エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

15年ぶりの十勝幌尻岳 (1846m)

2023年10月05日 | 山紀行 (日高山系)
15年ぶりの再訪・・・
師匠と二人で 十勝幌尻岳(1846m)
■ 山 行 日       2023年10月03日(火)     日帰り
■ ル ー ト        オピリネップ川コース 往復
■ メ ン バ ー        K氏、エバ
■ 登 山 形 態         登山道
■ 地 形 図       1/25000地形図 「札内岳」「拓成」
■ 三角点・点名      二等三角点・点名「幌後岳(ポロシリダケ)」
■ コースタイム      登り 4時間27分    下り 3時間35分
<登り>
06:43           登山口(駐車地) 発
07:37           沢コースとの分岐点   
07:55~8:07      尾根取付き C940付近 休憩
09:08           標高1284地点通過 
10:43           北尾根合流点 C1730付近
11:10           十勝幌尻岳 (1846m) 頂上 

<下り>
11:20           下山開始
11:35           下降尾根出合 C1730付近
12:20~35        C1430付近 (テン場あり) 休憩
13:45~55        沢 (オピリネップ川)出合 C940付近 休憩 
14:25           沢コース分岐点
14:55           登山口(駐車地)



GPSログを参考に地形図に移行したルート図です


10/03 剣山山荘から十勝幌尻岳登山口に向かう途中で見た虹

★ 師匠からのお誘い・・・
以前から山に誘って欲しいとお願いしていたところが、早々現実になった。
師匠は某山岳会の会友でもあるが、新人会員が多く高齢ながらその指導的立場で山に案内する事が
多いらしい。
今回の「十勝幌尻岳」もその候補として選び、偵察登山として私を誘ってくれた。
師匠Kさんと二人で登るのは、2015年8月に登った「留取岳 (1350m) 」以来8年振りの事で、
お互い歳も取りジジ二人の山行と言っても過言では無い。

前日私の仕事を終えるのを待って夕方師匠の車で出発する。
前泊は「剣山山荘」だが、天気予報が外れて途中からずっと雨となり、現地に近づくと風も強くな
って最悪の状況だった。しかし、互いに「そんな事は気にしない・・」とばかり山荘に着いたらす
ぐにストーブに火を入れて小屋を暖め安着の準備を手際良く進めた。
<補足>

剣山の登山口にある「剣山山荘」は清水山岳会が清水町から委託され管理している山荘で無人。
随時利用可能で無料、薪ストーブ、蛍光灯、トイレがあり最大50人は泊まれる小屋である。
隣にある剣神社の広い駐車場が利用出来るので便利であるが、以前出ていた水は止められているよ
うなので注意が必要だ。


安着をする頃になると外は増々風と雨が強くなり、明日の山行が危ぶまれるところだが、それ以上
に二人で呑む酒の方が重要とばかりに音は気にせずに乾杯となった。ただこの時私は風邪を引いて
いて声はガラガラだし、喉も少し痛い状態だったのに何食わぬ顔してビール缶を手にしてしまった。
するとどうだろう・・・アルコールで喉が消毒されたのか急にガラガラ声が無くなりスッキリ。
熱も無く普通に戻った感じで次は、師匠が持参した鹿児島の焼酎に手を付けた・・。
つまみはセコマのカツ丼、ご飯を食べたらお腹いっぱいになりカツはちょっと重かったかも・・?

貸切の山荘、21時過ぎには就寝体制とし短くも楽しい時間を過ごした。


★ 取り敢えず現地まで・・・
起床 3時。朝食はナント焼きギョウザとコンビニ寿司の組合せ。
食後のコーヒーとデザートはバナナとトマトそしてヨーグルトだった。

雨風は朝も変わらずで、もしかして中止と思ってしまったが、その言葉は遂に無し。
計画は5時出発で取り敢えず現地まで行く事になった。
本来、偵察登山だったので雨が降っていても現地までの調査は必要。オピリネップ林道の状態や
そもそも登山口まで車が入れるのか等、師匠にとっては知りたい情報が山積みだった。



オピリネップ林道出合から約2㎞にある登山口駐車場と簡易トイレが奥にある

★ 小雨の出発・・・
剣山山荘から約1時間で十勝幌尻岳の登山口に着いた。
山の上だけ曇っているが、下界の街の方は青空が広がっている状態。天気予報は晴れなのに山だ
けは少し違うのだろう・・。到着時も小雨がパラツク天候だが、ここでも中止の声は無く自然と
出発の準備が始まっている。

雨具上下を着て、6時43分の出発だった。(予定より15分ほど早い)
平日とこの天気なので駐車場は私たちのみ。ジジ二人の山行がスタートした。



登山口入林ポストと登山口標識


登山口から沢までの登山道は笹刈りされていて歩き易かった。

★ 姿を変えたオピリネップ川の登山路・・・
15年前の記憶はほとんど残っていないが、あの頃は沢の出合まで車が入れた事は覚えていた。
なのでこの駐車帯が以前もあったかどうかは覚えていない。そして、現在の登山口から沢までの
登山道も記憶が無いので新たな道を歩く気分である。

ガイドブックによると下の土場と上の土場があって、以前は上の土場まで車で入ったのかも知れ
ない。今回停めた駐車地は下の土場だったとすると記憶にないのも合点がいく。登山口から川出
合までは10分ほどだが、出合からルート上には異常な数でピンテが付けられていた。しかし、
それも程なく理解出来るルート取りで、もしピンテが無ければルートに迷う事は確実なほど不明
瞭な沢沿いを歩く事になるだろう。

C900二股付近までは新たな登山路も開削されたようで、キレイに笹刈りされた登山路をピン
テに従って登る事が正解のように思えた。
二股からルートは左股に入るが、旧登山道と同じだろうと思えるルートだが、自信はない。
沢の上部が大きく崩壊し崩れた規模が半端なく沢を埋め尽くしていた。ピンテに従い少し登ると
C940付近からいよいよ東尾根への取付きとなる。



二度ほど渡渉があるが、橋が無いので増水時は無理かも知れない・・・


C900付近の二股で右に本流、左の支流側に進む・・・

★ 標高差約800mの急登・・・
途中、雨も止んで暑くなって上着を脱いだりしたが、また雨が降り出し再びカッパを着る。
さて、この山のメインイベントの始まりでここから頂上直下で出合う標高約1730mの北尾根
出合まで標高差約800mを登らなくてはならない。最初はジグを切りながら緩斜度で登り易い
が、標高1200m付近から尾根上をまっすぐな急登となり速度は落ちる。と言っても最初から
ジジの登行は遅く師匠のペースが私には丁度良かった・・。

尾根上の登山道も笹刈りされていて歩き易く感謝である。
登山道の脇をキョロキョロしていたのは、師匠Kさん。ボリボリ (なめ茸) やムキタケが所々に出
ていてその度に足が止まる。私には丁度良い休憩にもなるが、下りで採るのでキノコピンテを付
けてくれと言われて仕事が増えた。



ミネカエデの黄葉がとてもきれいでつい写真が撮りたくなる・・・約1400m付近。

★ 何だかんだの4時間半・・・
師匠が読んだ計画タイム通り、頂上には11時10分に着く。
ガイドブックでは、登り3時間50分なので、ジジ山行4時間30分は上出来かも知れないタイ
ムである (笑)

ジジと言ってもやっぱり汗は掻きシャツはしっとりと濡れている。
そこに時々異常なほど冷たい風が吹き上げ、その後にポツポツと雨が降り出すを繰り返した。
ジッパーを締めたり開けたりで体温の調節をしながらも確実に高度を稼いでいた。

北尾根出合まで約4時間を要したが、ジジペースが良かったのか体調の良くない私が登れたのは
師匠のお陰である。それは安心という保証があって緊張感を抱かない平静さが登れさせたのだろ
うと思った。

残念ながら頂上からの展望はゼロだったが、初冬を思わせる寒さの中で撮った写真は貴重である。



唯一のツーショット写真 十勝幌尻岳(1846m)頂上にて・・・

★ 滞在は10分、キノコ下山もまた楽し・・・
濡れた手袋に冷たい風が当たり頂上では手がカジカム程寒かった。
ガスで景色は無いし、風も強かったので写真だけ撮らせて貰った。師匠と撮るツーショットは貴
重な一枚になった。そして、僅か10分の滞在で下山とし、山に手を合わせた。

北尾根の出合から頂上まで登り30分だったが、下りは15分だった。更に登って来た東尾根を
下りるが半端ない斜度に「よくこの急登を登ったものよ・・」と自分たちを疑うほど急に見えて
ドンドン高度を下げて行った。

登りで付けて来たキノコピンテで足を止めで秋の恵みを頂く。ボリボリの色はあまり良くないが
元々場所によって違うのもボリボリの特徴で迷わず収穫する師匠は頼もしかった。私はただ採っ
たキノコを受取り袋に入れるだけ・・。終始、師匠の後ろから歩き時々下界のスッキリした景色
に癒される余裕さえあった。



旧作業道跡を利用したと思われる新たな登山道を戻る師匠・・・

★ 登ってしまった・・・
登り4時間半、下り3時間半、合わせて8時間を要したが、あの800mの急登とその下りも、
適度な休憩とキノコ採りも併せて無事下山出来たのは師匠のお陰に他ならない。風邪を申告せず
不安の中で付いて行く登山だったが、一緒に登っていて色々気が付く点を学んだ気もする。

楽しかった登山を振り返って見た時、そこにヒントと正解があったのだ。

師匠は、私が風邪気味だった事に気が付いていたと下山の後で言う。登れるか心配はしていたが
ダメなら降りるだけ。そう言って何も口にせず登らせてくれたのだ。

神様のような師匠に感謝しかない・・・。

帰路では、芽室町中美生にある国民宿舎「新嵐山荘」で汗を流し19時過ぎ無事帰宅した・・。


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