もうすっかり暑くなりましたね。
日が暮れるのが遅くなるのを見るたびに、夏を実感します。
うちわ 窓
(夕涼み)
さて前回は花火を紹介しましたが、
お祭りへ行くときは浴衣だと気持ちが華やぎますよね。
昨今流行のレトロモダン柄と呼ばれる浴衣や着物のモデルは、
大正時代にはやったデザインが基となってます。
色鮮やかで斬新な着物は、
今でも新しいおしゃれな感じがしますね。
当時流行だったこともあって、面白い模様の着物が
登場する絵葉書がたくさんあります。
物思い
(頬杖をつく女)
夢二は芸者や舞妓の華やかな姿をよく描いてますが、
力を入れて取り組んだのは、日常をテーマにしたイラストです。
そのため彼の描く女性は、かなり着崩しています。
着物の胸元を大きく開き、帯もふにゃりとゆがんでおり、
現代の私たちの感覚から見てかなりだらしのない雰囲気があります。
それは彼が飾らない姿を描いたこともあると思いますが、
当時の着付け方にも理由があったようです。
わたしたち現代人は着物を着るさい、帯板を使用します。
帯板を入れることで、ビシッとした美しい仕上がりになるからです。
そのため帯は立派になりすぎ、体になかなか馴染まないものになりました。
しかし戦前は、逆に帯板を使う習慣はありませんでした。
イラストや下の写真絵葉書などをよく見ると、
腰に沿って帯がしなやかに折れ曲がってます。
毎日着て生活していたからこそ、
気軽な着こなしができたのかもしれません。
当世風俗千姿
また夏といえば浴衣ですが
今は半幅帯や兵児帯で文庫結びやリボン結びにしますよね。
ですが大正から明治にかけて、
浴衣でも成人女性なら太鼓つくりできっちり締めていました。
きっと当たり前に夏服として浴衣を着付けていたので、
自分によく馴染んだ帯の締め方をしたのでしょう。
次回も素敵な夏の風物詩を紹介します。
お楽しみに!
次回は7月18日の予定です