後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔621〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑪ フランスロマネスクの真骨頂、トゥールーズとモワサックへ。

2023年10月23日 | 美術鑑賞
  9月1日(金)、ロンドン・セントパンクラス駅からユーロスターでパリ・北駅へ向かいました。北駅でまたしても待ち構えてくれていたのが愛さんでした。お忙しい仕事を差し置いて駆けつけてくれたのです。北駅からパリ・モンパルナス駅の移動を心配してのことでした。今回は私たちにとっては久しぶりのおにぎりの差し入れです。TGVの乗車券も彼女がネットでとってくれたものでした。感謝あるのみです。
 さて、今回はパリから一気に南下してトゥールーズへ向かいます。最大の目的はトゥールーズからほど近いモワサックに行くことです。日本で初めてリーメンシュナイダーの本を著した植田重雄さんの蔵書に、立派なモワサックのサン・ピエール教会の写真集がありました。ここの戸や柱に施された彫刻が素晴らしいのです。パリからは遠いのでどうしたものかと思案していると、是非行こうと背中を押してくれたのが緑でした。
 このサン・ピエール教会はロマネスク様式で、回廊の柱の上部の柱頭彫刻も個性的で素敵です。柱にそった聖人の彫刻が秀逸で、いままで見たことがないものでした。これは行って見るしかありません。
 しかも、トゥールーズにはロマネスク様式の代表作、サン・セルナン・バジリカ聖堂があるのです。
 というわけで、トゥールーズに3泊することになりました。
 9月2日(土)、人間とは欲深いもので、近場の世界遺産・カルカッソンヌに足を伸ばすことにしました。チャンスがあればフランスで一番行きたい世界遺産でした。愛さんとの話の中に登場したことに刺激を受けたことは事実です。しかしこのことがはらはらどきどきの始まりでした。

 そもそもカルカッソンヌとモワサックは方向が逆でした。まずはカルカッソンヌに向かうのですが、そこからトゥールーズを通り過ぎてモワサックまで行くのが難儀でした。でも結果的には2箇所を踏破して目的を達成したのです。
 モワサックのサン・ピエール教会の入り口近くの柱頭彫刻は拝観できましたが、中庭を囲む回廊には入ることができませんでした。実はここに多くの彫刻があるのです。(76柱に76の柱頭彫刻)他日を期したいと思います。
 このあたりの様子は写真で見ていただきましょう。




*カルカッソンヌの街中

*モワサックのサン・ピエール教会の柱頭彫刻

*タンパン

*ロマネスク彫刻の最高傑作と思われます。


〔620〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑩ ロンドンの3日間は美術館・博物館三昧でした。

2023年10月23日 | 美術鑑賞
  8月29日(火)、V&A美術館訪問のあとはテート・ブリテン鑑賞です。



 8月30日(水)、徒歩で大英博物館に行きました。さらに徒歩でロンドン・ナショナルギャラリーへ。次はこちらも徒歩で初めてのコートールド美術館への梯子です。日本でも少し前にコートールド美術館展が開催されたばかりでした。その展示物が戻っていてじっくり鑑賞できました。小ぶりの美術館ですが、名品揃いです。ちなみにコートールド美術館からホテルまでも頑張って歩き通しました。この日1日で2万歩弱を記録し、旅の最高記録となりました。



 イギリスの素晴らしいところは、コートールド美術館以外はいずれも無料だということです。公費と寄付金で運営されていて、寄付金を入れる箱は用意されています。
 8月31日(木)、雨模様の1日でした。フェルメールの「音楽の稽古」(これを見ればフェルメール全作品完全踏破)を見るためクイーンズ・ギャラリーを訪ねましたが、予約が必要ということで午後遅くに再度舞い戻りました。その間、国会議事堂、ウェストミュンスター寺院、ウェストミュンスター大聖堂、などで時間をつぶすことになりました。ウェストミュンスター寺院の入場料が27ポンドと高額なので土産物売り場を覗いただけにしました。


*国会議事堂に臨む雨の中のチャーチル像

 しかし再びのクイーンズ・ギャラリーにはフェルメールはありませんでした。しかも展示物が皇室関係の煌びやかなものだけで辟易してしまいました。クイーンズ・ギャラリー前の植え込みに咲くカタクリのような花には癒やされました。


*クイーンズ・ギャラリー

*クイーンズ・ギャラリー前の植え込みに咲くカタクリのような花