそうです。
スポーツで汗をかいた後は温泉とビール。
もうこれは娯楽の王道ともいうべき取り組みですね。
とまあ、そんな具合に観光協会も
温泉興しに一生懸命頑張っておられます。
もう少しこのゲロ温泉の話続きます。