エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

日高・十勝岳 (1457m)

2023年02月20日 | 山紀行 (日高山系)
未踏1000m超峰シリーズ・・・
高齢者を悟る洗礼・・日高・
十 勝 岳
(1457m)
未踏1000m超峰 (346座/442座) あと96座
■ 山 行 日     2023年2月19日(日)  日帰り
■ ル ー ト     翠明橋付近~西尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №07
■ 登 山 形 態      スノーシュー
■ 地 形 図     1/25000地形図 「楽古岳」
■ 三角点・点名    三等三角点  点名「幌尻 ホロシリ」
■ コースタイム     登り 5時間25分     下り 2時間58分
<登り>
07:20         登山口P帯    
08:20~25      C700付近 (休)
09:30         C920付近 (休)
10:30~35      C1080付近 (休)         
10:52          標高1148地点
12:45          十勝岳(1457m)頂上

<下り>
13:00         下山開始
14:15          標高1148地点         
15:58          登山口P



GPSを地形図に移行したルート図です・・

★ 日帰り遠征で決行・・・
19日から3日間の予定で夫婦登山を模索していたが、南も北も天気予報が思わしくなく泊り山行
の決行には至らなかった。そんな中でYAMAPの山行報告を見ていると南日高の十勝岳~オムシ
ャヌプリ縦走・日帰りの報告があり注視する。どちらも妻チーヤンの未踏1000m超峰だっただ
けにチャンスかもと検討して見た。

天くら、その他のウェザー予報は19日Aで20日はCだった・・。
わが家から天馬街道までなら3時間で行けるだろうと日帰りで臨む事にした。そして、縦走はもう
無理な高齢者と悟り、十勝岳1本に絞ってとにかく現地へと車を走らせる。

丁度3時間で現地到着。
「翠明橋」手前に大きく除雪されたスペースがあり、ここに車を停める。この場所は十勝岳西尾根
の末端部分でもあり、トレースも残っていた。



トレースは有難かった。しかし、深く急登に喘ぐ・・・

★ 最初から深雪の洗礼に喘ぐ・・・
トレースはあるが、その跡を踏むと更に沈む柔らかさ。軽く膝まで埋まり一歩が遅い。
一応ジグを切ってくれている場所はなんとか前に進むが、急斜面の直登場面ではグラニュー糖の雪
質に喘いだ。登山口の標高は約470mだが、100m登るだけで30分以上を要してしまった。
汗は一気に噴き出てゼィーゼィーは止まらない・・。

トレースがあるのに、最初から厳冬期の洗礼を受けたか!と先が思いやられた場面だった。



左にオムシャヌプリを望みながらの登行・・急峻な日高の山を実感する


遥か向こうに見えたのは目指す「十勝岳」か?

★ タイム制限・・・
当初の予定より出発は約1時間遅くした。「十勝岳の往復だから・・」と少し甘く見ていたのも事
実。登り4時間・下り3時間とみて出発は7時半でも大丈夫と変更したのだった。だから登りのタ
イム制限は11時半とし、これを過ぎたら下山と決めて登っていた。

しかし、11時半の時点でいた場所は標高1191付近を少し過ぎた場所だった。前方には頂上を
望みながらもここで敗退か・・と情けなかった。もう4時間も登って来たのに・・・。

協議の結果、「最大12時半までにしよう」と決め奮起する。つまり登り5時間である。



700~900m付近の尾根では、こうした痩せ尾根が随所にあり緊張する・・


左右木が多いと少し安心・・・


右には雪庇もあるが、展望が開けてちょっとだけ緊張が解ける・・


さっきまで見えていた頂上部が見えなくなる。まだ遠い道のりだ・・・


間もなく頂上肩、私はもうヘロヘロで写真を撮る・・・

★ 5時間25分も頑張ったさ!・・・
登りの途中で足が攣ったのは私・・・。
いつも常備しているツムラの漢方薬「芍薬甘草湯」を飲む。嘘のように飲んだその後から痛みは無
くなり歩けるようになる魔法の薬だ。

痩せ尾根のアップダウンを何回繰り返しただろうか?タイム制限を超えても登り続けるのは何のた
めか?といつもこういう状態になるとぶり返すネガティブな考え方。高齢者とはまだ認めたくない
のか、アップされている記録のタイムは3時間半前後だと言うのに、5時間でも辿り着かないのは
・・・と体力・気力・持久力の違いを思い知らせれる。

もうそこに頂上があるから止める訳にはいかない。

そして、12時45分。
遂にその頂に辿り着いた!甘く見た4時間はおろか5時間でも辿り着けなかった。
特別な訓練をしている訳でも無くただ歳を重ねて65歳。世間で言う高齢者はおまえ・・つまり私
なのだと自覚した。もうヘロヘロで精魂尽きた感の頂上だった。

妻チーヤンも頑張った!よく私に付き合ってくれたと感謝である。
今シーズン最初の未踏1000m超峰シリーズでの初登頂。久しぶりにハグをして喜び合った。




2/19 (日) タイムアウトで諦めかけた「十勝岳 (1457m) 」チーヤン初登頂!

★ 僅か15分の滞在・・・
頂を踏んだ瞬間って「勇気」と「力」が沸く瞬間でもある。
精魂尽きてヘロヘロだったはずの私が、どんどん元気を取り戻す。やり遂げた安心感なのか?あと
は降りるだけという安堵感なのか?遂にやったという達成感もあった。これでシーズン初の未踏の
一座を制した事が嬉しかった・・・。

景色は見えない。
オムシャヌプリへの下り尾根と楽古岳へ続く稜線だけは見えた。
しかし、天気の回復を待ち望む時間など無い。登頂後すぐに「下山は13時にするぞ」と言って先
ずは写真を撮り、行動食を頬張る。あっと言う間の15分。あっと言う間の13時だ。



また、頂上部は見えなくなって来た。この後天候は悪化し細かい雪の吹雪と化す・・

★ 確信する下りの3時間・・・
登りで5時間越えは、想定外の「高齢者登山」だった。
しかし、下りではまだ負けない自信があった。だから3時間で降りられると心の中で確信していた。

頂きを踏んで元気を貰い、沢山あったアップダウンの痩せ尾根も登って来たトレース痕は本当に安
心材料なのだ。トレースルートに導かれ走り出すように下って行く・・イメージで降り始めた。

いつもノートにメモを取るのは、下りの予想タイムを出すためでもあり、ここまで登りは何分だっ
たから下りなら何分だな・・と分かって来る。緊張して来た痩せ尾根もそこを辿って来たトレース
でサクサクと通過出来、怖くはない。

スノーシューの前歯が利いて急斜面の下りもしっかり止めてくれる。

下りでも足は攣って、再び「芍薬甘草湯」を飲んでしまったが、効き目は抜群だ。



写真では判り難いが左右に切れ落ちた痩せ尾根が続く。


上と同場所、頂上が再び見えた。スノーシューも下りはやはり早い。


下りのトレースは安心感をもたらす。なので足取りは軽かった・・・攣ったけど 笑


広く平らな尾根は休憩地となるが、下りではほとんど無休憩だった・・・


アップダウンの尾根も間もなく終了・・・

★ 無事下りてなんぼ・・・
下りの途中は、天気予報通り荒れて来た。
すぐに頂上部は見えなくなったし、両隣のオムシャも楽古も見えなくなった。
風も出始めて、細かい雪が頬に打ち付ける。しかし、まだ気温が高く打ち付ける雪も風も痛くは無
いし寒くないのが何より。順調に歩を進めほとんど休まずに下って来た。

最後の最後に喘いだあの場所で「尻滑り」して終了・・・。無事下山出来た。



ようやく安堵する場所を望む・・・

★ あと96座・・・
ジジババ夫婦もやれば出来る!
南日高の未踏峰を日帰りで制し帰宅。帰路は大荒れでみぞれ模様。決めていた三石温泉で汗を流し
レストランで夕食を済ませた。

登山後に欲する塩分。
即座に塩ラーメンと言ったのは私。チーヤンはポテトフライだった・・・笑

道の駅で泊まる事も想定はしていたが、帰宅した安着も楽しみだった。
外は猛吹雪、今日の一日が夢のようだった・・・

未踏峰はあと96座。少しずつマイペースのジジババスタートでした。




帰路の♨ (三石温泉「蔵三」)とレストランで塩ラーメン大盛り




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2 コメント

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拍手 (GAKU)
2023-02-26 11:37:14
今年初の1000m超峰登頂おめでとうございます。
エバさんも芍薬甘草湯のお世話になる歳になったのに、標高差1000mもある深雪の長い尾根の往復をよく頑張りましたね。
チーヤンが一緒でなかったら途中で引き返していたのではないでしょうか。
夫婦登山成功に乾杯です。
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途中で止めてました 笑 (エバ)
2023-02-26 12:01:50
GAKUさん いつもコメントありがとうございます。

ご推察通り、意外に長かったあの尾根歩きと所々の深いラッセルで心臓はヒィーハァーでした 笑
ペースは落ちるし、足は止まるし、どんどんタイムだけは容赦なく進みます。
チーヤンが居なかったら、多分途中で止めてましたね・・・😢

明日は、もう一つの未踏に臨む予定です。

それでも夫婦登山だからのマイペースが許されるし、時間が掛っても止めるか行くかも二人で決めれば、誰も文句は言いません。
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