絵葉書ロマン譚 絵葉書資料館ブログ

絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップ

加藤まさをと大正時代

2014-04-04 14:00:54 | 企画展

大正時代は不安定な時代でもありました。
生活文化が豊かになる一方、
様々な社会運動が世間を騒がしました。
関東大震災で打撃を受け、
復興と共に新たな戦争の気配が燻り臭う激動の時代。

そんな時代を生きる子どもたちに、
夢と希望を与えたのが雑誌であり、
挿絵画家が描く主人公たちだったのです。





花の精 薔薇


加藤まさをは静岡県で生まれ、13歳で両親と共に上京しました。
高校時代に美術教師の影響から様々な画集に触れます。
その時、イギリスの挿絵画家エドマンド・デュラックと出会ったのです。

エドマンド・デュラックは多くいた挿絵画家の中で、
批評家たちからも高い評価を得ていた画家の一人でした。




花の精 スイートピー



繊細なタッチや色彩で描かれた妖精やお伽話の挿絵は、
それまでの日本になかった魅惑的な異世界。
初めてみた加藤少年の心に衝撃が走ったことでしょう。


この出会いは彼の画風に多大な影響を与え、
挿絵画家としての運命を決定づけました。
大学に通う傍ら、彼は美術学校にも通い、
熱心に絵の勉強を始めます。
そして独自の抒情画を生み出しました。




灯影 手紙

彼の詩と絵が融合した世界観は多くの少女たちに支持され、
長く第一線で活躍したのです。





次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!






次回は5月9日の予定です