湾岸線を走り、東関東道の酒々井PAで休憩する。
いつもの成田空港への道すがらである。
酒々井PAのスタバは、比較的ゆったりできるのである。
木村屋のあんぱんも好きだけれど、スタバの雰囲気も大好きである。
スタバの店の前にあるチェアに座った。
ここで、ぼくはしばらくの間休憩して一つ詩を書いた。
もちろん最近愛用のポメラである。
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オープンな場所で
すると
横顔の素敵な人が向こうの
チェアに座って
カフェラテを音も立てず
飲んでいた
その人は
話すたびに
透き通った歯並びが覗く唇から
ころころと声をこぼし続けているのだった
ほんの少しだけ
そのコロラチューラな声韻を
浴びた森羅万象は
たちまち枯渇してしまった
ただ
その人が歩いた跡だけが
蘇るのを許され
蘇生の韻律を刻んだ
その人は
誰にとっても
神であって
俗人的な存在ではないのだと
寓話が記憶し記録した
すると
オープンなカフェは
宇宙の塵(くず)となって
ブラックホールに飲み込まれてしまった
オープンな場所は危ない
誰もが
そこをベースとして
戻れるからである
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視線を上げたら、そこには桜の木があって虫食いの葉が風に揺れていた。
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この日、都会では静かなトワイライトが訪れていたのである。
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荒野人
いつもの成田空港への道すがらである。
酒々井PAのスタバは、比較的ゆったりできるのである。
木村屋のあんぱんも好きだけれど、スタバの雰囲気も大好きである。
スタバの店の前にあるチェアに座った。
ここで、ぼくはしばらくの間休憩して一つ詩を書いた。
もちろん最近愛用のポメラである。
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オープンな場所で
すると
横顔の素敵な人が向こうの
チェアに座って
カフェラテを音も立てず
飲んでいた
その人は
話すたびに
透き通った歯並びが覗く唇から
ころころと声をこぼし続けているのだった
ほんの少しだけ
そのコロラチューラな声韻を
浴びた森羅万象は
たちまち枯渇してしまった
ただ
その人が歩いた跡だけが
蘇るのを許され
蘇生の韻律を刻んだ
その人は
誰にとっても
神であって
俗人的な存在ではないのだと
寓話が記憶し記録した
すると
オープンなカフェは
宇宙の塵(くず)となって
ブラックホールに飲み込まれてしまった
オープンな場所は危ない
誰もが
そこをベースとして
戻れるからである
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視線を上げたら、そこには桜の木があって虫食いの葉が風に揺れていた。
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この日、都会では静かなトワイライトが訪れていたのである。
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荒野人