三越上 呉服陳列場
ポール・ポワレやシャネルの革新的なデザインに触発され、
次々と新しいモードが花開いた時代。
日本でもじょじょに洋服が着られるようになりましたが、
着物の姿の方が多かったそうです。
当時の流行と風俗を記録・研究していた今和次郎の調査によると、
銀座界隈を闊歩する男性の67パーセントが洋装であるのに対し、
女性は1パーセントほどしかいなかったとか。
しかしその着物にも、新しい流行の波が押し寄せてきておりました。
安くて丈夫な絹織物、銘仙が登場し、瞬く間に大正から昭和にかけて
女性のおしゃれ着の代表となりました。
銘仙の特徴は、何といっても豊富なデザインと、
一反十円と他の絹製品の半額ほどで購入できたことでしょう。
織物製造も機械化が進み、様々なパターンの反物を
短期間で生産できるようになりました。
百貨店とも関わりが深く、東京の三越呉服店では
明治半ばより「めいせん」と銘打って販売しました。
洋風の柄や色彩を積極的に取り入れ、
目新しいものを次々生み出し、一大ブームを築き上げます。
また、流行会というサロンを発足し、文化人を招いて
新作デザインの発表・販売促進に力を注いだとのことです。
絵葉書も重要な広告塔の一つとなり、
色鮮やかな銘仙でおめかしした女性が、
様々なシーンで登場します。
最新流行
これを見た当時の女性は、
気に入ったデザインとみつけると、
百貨店へ探しにいったのでしょう。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は12月の予定です