山歩yamapoと冒険山行のエバ夫婦・・・
様茶平(山)さまちゃんぺやま (999.2m)
暴風雪・直下900mで登頂断念・下山ルートであわや遭難?・・・
■ 山 行 日 2015年1月20日(火) 日帰り
■ ル ー ト 下金山林道~様茶平東斜面ルート 往復
■ メ ン バ ー CL山歩、チーヤン、エバ
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「空沼岳」「恵庭岳」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「サマチャダイラ」
■ コースタイム 標高900mまで 登り 2時間45分 下り 3時間35分
今回のコースタイムは参考にしないで下さい。特に下りではルートミスでロスタイム大きいです。
赤が登り、緑が下りルート
★ 様茶平(山)・・・
様茶平 999.2m 三等三角点の山で漁岳の北東3.8キロ、空沼岳の南3キロ地点に位置する山で
地形図には山名が無い。登行記録も少なくマイナーな山ではあるが3月~4月の春山として徐々に知
られつつある山かも知れない。その呼び名も諸説あるが「さまちゃんぺ」とか「さまちゃだいら」と呼ぶ
らしいが本命がどれなのか今のところ不明である。
マイナーだけにネット上では、ルートが1つしか見つからず国道453号線札幌支笏湖線の漁川に架
かる「奥漁橋」の先にあるヘアピンカーブから出合う漁川林道が登山口となるところだ。
この林道を利用して漁川左岸沿いに西へしばらく進むと漁川590二股の右股沢沿いに進路を変え
様茶平の南尾根南端を目指して北東に登り、後は頂上目指して北上するルートとなっていた。
山歩の計画ルートも同様と考えて、出合の林道に入ろうと思ったらなんと工事中の表示とゲートが
あり入る事が出来なかった。待合せの7:00丁度に着いた。
★ ロスタイム1時間40分・・・
携帯の電波が届いていた支笏湖付近で山歩からのメールを受信する。
「道を間違えて少し遅れます・・・」とのこと。
待ち合わせ場所に入れないので仕方なく駐車出来る漁岳林道出合の除雪スペースまで戻り
待つ事にした。しかし、携帯は圏外。山歩との連絡手段が途絶えてしまった。
一応、着替えを済ませて出発準備を整え合流後はすぐに出発できる体制だったが、果たして
この場所が判るだろうか・・不安だった。
30分以上経ってから札幌方面に向かって移動する事にした。どこかで擦れ違うか携帯が使える
ところで電話をしなければと思った。
そして、ようやく電話とメールが通じ合流出来た。
ただ、待ち合わせ場所も登行ルートもまったく違うと分かり「打合せ不足」にショックは隠せない。
それでも別のルートを考えていた山歩の案を重視し、今回の下金山林道を登山口とする地形図上の
597標高点のあるヘアピンカーブの除雪帯に向かった。
この時すでに吹雪状態・・・
時間も8:30を過ぎようとしていたが、山歩のやる気に押され「行ける所まで・・・」と
出発する事にした。
★ 山歩の初リーダー・・・
予想もしていなかったルートに再度地形図を睨みながら全体の地形とルートをイメージする。
尾根にさえ登ればアップダウンは多少あるが、忠実に辿れると直感した。
しかし、問題は頂上直下の東斜面だ。
等高線が異常に狭くガケ記号もあるので断崖を思わせる絶壁ならどうしょう・・・と不安だった。
でも、今日は山歩発案で初リーダーの登行に乗っかりチーヤンの今季初山スキーでもあるので、
吹雪と言う最悪のコンディションではあるが敢えて決行することをお願いしてスタートすることになった。
登山口となった国道453号線下金山林道出合のある標高点597付近 (下山時に撮影)
★ 下金山林道ルート・・・
8:40 出発 吹雪
ヘアピンカーブの少し札幌寄りに林道の出合があるが、非常に不明瞭で分かり難い。
しかし、地形図と照らし合わせながらそれなりに予測できる林道を辿ると少しずつ高度を
上げながら尾根に近づいていた。
いつものようにピンクのテープを付ける習慣は忘れない。
これが後に命のテープになるとは夢にも思わなかった・・・。
尾根上でリードする山歩
★ 山歩・苦手な山スキー・・・
どことなくぎこちない山歩の山スキー
でも、登りではしっかりと着いて歩けるようだったのでちょっとホッとしていたが
わずかでも下りになるとすぐに転んでしまう事が始めて分かった。
尾根上でのラッセルは交代しながらもやはり5:3:2の割合で初リーダーには負担は掛けられない。
登行中ずっと降っていた雪も時々止み、天気予報も午後から回復する?と思っていたので
テープはいつもより少なく付けていた。しかし、三つ目の770コブに付いた頃から風雪が強くなり
視界も悪くなってきた。コブの東斜面に出来た雪庇の下が少し風が弱かったので休憩を取り行動食を
口にする。
ここからは進路を西に顕著な尾根の下りでその先には漁川林道とぶつかりカーブミラーがあるという
山歩の情報だ。
この時はまだ好天の兆しがあったのに・・・
★ 悪天・視界不良・雪壁・・・
情報通りカーブミラーを見つけた時はホッとした。
ここから頂上までは距離750m、高低差は約230mと分かりもしかして・・・
と初登頂の兆しが見えて嬉しかった。コンパスをほぼ真西に合わせ少しずつ広くなっていく
尾根から斜面に繋がるルートを登って行く。そしてテープは多めに付ける事にした。
少しずつ高度を上げながら標高約850mに着いた頃目の前には壁のような急斜面が現れた。
地形図で見た不安が当たって「もう無理だな」と思いつつ、他の抜け場所がないか探そうと
スキーでジグを切りながら・・と考えたが、すぐに思い直しスキーをデポする事にした。
ピッケルもアイゼンも無くストックだけが頼りも少し硬いグラニュー糖の雪質はアリ地獄の
ように雪が崩れ足場の確保が出来なかった。それでも何度も踏み直しながら一歩ずつ登りこの
壁を越えようと頑張って見た。しかし、大きな岩や崩れる足場の雪、更に風雪が強くなって来る。
一番下に居た山歩が上に居る私を見て首を横に振り「もうここで止めよう・・」と訴えていた。
標高は約900mに達し頂上まであと100mを切っていたところだが、仮にここを登り切っても
下りの事を思うと今日はここが限界とうなずく。
★ 登頂断念・下山・・・
11:25 下山開始
三人一緒の写真を撮りたかったが、風雪に負けて三脚を出す余裕が無かった。
スキーをデポした850までは滑り落ちるようにあっという間に着く。そして、下りのスキーはやはり早い。
ただ吹雪で視界不良。降りる方向は分かるも一面の樹林帯はどこも同じように見えて迷わされる。
ほんの2~30分前に付け残したトレースも全て風雪に消えていた。
登行を断念した様茶平頂上直下の東斜面900m付近にて
同場所にてチーヤンとのツーショット
登行中止した場所からの下山、この写真が最後でした・・・。
★ 命のテープに安堵・・・
カーブミラーから多めに付けて来たピンクのテープが本領を発揮する。
視界不良の中最初のテープを見つけるとその次のテープも確認出来た。
そうなれば「帰れる・・・」安心感で安堵し気持ちに余裕が出来るから不思議だ。
漁川林道の出合まで順調に降りて来た。
ここからは小さな尾根を登り返し、まずは770コブを目指す。
ここでもトレースはまったく消えていて頼るは地形図とコンパスそしてなによりテープの存在が大きい。
770コブの雪庇下で休憩を取り次は730コブを目指す。
登りの時尾根がはっきりしているとテープはコブとコルにしか付けていなかった。
730コブでテープを発見、回収して次は少し方向を変えて東の尾根を辿るはずも、
余りに直線的に延びる尾根を見て不安となり立ち止まる。
地形図とコンパスで確認すると進む方向は違っていないと判断するが、登り時のイメージと違う
景色に山歩のGPSでも確認をお願いした。一旦730コブ付近まで戻りGPSの示す方向は、南だった。
★ 間違いの始まり・・・
視界は20~30mで吹雪状態。
GPSの示す方向を信じて南の方向へ尾根を下り始めた。
今思うと、ここが間違いの始まりだった。
正解は、730コブから一旦東の尾根を100mほど辿りその後南の尾根に乗り換え標高点697mを
辿れば最後の710コブへは問題なく着いていたはずだった。
間違いは、730コブからすぐに南側を辿ってしまった事。
その結果、急斜面を下ってしまい沢まで来てしまった事だった。
GPSを使った事の無い私がその機能も性能も分からず頼り切って居た事も大きな失敗だった。
迷った時の基本に戻り、730コブでゆっくりと地形図を確認して進む方向を判断していれば・・・と
悔やまれてならない。
沢に降り切ってから我に戻り、見える範囲で全体の地形を見渡す。
地形図上のどの位置に自分たちが居るのか、それが判れば帰る道がはっきりするはず・・・
もう正しいルートでない事は明らかで、読図で目途を付けた上で山歩のGPSを最後に見てもらった。
そして現在地を特定する。
沢と対峙している東側の斜面を約150m登り返すと710コブがあると読んだ。
すでに時間は14時近くになっていてチーヤンも山歩も不安は隠せない思いだったと思う。
もしこの読図が間違いでまったく別の場所に登っていたら「遭難」の二文字が頭上を巡った事だろう。
急傾斜の斜面をジグを切りながら一歩ずつ登って行く。登るに連れ見た事のある景色が蘇えって来た。
それは710コブから見た730コブの景色だった。
そして登り切った時、その奥にピンクのテープが風になびく命の光に見えた。
登山口から710コブまでは頻繁にテープを付けて来たので「これで帰れる・・」と確信した場面だった。
15:00 登山口到着
冬山山行ギリギリの下山タイムだった。本当にお疲れ様。
山歩 yamapoのブログ「私の山」はこちら
【山歩 yamapoさんへ】
山歩の初リーダー山行にその大胆な計画と意欲に敬意を表します。
ほとんど冬山の経験も無くつい先日山のメーリングリストの仲間と冬山体験ツアーを経験したばかりで
この場所へ挑もうとする発想に心打たれました。妻チーヤンと共に参加出来て良かったと思っています。
帰路の車中、妻との会話で「私たちだけならあの天気じゃ最初から中止にしていたね(笑)」でした。
待合せ場所も大きく違っていた事、当然登行ルートも違い更に道を間違えて遅れた山歩リーダー。
携帯が使えない状況の中で互いに取った「電波の通じる場所」を目指したことが合流出来たキッカケ
でしたね。予想に反する天候でしたが、私はあの登山口で中止にはしたくありませんでした。
いくら山スキーが初心者でも本当の冬山を経験する絶好の場は、はやり未知なる現場です。
無謀とも言える大胆な計画はこれからもどんどん考えて下さいね。
でも行動は慎重に。身に付ける装備を始め、いざと言う時の対応策も準備して出掛けましょう。
今回の経験を良きものとして更なる飛躍を期待しています。
またどこかへ一緒の時はよろしくです。お疲れ様でした。ありがとう。
エバ
※アップ終了。2015.1.24
様茶平(山)さまちゃんぺやま (999.2m)
暴風雪・直下900mで登頂断念・下山ルートであわや遭難?・・・
■ 山 行 日 2015年1月20日(火) 日帰り
■ ル ー ト 下金山林道~様茶平東斜面ルート 往復
■ メ ン バ ー CL山歩、チーヤン、エバ
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「空沼岳」「恵庭岳」
■ 三角点・点名 三等三角点・点名「サマチャダイラ」
■ コースタイム 標高900mまで 登り 2時間45分 下り 3時間35分
今回のコースタイムは参考にしないで下さい。特に下りではルートミスでロスタイム大きいです。
赤が登り、緑が下りルート
★ 様茶平(山)・・・
様茶平 999.2m 三等三角点の山で漁岳の北東3.8キロ、空沼岳の南3キロ地点に位置する山で
地形図には山名が無い。登行記録も少なくマイナーな山ではあるが3月~4月の春山として徐々に知
られつつある山かも知れない。その呼び名も諸説あるが「さまちゃんぺ」とか「さまちゃだいら」と呼ぶ
らしいが本命がどれなのか今のところ不明である。
マイナーだけにネット上では、ルートが1つしか見つからず国道453号線札幌支笏湖線の漁川に架
かる「奥漁橋」の先にあるヘアピンカーブから出合う漁川林道が登山口となるところだ。
この林道を利用して漁川左岸沿いに西へしばらく進むと漁川590二股の右股沢沿いに進路を変え
様茶平の南尾根南端を目指して北東に登り、後は頂上目指して北上するルートとなっていた。
山歩の計画ルートも同様と考えて、出合の林道に入ろうと思ったらなんと工事中の表示とゲートが
あり入る事が出来なかった。待合せの7:00丁度に着いた。
★ ロスタイム1時間40分・・・
携帯の電波が届いていた支笏湖付近で山歩からのメールを受信する。
「道を間違えて少し遅れます・・・」とのこと。
待ち合わせ場所に入れないので仕方なく駐車出来る漁岳林道出合の除雪スペースまで戻り
待つ事にした。しかし、携帯は圏外。山歩との連絡手段が途絶えてしまった。
一応、着替えを済ませて出発準備を整え合流後はすぐに出発できる体制だったが、果たして
この場所が判るだろうか・・不安だった。
30分以上経ってから札幌方面に向かって移動する事にした。どこかで擦れ違うか携帯が使える
ところで電話をしなければと思った。
そして、ようやく電話とメールが通じ合流出来た。
ただ、待ち合わせ場所も登行ルートもまったく違うと分かり「打合せ不足」にショックは隠せない。
それでも別のルートを考えていた山歩の案を重視し、今回の下金山林道を登山口とする地形図上の
597標高点のあるヘアピンカーブの除雪帯に向かった。
この時すでに吹雪状態・・・
時間も8:30を過ぎようとしていたが、山歩のやる気に押され「行ける所まで・・・」と
出発する事にした。
★ 山歩の初リーダー・・・
予想もしていなかったルートに再度地形図を睨みながら全体の地形とルートをイメージする。
尾根にさえ登ればアップダウンは多少あるが、忠実に辿れると直感した。
しかし、問題は頂上直下の東斜面だ。
等高線が異常に狭くガケ記号もあるので断崖を思わせる絶壁ならどうしょう・・・と不安だった。
でも、今日は山歩発案で初リーダーの登行に乗っかりチーヤンの今季初山スキーでもあるので、
吹雪と言う最悪のコンディションではあるが敢えて決行することをお願いしてスタートすることになった。
登山口となった国道453号線下金山林道出合のある標高点597付近 (下山時に撮影)
★ 下金山林道ルート・・・
8:40 出発 吹雪
ヘアピンカーブの少し札幌寄りに林道の出合があるが、非常に不明瞭で分かり難い。
しかし、地形図と照らし合わせながらそれなりに予測できる林道を辿ると少しずつ高度を
上げながら尾根に近づいていた。
いつものようにピンクのテープを付ける習慣は忘れない。
これが後に命のテープになるとは夢にも思わなかった・・・。
尾根上でリードする山歩
★ 山歩・苦手な山スキー・・・
どことなくぎこちない山歩の山スキー
でも、登りではしっかりと着いて歩けるようだったのでちょっとホッとしていたが
わずかでも下りになるとすぐに転んでしまう事が始めて分かった。
尾根上でのラッセルは交代しながらもやはり5:3:2の割合で初リーダーには負担は掛けられない。
登行中ずっと降っていた雪も時々止み、天気予報も午後から回復する?と思っていたので
テープはいつもより少なく付けていた。しかし、三つ目の770コブに付いた頃から風雪が強くなり
視界も悪くなってきた。コブの東斜面に出来た雪庇の下が少し風が弱かったので休憩を取り行動食を
口にする。
ここからは進路を西に顕著な尾根の下りでその先には漁川林道とぶつかりカーブミラーがあるという
山歩の情報だ。
この時はまだ好天の兆しがあったのに・・・
★ 悪天・視界不良・雪壁・・・
情報通りカーブミラーを見つけた時はホッとした。
ここから頂上までは距離750m、高低差は約230mと分かりもしかして・・・
と初登頂の兆しが見えて嬉しかった。コンパスをほぼ真西に合わせ少しずつ広くなっていく
尾根から斜面に繋がるルートを登って行く。そしてテープは多めに付ける事にした。
少しずつ高度を上げながら標高約850mに着いた頃目の前には壁のような急斜面が現れた。
地形図で見た不安が当たって「もう無理だな」と思いつつ、他の抜け場所がないか探そうと
スキーでジグを切りながら・・と考えたが、すぐに思い直しスキーをデポする事にした。
ピッケルもアイゼンも無くストックだけが頼りも少し硬いグラニュー糖の雪質はアリ地獄の
ように雪が崩れ足場の確保が出来なかった。それでも何度も踏み直しながら一歩ずつ登りこの
壁を越えようと頑張って見た。しかし、大きな岩や崩れる足場の雪、更に風雪が強くなって来る。
一番下に居た山歩が上に居る私を見て首を横に振り「もうここで止めよう・・」と訴えていた。
標高は約900mに達し頂上まであと100mを切っていたところだが、仮にここを登り切っても
下りの事を思うと今日はここが限界とうなずく。
★ 登頂断念・下山・・・
11:25 下山開始
三人一緒の写真を撮りたかったが、風雪に負けて三脚を出す余裕が無かった。
スキーをデポした850までは滑り落ちるようにあっという間に着く。そして、下りのスキーはやはり早い。
ただ吹雪で視界不良。降りる方向は分かるも一面の樹林帯はどこも同じように見えて迷わされる。
ほんの2~30分前に付け残したトレースも全て風雪に消えていた。
登行を断念した様茶平頂上直下の東斜面900m付近にて
同場所にてチーヤンとのツーショット
登行中止した場所からの下山、この写真が最後でした・・・。
★ 命のテープに安堵・・・
カーブミラーから多めに付けて来たピンクのテープが本領を発揮する。
視界不良の中最初のテープを見つけるとその次のテープも確認出来た。
そうなれば「帰れる・・・」安心感で安堵し気持ちに余裕が出来るから不思議だ。
漁川林道の出合まで順調に降りて来た。
ここからは小さな尾根を登り返し、まずは770コブを目指す。
ここでもトレースはまったく消えていて頼るは地形図とコンパスそしてなによりテープの存在が大きい。
770コブの雪庇下で休憩を取り次は730コブを目指す。
登りの時尾根がはっきりしているとテープはコブとコルにしか付けていなかった。
730コブでテープを発見、回収して次は少し方向を変えて東の尾根を辿るはずも、
余りに直線的に延びる尾根を見て不安となり立ち止まる。
地形図とコンパスで確認すると進む方向は違っていないと判断するが、登り時のイメージと違う
景色に山歩のGPSでも確認をお願いした。一旦730コブ付近まで戻りGPSの示す方向は、南だった。
★ 間違いの始まり・・・
視界は20~30mで吹雪状態。
GPSの示す方向を信じて南の方向へ尾根を下り始めた。
今思うと、ここが間違いの始まりだった。
正解は、730コブから一旦東の尾根を100mほど辿りその後南の尾根に乗り換え標高点697mを
辿れば最後の710コブへは問題なく着いていたはずだった。
間違いは、730コブからすぐに南側を辿ってしまった事。
その結果、急斜面を下ってしまい沢まで来てしまった事だった。
GPSを使った事の無い私がその機能も性能も分からず頼り切って居た事も大きな失敗だった。
迷った時の基本に戻り、730コブでゆっくりと地形図を確認して進む方向を判断していれば・・・と
悔やまれてならない。
沢に降り切ってから我に戻り、見える範囲で全体の地形を見渡す。
地形図上のどの位置に自分たちが居るのか、それが判れば帰る道がはっきりするはず・・・
もう正しいルートでない事は明らかで、読図で目途を付けた上で山歩のGPSを最後に見てもらった。
そして現在地を特定する。
沢と対峙している東側の斜面を約150m登り返すと710コブがあると読んだ。
すでに時間は14時近くになっていてチーヤンも山歩も不安は隠せない思いだったと思う。
もしこの読図が間違いでまったく別の場所に登っていたら「遭難」の二文字が頭上を巡った事だろう。
急傾斜の斜面をジグを切りながら一歩ずつ登って行く。登るに連れ見た事のある景色が蘇えって来た。
それは710コブから見た730コブの景色だった。
そして登り切った時、その奥にピンクのテープが風になびく命の光に見えた。
登山口から710コブまでは頻繁にテープを付けて来たので「これで帰れる・・」と確信した場面だった。
15:00 登山口到着
冬山山行ギリギリの下山タイムだった。本当にお疲れ様。
山歩 yamapoのブログ「私の山」はこちら
【山歩 yamapoさんへ】
山歩の初リーダー山行にその大胆な計画と意欲に敬意を表します。
ほとんど冬山の経験も無くつい先日山のメーリングリストの仲間と冬山体験ツアーを経験したばかりで
この場所へ挑もうとする発想に心打たれました。妻チーヤンと共に参加出来て良かったと思っています。
帰路の車中、妻との会話で「私たちだけならあの天気じゃ最初から中止にしていたね(笑)」でした。
待合せ場所も大きく違っていた事、当然登行ルートも違い更に道を間違えて遅れた山歩リーダー。
携帯が使えない状況の中で互いに取った「電波の通じる場所」を目指したことが合流出来たキッカケ
でしたね。予想に反する天候でしたが、私はあの登山口で中止にはしたくありませんでした。
いくら山スキーが初心者でも本当の冬山を経験する絶好の場は、はやり未知なる現場です。
無謀とも言える大胆な計画はこれからもどんどん考えて下さいね。
でも行動は慎重に。身に付ける装備を始め、いざと言う時の対応策も準備して出掛けましょう。
今回の経験を良きものとして更なる飛躍を期待しています。
またどこかへ一緒の時はよろしくです。お疲れ様でした。ありがとう。
エバ
※アップ終了。2015.1.24