ふたりで出かけて帰ってきたとき。
車を車庫に入れるとき、
彼のキーの束を使うので、
マンションに入るときもそれを使えばいいと思うのだけれど、
彼はいつもいったんそれをポケットにしまい入れてしまって、
私がバッグの中やらポケットから自分のキーケースをそそくさと出して鍵を開ける、
というのが常でした。
なぜ彼のキーを使わせてくれないのか、
ずっと不思議でした。
先日、車をしまい終わったあとに、
彼にはキーを返さずに、
「せっかく出てるからこれで開けていい?」
とたずねました。
すると彼の返事。
「いったんここで鍵があるかどうか確かめておいた方がいいよ。
もし鍵がなくて、それに気づくのが明日の朝だったら大変だよ。
ぼくはやることには全部意味があってやってるんだけど。笑」
と。
それで、
なんだかとても感動してしまったのでした。
*****
「気づかないところで中原(主人公の名前)は色々守られてるってこと。」
(『幸福な食卓』より)
車を車庫に入れるとき、
彼のキーの束を使うので、
マンションに入るときもそれを使えばいいと思うのだけれど、
彼はいつもいったんそれをポケットにしまい入れてしまって、
私がバッグの中やらポケットから自分のキーケースをそそくさと出して鍵を開ける、
というのが常でした。
なぜ彼のキーを使わせてくれないのか、
ずっと不思議でした。
先日、車をしまい終わったあとに、
彼にはキーを返さずに、
「せっかく出てるからこれで開けていい?」
とたずねました。
すると彼の返事。
「いったんここで鍵があるかどうか確かめておいた方がいいよ。
もし鍵がなくて、それに気づくのが明日の朝だったら大変だよ。
ぼくはやることには全部意味があってやってるんだけど。笑」
と。
それで、
なんだかとても感動してしまったのでした。
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「気づかないところで中原(主人公の名前)は色々守られてるってこと。」
(『幸福な食卓』より)